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「スルガ問題で市場は基本に立ち返った」。元三井住友銀行支店長、不動産投資家の菅井敏之氏に聞く。

融資/融資状況 ニュース

女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を舞台に、スルガ銀行や不動産会社が審査書類・預金データを改ざんした不正融資が発覚し、その後も新築アパート開発・販売を手掛けるTATERUにおいて同様の不正が明るみに出るなど、個人向け不動産投資マーケットは潮目を迎え、銀行の融資姿勢は一気に厳しくなった。

ただ、この状況について、元三井住友銀行で支店長を経験した不動産投資家の菅井敏之氏は、「(スルガの不正融資の発覚によって市場は)基本に戻った」と指摘する。かぼちゃ問題から1年余りが経過した中で、2019年のサラリーマン投資家市場の行方について聞いた。

菅井記事イメージ写真

――個人の不動産投資家は融資の厳しさを実感しています。

「金融資産を持たないサラリーマンが融資に過度に依存したのが、ここ3年ほどの不動産投資市場のトレンドであったのは間違いない。スルガ問題を受けて銀行は、審査のハードルを引き上げた。メガ銀行が完全に絞っている」

「これからの個人投資家に対しては、金融資産を持たない人に融資は出さないだろう。担保が取れない人というよりも、自己資金を出せない人に厳しい時代となる。すでに総資産3億円、純資産で5000万円はないと融資に応じられないと線引きする銀行もあり、そこに達しない人は門前払いとなっている」

――不動産投資市場は縮小に向かいますか?

「収益不動産を買いたい人は減らない。アパート経営などは副業の王道でもあるからだ。政府も働き方改革などと言って副業も推奨している中で、例えば区分マンションや小規模アパートに対する一般的なサラリーマンの賃貸経営ニーズは衰えない」

「だが、銀行が潤沢に資金を出せなくなった。このため、一棟売りがメインだった不動産仲介会社が区分マンションや小規模アパートにシフトしている。一棟物件を購入するサラリーマン投資家が市場から一斉に姿を消したためだ」

――銀行の融資姿勢は具体的にどのようになるのでしょうか。

「年収が高いなど属性だけで1億円も2億円も貸し出す銀行はなくなる。ある程度の金融資産があったとしても2〜3割の頭金を求められたりする。例えば、5000万円の金融資産を持っていて1億円の物件を購入するときには2000万〜3000万円は頭金として入れてください、というのが普通になってきた」

「実際のところ、そこの水準で投資物件を買える人は少ない。もちろん、銀行として融資はしたいはずだ。そうしないと銀行のビジネスモデルは壊れてしまう。単純に頭金を入れてください、という昔ながらの融資水準に戻ったに過ぎないということである」

「サラリーマンにとどまらず、企業経営者も本業以外の収入源を持ちたいのは同じ。そうした経営者層を取り込みたい銀行は、社長が会社に貸し付けているお金を肩代わりして戻ってきた資金を頭金にアパートを購入してもらう動きも目立ち始めている」

「資産の組み換えニーズもおう盛だ。古いアパートを処分して、より事業性の高いマンションに組み替える。地方の資産家は、地方の衰退振りを目の当たりにしているだけに、資産の組み換えで東京など大都市中心部に収益不動産を買い換えている」

――個人投資家の今後の姿勢についてうかがいます。

「事業性を判断することが最も求められる。地方というだけで銀行が貸し渋るようになってきた。現状を見ると、高金利で借りている人は出口がなくなった状態と言っていい」

「私のところに相談に訪れる人には、本業を続けろとアドバイスしている。金利の上昇局面は読めないが上昇に備えておくべき。金利が上昇すれば立ち行かなくなるので、本業を辞めてしまうと収入源が絶たれてしまう。なるべくおカネは使わない、修繕費などのコストは無駄をなくす。金利上昇リスクに備えて5年に一度はまとめて返済する」

「そうしたリスク管理をしないと人生を棒に振ってしまうことになる。足もとのサラリーマン投資家を見ると、バランスシートが毀損している人が少なくない。債務超過に陥っており、バランスシートの改善に注力し、運用物件を拡げるよりも自分の財務体質をきっちり改善していくことだ」

――満室に向けた賃貸経営に欠かせないこととは。

「エッジの効いた賃貸経営が欠かせない。つまり、特徴のある賃貸運営だ。高齢者や外国人、ペット専用といった今後の需要が見込めるところを意識すべきだろう。なにもエッジが立っていない賃貸経営では入居者が集まらない。いつの時代も需要と供給、そのエリアごとに必ず需要があって、そこで困っている人を見て供給していく」

「老後対策とか、相続対策とか。自分のことばかりをするからひっくり返る。困った人を見るという姿勢が必要。外国人労働力を欲しているのに泊まるところがないという地域が多い。東京都内のコンビニ店員は外国人が多いが、その人たちが仕事を終えてから遠くに住むわけはない。狭くてもいいから職場に近い、学校に近いところに住むニーズがあるのだから。その地域ごとのボリュームゾーンを見極めていく。銀行の見方もそうなってきた」

「イールドギャップや期待利回り云々は妄想利回りに過ぎない。賃貸経営は、実際に賃料が入ってなんぼの話であり、取らぬ狸の皮算用的な世界でばかり考えている。

世田谷や杉並、横浜だから大丈夫ということではなく、そうしたエリアであっても空室だらけのアパートは数知れない。その逆も然りで地ぐらいが高くない地域であっても満室稼働の賃貸物件は少なくない。地域ニーズを見もしないで皮算用目線で物件を購入するから失敗するのだ」

健美家編集部(聞き手・中野淳)

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