最終利益合計は4割増5190億円 福島銀・百十四銀は黒字転換
企業の倒産が減り賃金の与信関係費用が減る
地方銀行の業績が回復し始めた。東京証券取引所などに上場する地方銀行やそのグループの2021年9月中間決算は、約9割にあたる68社で最終利益が前年を上回った。新型コロナウイルス感染拡大による企業の倒産が減り、貸し倒れに備えて地銀が積み立てる費用が減ったためだ。12月10日には新たに愛知銀行と中京銀行が経営統合の方針を発表するなど地銀再編の動きも加速。地銀が経営基盤や財務基盤を強め、再び不動産投資向けの融資を強化する環境が整ってきた。
地銀・グループ77社の中間決算の最終利益の合計は、前年同期比38%増の5190億円となった。このうち、福島銀行と百十四銀行は黒字に転換した。
大きな理由は「与信関係費用」の減少だ。地銀が融資先の経営悪化による貸し倒れで同費用を積み立てれば、利益が減る原因となる。一方、融資先の業績が改善し地銀が同費用を取り崩せば、利益が増える原因となる。
9月中間期は、政府や日本銀行による支援の効果もあって企業の倒産が低水準に。この結果、地銀の与信関係費用が減少し、業績
...この記事は会員限定です。
会員登録(無料)すると続きをお読みいただけます。
健美家会員のメリット
- 会員限定物件や非公開物件情報が見れる
- 最新のコラムニュース情報がメールで受け取れる
取材・文:
(おだぎりたかし)