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金利「2%→5%」で月の返済額は17万円増も…?財政悪化が招く最悪のシナリオ≠ニは

融資/その他 ニュース

概算要求額は合計104兆9998億円
その中で厚生労働省の要求額は約3割

年末恒例である国の予算編成の時期が近づいてきた。12月下旬に編成される2020年度予算案全体の額は、医療、介護などにかかる社会保障費が膨らみ、100兆円を超える見通しとなっている。

懸念されるのは、歳入不足を国債(借金)で補う構図が強まり、財政悪化と金利上昇のリスクが強まることだ。不動産投資をしている人も他人事ではすまされない。

試算では、1億円を30年で借りている人の金利が、仮に2%から5%へ跳ね上がれば、毎月の支払い額は、約37万円から約54万円へと、17万円も膨らむからだ。

なぜ、こんな恐ろしい事態になりかねないのか。まずは簡単に、国の予算について説明しよう。

今年8月末、全ての中央官庁が来年度予算でつけてほしい額を財務省に要望する「概算要求」が締め切られた。その額は計104兆9998億円に達し、中でも高齢化を背景に社会保障費が伸びたことで、厚生労働省の要求額が32兆6234億円と、全体の約3割を占めた。

年末に向け、財務省は予算編成を本格化させる。どこまで歳出を抑えられるかが課題だ
年末に向け、財務省は予算編成を本格化させる。どこまで歳出を抑えられるかが課題だ

財務省は要求の査定を進め、拒否するべき要求は拒否して、最終的な政府予算案を12月下旬にまとめる予定だ。概算要求の締め切り後に記者会見した上野賢一郎財務副大臣(当時)は「精査をしっかりやり、質の高い予算となるよう努力したい」と意気込みを見せた。

ただ、社会保障費については、高齢の有権者の反発を恐れる政治家から「大きく削るな」という圧力がかかる可能性がある。最終的な予算案での社会保障費は30兆円程度になる公算が大きい。

また、概算要求の中には、今年10月に行われた消費税増税に対する景気刺激策が含まれていない。年末の予算案には、数兆円分の消費刺激策が上乗せされるはずなので、最終的に予算案全体の額は、19年度に続き、100兆円の大台に乗るとみられる。

いつまで続く?超低金利。一度上がり始めると
金利の上昇がさらなる金利の上昇を生む?

懸念されるのは、予算に対し、歳入(収入)が不足することだ。税収は約60兆円超にとどまる見込みであるため、残り40兆円程度の多くを国債の発行(借金)でまかなわなければならない。すでに借金が積み上がり、「先進国で最悪水準」といわれている国の財政状態が、ますます悪くなる見込みだ。

こうなると、何が起きるのか。想定されるのは、日本国債を買っている投資家たちが国債を売り始め、国債価格が下がって金利が上がる事態だ。

現状では「足元はずっと超低金利ではないか」という楽観的な声がある。デフレ脱却のための金融緩和策として、これまで日銀が国債を大量に買い、保有し続けてきたことが超低金利の大きな理由だ。

しかし、「いずれ日本の財政悪化に対する危機感が市場などで強まるのではないか」と指摘する専門家は少なくない。そうなれば、「毎日の国債取引で多い海外投資家などが、国債を売りに走る」(財務省OB)恐れが強まる。

この結果、金利が上昇に向かえば、利払いの負担がかさむ民間銀行も、保有している国債を売り始めることが予想される。つまり、金利の上昇がさらなる金利の上昇を生む負のスパイラル≠ノ落ち込むことになる。

1億円を30年間借りて2%→6%になると
毎月返済が23万円も増えることに

もちろん、金融機関からお金を借りてアパートやマンションなどに投資をしている人たちも、無関係ではいられない。

ここで、具体的な数字を挙げて試算してみる。たとえば、1億円のお金を金利2%、30年間で借り続けたとすると、毎月の返済額は36万9619円となる。仮に金利が5%へ3ポイント上昇すれば、毎月の返済額は53万6821円へと、17万円近く跳ね上がる。

もしも金利が6%へ4ポイント上昇すると、毎月の返済額は59万9550円と、23万円も増えることになる。

ここまで増える返済額を家賃収入でまかなえる人が、果たしてどれだけいるか疑問だ。自己破産を選ばざるをえない人も出てくることは間違いない。

金利の上昇は、不動産投資をしている人にダメージを与える
金利の上昇は、不動産投資をしている人にダメージを与える

もちろん、ここに紹介した試算は、あくまで「単純計算」だ。政府もあらゆる手段を尽くすはずなので、ここまで金利が急上昇することはないかもしれない。ただ、かつて金利が急騰し国家財政が危機に陥ったギリシャをみれば分かるように、どんな想定外のことが起きるか予想できないのが経済の世界だ。

「日本だけは最悪の事態が起きない」とは、だれも断言できないのだ。

日ごろ、国の財政に関するニュースは、あまり身近には感じられないだろう。しかし、財政の悪化がみずからの不動産投資にどんな影響を与えうるか分かれば、日々のニュースもまた違って見えるはずだ。有権者の反発を恐れず、きっちり財政健全化の取り組みを進めるよう、チャンスがあれば、政府や与党に対して声を上げてもいいかもしれない。

執筆:小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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