日銀が今年2月に導入したマイナス金利政策は効果を発揮しているのか。欧州中央銀行やデンマーク、スウェーデン、スイスの各中央銀行がいずれも思い切って導入に踏み切っている中で、マイナス金利の考察がさまざまなところで試みられている。
その評価は芳しくない。不人気な理由の一つは、マイナス金利政策があまり長く続くと、銀行の収益性に悪影響が強く与え、金融を活性化する信用創造メカニズムの弱体化につながる可能性があるからだ。
米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズは8月下旬に「マイナス金利に関する考察」と題したリポートを公表し、マイナス金利導入の国が増加しているが有効性に疑問だと見なし、これまでの金融政策でもっとも非伝統的な政策として様々な業種やマーケット、国別におけるマイナス金利のインパクトを論じている。
日本について、東京のリサーチ・チームとして、「マイナス金利による景気浮揚の兆しはわずか」だとの結論をまとめており、銀行部門ディレクターの吉澤亮二氏は、リポートで「邦銀の円資産の利ザヤがさらに縮小した場合は、手数料収入などの非金利収入が増加するか、経費などの支出の削減が図られない限り、収益性の一層の低
...この記事は会員限定です。
会員登録(無料)すると続きをお読みいただけます。
健美家会員のメリット
- 会員限定物件や非公開物件情報が見れる
- 最新のコラムニュース情報がメールで受け取れる