今年4月に、「毎月分配金がもらえるJ-REITのポートフォリオ」を紹介した。今回は第2弾をご紹介する。
10月/4月決算のトーセイ・リート投資法人
11月/5月決算のユナイテッド・アーバン投資法人
12月/6月決算のCREロジスティクスファンド投資法人
1月/7月決算のサムティ・レジデンシャル投資法人
2月/8月決算のサンケイリアルエステート投資法人
3月/9月決算のケネディクス商業リート投資法人
株式投資の「配当金生活」のように
J-REITで「分配金生活」してみよう!
まずは、J-REIT(ジェイリート)について簡単におさらいしてみよう。
J-REIT(ジェイリート)とは、証券市場に上場している金融商品「不動産投資信託」だ。J-REITを1口購入すると、株を買うぐらいの小口資金で、大規模大家さんの仲間になれる。
また、J-REITの分配金利回りは3〜6%と株式投資よりも高配当なものが多い。分配金が高い理由については、過去記事を参考にしてほしい。
※分配金とは、株式投資の場合の配当金と同義。
J-REITの特徴として、決算が年2回あり、分配金も年2回もらえる(1銘柄のみ年1回の決算)。
多くの株式会社は決算が年1回で、配当も年1回か、中間配当を出す会社は年2回出る。
また、株式会社の決算は3月集中しているが多い。しかし、J-REITは銘柄ごとに決算時期がバラバラだ。
例えば、10月と4月に決算があるJ-REIT銘柄を買うと、各3ヶ月後の1月と7月に分配金がもらえる仕組みだ。
つまり、J-REIT投資の方が株式投資よりもFIRE(経済的自立をして早期リタイア)しやすいと言えるだろう。
「毎月分配金をもらえるポートフォリオ 第2弾」では、
◆リスク分散を鑑み、各リートが持つ保有不動産のタイプを分散した(オフィス特化型、物流特化型など)
◆安定した分配金が見込める。
◆投資口価格が安めの銘柄
◆第1弾ポートフォリオとは、銘柄がかぶっていない。
「毎月分配金をもらえるポートフォリオ 第2弾」
10月/4月決算のトーセイ・リート投資法人
11月/5月決算のユナイテッド・アーバン投資法人
12月/6月決算のCREロジスティクスファンド投資法人
1月/7月決算のサムティ・レジデンシャル投資法人
2月/8月決算のサンケイリアルエステート投資法人
3月/9月決算のケネディクス商業リート投資法人
※証券コード、J-REIT名、投資口価格、予想分配金利回りの表。2021年10月21日終値現在。
上記を選んだ結果、
●投資口価格は10万円代が大半で、1部に20万円台の銘柄も。
●予想分配金利回りは、4%台の銘柄が多い。
●6銘柄を単純平均した予想分配金利回りも4%台。
●6銘柄を購入した場合、合計約100万円の投資。
次に各銘柄について、見ていこう。
■4/10月決算のトーセイ・リート投資法人
10月の決算銘柄でも紹介したトーセイ・リート投資法人。
トーセイ・リート投資法人は資産規模723億円と小型の総合型リート。
スポンサーは、東証1部上場の不動産会社、トーセイ株式会社。
同リートは、中小サイズで築年数が古く、立地も少しマイナーな場所に建っている物件が多い。
他リートと購入競争になりにくい物件を選び、上手に再生して運用している。
「目利き力」を使って物件を安く仕入れているため、同リートの分配金利回りは高く、投資主(株主)に個人投資家が多い。

■5/11月決算のユナイテッド・アーバン投資法人
ユナイテッド・アーバン投資法人は資産規模6,751億円の大規模な総合型リート。スポンサーは総合商社の丸紅。
2003年設立の老舗リートで、日本コマーシャル投資法人を吸収合併した際に発生した「負ののれん」等の内部留保がある。
スポンサーが総合商社なので、物件ポートフォリオは、商業施設、オフィス、ホテル、住居、その他(ほとんどが物流施設)と多様で、地域も広範囲だ。
分散投資をモットーに、収益の安定化を目指している。

■6/12月決算のCREロジスティクスファンド投資法人
CREロジスティクスファンド投資法人は、コロナ禍で人気が高まった物流特化型リート。
スポンサーは、東証1部上場の物流施設に強い不動産会社シーアールイー(CRE)。
同リートが保有する物流施設は、築年数が浅く、高稼働の物件が多い。
他の物流施設特化型リートと比べると、同リートの資産規模は1,347億円と小型。
しかし、誰もが知っている超大手の系列でないために、却って物流施設特化型リートの中では利回りが高い。
なお、物流施設は土地が安いエリアに建設されることが多いため、建物価格の比率が高い。
つまり、減価償却費が多く計上される。ゆえに、分配金には「利益超過分配金」が多く含まれる。

■1/7月決算のサムティ・レジデンシャル投資法人
サムティ・レジデンシャル投資法人は2015年に上場した住宅特化型リート。スポンサーは関西が地盤の不動産会社サムティグループ。
大和証券グループ本社がサブ・スポンサーとして参画している。
資産規模は1,438億円で、地方都市を中心に分散投資している。
東京圏に物件を集中させているリートが多いため、同リートを保有することでリスク分散にもなるだろう。
住宅特化型リートの中では利回りは高めだ。
しかし、地方の物件は減価償却費の割合が高く、分配金には利益超過分配が含まれる。

■2/8月決算のサンケイリアルエステート投資法人
サンケイリアルエステート投資法人はオフィス特化型リート(ホテル物件も少しある)。
資産規模966億円と小規模なリートだ。
スポンサーはフジ・メディア・ホールディングスの中で、不動産事業を行うサンケイビルグループ。
大手メディア系列を活かした不動産開発や運営、管理を行っている。
同リートの物件は、不動産事業を始めた東京や大阪を中心に、築年数が浅めの大規模なオフィスビルが多く、収益力も高めだ。

■3/9月決算のケネディクス商業リート投資法人
ケネディクス商業リート投資法人は資産規模2,497億円の大規模な商業施設特化型リートだ。
スポンサーは、三井住友ファイナンス&リースグループに入ったケネディクス株式会社。
現在は非上場で、不動産ファンドの運用などを行っている。
4大都市圏(首都圏、大阪圏、名古屋圏、福岡圏)などの「生活密着型商業施設」に重点投資している。
食品スーパーやドラッグストアなど「生活密着型商業施設」はコロナ禍では勝ち組だった。
3〜5kmほどの小さい商圏がメインなので、近くに住む消費者の来店頻度が高い。平日と休日の差が小さい事も強みだ。

上記のように、毎月分配金をもらうポートフォリオ第2弾を組んでみた。約100万円の投資で、平均利回りは4%台。
前述したが、第1弾ポートフォリオとは銘柄がかぶらないようにしている。
J-REIT投資は、個人でも都心に建つ大規模ビルの物件オーナーの一人になることができる。物件の管理運営も丸投げだ(笑)。
FIRE(経済的自立&早期リタイア)への道のりの参考になれば幸いだ。なお、投資は自己責任でお願いしたい。
健美家編集部(協力:野原ともみ)