バブルがはじけると、金融機関は資金回収に本格的に動く。「バブル崩壊時を思い起こすと鳥肌が立つ……。オーナーとしては物件を売る気がないのに、『売ってもらわないと困ります!』と張り込みまで行って債権回収を迫った」。元銀行マンA氏はそう当時を回想する。
そのA氏は、
「バブル崩壊時は、早く売らせなければという状況に追い込まれた。金融機関の破綻があって、通常の不動産仲介ビジネスが成り立たず、外資系が一斉になだれ込み不動産を買いあさった。入札の取り仕切り役みたいなことを手掛けて半年で1000億円を処理。
当時は、債権回収に伴い不動産を現金に変えさせるのが目的でいくらでもよかった。バルク売りの中に500円という不動産も存在した。理論上の価格では売れない。誰も物件を買わなくなり、査定・評価が破綻した時期で鑑定士の存在意義がなかった」
と振り返る。
足もとではいよいよ、個人投資家向け不動産融資の引き締めが本格化しそうだ。
日本経済新聞社が独自に行った、全国の地方銀行100行の投資用不動産に関するアンケート結果では、融資審査を「厳しくしている」、「厳しくする方向で検討」と回答した銀行は合わせて42%に達し、融資姿勢
...この記事は会員限定です。
会員登録(無料)すると続きをお読みいただけます。
健美家会員のメリット
- 会員限定物件や非公開物件情報が見れる
- 最新のコラムニュース情報がメールで受け取れる