金融庁は9月15日、「平成27事務年度 金融レポート」を公表した。「金融レポート」とは、「金融行政方針」の進捗状況や実績等の評価をとしてとりまとめましたもの。直近1年間における金融分野の問題点を分析している。
日本の金融システムの現状のなかで「我が国の金融システムの評価とその健全性に影響を及ぼしうるリスク」では、総体として健全で安定しているものの、特に以下の点には留意が必要とされている。
- 金利低下が継続する中、短期で調達し、中長期の貸出・証券運用を行うビジネスモデルの持続可能性
- 海外向けの与信や証券投資が拡大することに伴う外貨流動性管理
- 世界経済・市場の変化が信用コストに与える影響
- 国債市場の低流動性や異例に低いタームプレミアムの中での金利変動リスク
- 過去との比較において特に高い伸びではないが、不動産向け貸出(アパートローンを含む)を含めた与信の集中リスク
なかでも、不動産投資にかかわる部分としては、「不動産向け貸出(アパートローンを含む)を含めた与信の集中リスク」への懸念。
具体的にいえば、業種別貸出の前年比伸び率を見ると、製造業を含むほぼ全業種向けでプラスとなるなか、預金取扱金融機関の不動産向け貸
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