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「銀行を儲けさせることが成功への近道」実質金利の理解と応用【不動産融資攻略シリーズ】

不動産融資/融資戦略 ニュース

2022/06/18 配信

基本的に、銀行の収益モデルの中心は融資による利鞘である。昨今の低金利の情勢において、利鞘による収益モデルは厳しい状況にあるが、それでも銀行が銀行たる一番の所以は融資であり、この部門での黒字化は不可欠だ。

銀行融資と距離が近い我々不動産投資家は、このことを意識し、「銀行に儲けてもらう」という意識を持つことが重要である。

今回は銀行の収益性を図る上での指標「実質金利」について解説していこう。

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1.実質金利とは何か?

実質金利とは、
「銀行が真にリスクを取って貸した金額に対する受取利息の割合」である。

例えば、ある投資家Aの銀行との取引状況を以下とする。
借入金額:10,000万円
金利:2%(年間受取金利200万円)
担保評価額:7,000万円
預金取引:1,000万円

上記の場合、銀行の信用融資額(リスクを取って貸した額)は
10,000万円(貸出金利)-7,000万円(担保評価額)
-1,000万円(預金取引額)=2,000万円

となる。

※預金取引は貸出金とは反対債権の関係であるため、破産の際には投資家Aの貸出金と相殺可能であり、銀行にとっては信用融資額からは除外することができる。

つまり、このケースでの実質金利は
200万円(受取金利)÷2,000万円(信用融資額)=0.1
よって実効金利は10%となる。

つまり、銀行の貸出金利は2%だが、実質金利は10%へと跳ね上がるのである。不動産などを用いてレバレッジを掛けているのは我々だけでなく、銀行も同様であるとも言えるだろう。

2.実質金利の観点からWinWinをもたらすのは預金

上記の計算式から「銀行を儲けさせるため」ためには何をすべきか? 当然だが高い貸出金利を受け入れるのは悪手である。実際のこちらの利息負担額が大きく増加し、利益を損なうことになる。

つまり、実質金利改善の観点からは「担保」と「預金」を積み上げ、銀行のリスクを減らすのが良い選択と言える。

ただし、担保については各銀行ごとに評価を出し、ある程度のストレスを掛けるため、基本的には厳しい数字になることが多い。よほど仕入れがうまくいかない限りは、購入金額を上回る担保評価を出すのは難しいだろう(銀行にもよるが、路線価などで出した評価に対して「70%掛け」といったストレスを掛ける事が一般的である)

よって努力が反映しやすい分野は「預金の積み上げ」という事になる。

3.「預金金利が0.1%」は不動産投資家にとっては間違い

「預金の積み上げ?この低金利の時代に?」
「それならば投資信託で運用した方が儲かる」

預金というとこういった声が聞こえてくるかもしれない。しかし、我々不動産投資家は表面的な金利を見て、預金を見限るのは早計だと言えるだろう。

実質金利を高め、銀行の収益性を確保する。
預金を積み上げ、銀行の安全性を確保する。

これらは、銀行が手放したくない顧客になるためには必要なことであり、その先に待っているのは「金利の引き下げ」や「新規融資の承認」なのである。

仮に、事例のA投資家において、融資金利が2%から1.5%に下がると年間の支払金利は50万円ほど削減されることになる。仮に1,000万円の定期預金を追加したとしても年率5%程度のメリットを享受できることになるだろう。

また、1,000万円の定期預金を追加した顧客に対して、銀行の心象は少なからず上がる。追加融資の際にその影響を受ける事も出てくるだろう。

これらのメリットを前に「預金はメリットが薄い」と結論付けるのはもったいないと言える。

4.まとめ

実質金利の観点からも、預金の積み上げは重要である。

ただしこの効用を得ることができるのは、融資の付き合いが多い不動産投資家や事業者のみである。

この事を良く認識し「手元の資金をどこに送り込むか」について再考したいところだ。

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執筆:半沢大家(はんざわおおや)

Twitter:半沢大家 @UCD04111

■ 主な経歴

元銀行員、現資産運用アドバイザーとして勤務する兼業大家。
2018年に1棟目のアパートを購入して以降、出身エリアを中心に物件購入を継続。現在は木造新築アパート5棟、木造新築戸建1棟、鉄骨中古マンション1棟の計59室を保有。
「銀行員の知見を活かした融資活用」と「土地からの新築アパート企画」を得意とし、現在も新規物件購入に向けて活動すると共に、銀行融資の仕組みについて定期的に情報発信を行っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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