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日銀、長期金利幅「±0.25%」へ拡大 当面、融資金利の急上昇懸念なし だがコロナ収束後に注意

融資/金利 ニュース

2021/03/24 配信

日銀

金融緩和による銀行の収益悪化を和らげる
日銀会合後の19日は長期金利↑も、週明け22日には↓

日本銀行は3月19日に開いた金融政策決定会合で、現在おこなっている大規模な金融緩和策の修正を決めた。

長期金利の変動幅を「プラス・マイナス0.25%程度」とはっきりさせたほか、上場投資信託(ETF)の年間購入額を減らすことができるようにするなどした。

とくに不動産投資家に関係するのは、金融機関が融資金利の参考にもする長期金利の部分だ。これまで日銀は長期金利の変動幅を「プラス・マイナス0.1%の倍程度」としていたが、今回の変動幅の拡大容認で、「金利の上昇につながるのではないか」との懸念も一部で出た。

しかし、結論から言うと、日銀が過度な金利上昇を抑える手段を講じる構えで、当面、融資金利の急上昇につがなることはなさそうだ。

問題は新型コロナウイルスが収束した後の景気回復局面で、日銀の政策姿勢いかんでは金利が上昇に向かう可能性があるということだ。

週末19日の国債市場では、長期金利の指標となる新発10年債の終値利回りが0.110%となり前日より0.010%上昇した。

午後の日銀の金融政策決定会合で決まった政策修正により、長期金利が今後、上がりうるのではないかとの連想が働いたからだ。

しかし、週明け22日の利回りは前週末19日より0.035%低い0.075%に下がった。長期金利の上昇に対する過度な警戒感は薄れたとみられる。

ETF購入は「原則年6兆円」撤廃、購入ゼロ可能に
マイナス金利の深掘り時は銀行に利息上乗せも

ここで、日銀が何を決めたのか見ておこう。目的としたのは、今後も長く金融緩和を続けていくため、金融機関の収益への悪影響を和らげたり、株価の過度な上昇を抑えたりすることだ。

日銀決定内容

1つ目は、容認する長期金利の変動幅を広げ、明確にした。これまでは「プラス、マイナス0.1%の倍程度」としていたため、市場は長期金利の変動幅が「プラス、マイナス0.2%程度」まで容認されているとみていた。

今回、「プラス・マイナス0.25%程度」へと変動幅を広げた。変動幅が広がれば、その分、金融機関は国債の売買で収益を上げやすくなる。

2つ目は、ETFの購入額について、これまで「原則年6兆円、最大で12兆円」としていたのを「最大で12兆円」に変えた。

原則の金額をなくしたことで、株価の上昇局面では、購入をゼロにすることが可能になる。日銀によるETFの大量の購入が日経平均株価を過度に押し上げているという「官製相場」への批判に応えた。

3つ目は、今後、日銀が追加金融緩和策として金利を下げた場合、金融機関の収益への悪影響を和らげるため、「貸出促進付利制度」を創設した。

現在のマイナス金利政策では、日銀が金融機関から預かるお金の一部の金利を「マイナス0.1%」としており、金融機関は損している。このマイナス金利を、今後、日銀が景気悪化に対応するためさらに下げることがあっても、金融機関の収益が悪化しないよう、金融機関に追加の利息を支払う、とした。

1億円のローン、金利2%→4%で月返済額8万円アップ
日銀は「連続指値オペ」で過度の上昇防ぐ

3つのうち、不動産投資家に影響しそうなのは、長期金利の動きだ。金融機関による融資の金利のタイプはいくつかあるが、少なからず長期金利の影響を受けたり、動きが連動したりする。

金利

たとえば、総額1億円のローンを35 年間で組んでいて、初め10年間の金利2%、11年目から金利が3%へ上がった場合、月々の返済額は33万1262円から37万619円へ約4万円増える。

同じく金利が2%から4%へ上昇した場合は、月々の返済額は33万1262円から41万2532円へと約8万円増額する。

金利の上昇は賃貸経営への影響が大きいだけに、投資家としては長期金利の動きに敏感にならざるをえない。

だが、結論から言うと、今回の日銀による政策修正は「当面、長期金利の過度な上昇はもたらさない」というのが、多くのエコノミストの見方だ。金利が過度な上昇に向かい始めた場合、日銀は「連続指値オペ」という手法を使ってそれを抑え込むとしている。

もっとも、一部で懸念されているのは、新型コロナウイルスが収束した後の日銀の対応だ。景気が好調に向かえば、「プラス・マイナス0.25%程度」という変動幅をさらに拡大したり、一定の金利上昇を容認したりするようになる可能性がある。

金利の動き次第で、不動産投資家は柔軟に融資戦略を変えていかなければならない。今後も日銀の政策動向には、目を光らせていきたい。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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