不動産経営を行う上で大なり小なり関わる銀行融資。この銀行融資という分野において、無視できないのが銀行の「融資姿勢」である。審査過程において、時には物件の良し悪し以上に大きな影響をもたらすこのメカニズムを、我々はどのように認識すればいいのか?
1.マクロで捉えた銀行情勢
①昨今のコロナ支援融資により貸出残高は増加したが
2021/8月に公表された日本銀行の「貸出・預金動向」によれば、2021/7月の銀行・信金計の貸出平均残高は前年比1%増加と依然増加傾向である。コロナ後の特別融資により、ここ1~2年で大きく残高を伸ばしてきた背景を鑑みると、融資残高の分野においては各行も満足のいく数字に着地していると考えられる。
②銀行も収益性を求める組織
しかし銀行も様々なコストを抱え運営している以上、収益を求めることは避けられない。収益については、長期的に継続している低金利情勢の影響もあり、各行苦戦の状況が続いている。
本業の貸し出し業務では利鞘(貸出金利と調達コストの差)を得ることが出来ず、金融商品販売や、フィービジネスへの移行が目立つ。またコスト削減に向けても、一部
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