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スーパーシティ構想、空飛ぶクルマとドローンで大阪とつくばが戦略特区に。世代循環型社会の実現なるか

政策(不動産投資関連)/街づくり ニュース

2022/04/19 配信

少子高齢化が進んでおり、国は人口の減少に対応した街づくりを迫られている。総務省が4月15日に公表した2021年10月1日時点の人口推計で外国人を含めての総人口は1億2500万2000人であり、2020年10月と比べて64万4000人減少した。11年連続で減少。その減少率は統計を取り始めた1950年以来で最大の0.51%になった。

新型コロナウイルス感染対策で入国制限をしてきたことで外国人が減り、コロナ禍で出産することを避ける傾向が強まり、新生児の誕生も減った。人口減に伴う大都市との格差と、地方の過疎化がさらに加速することへの対応は待ったなしである。

賃貸、持家、東京、地方といったことに関係なく住まいの価値観はこれまで変化を続けてきたが、人口動態の変化は劇的に住まい方を変えるものだ。ロケーションやアメニティの部分を踏まえて、今後はどのような暮らしぶりが最適なのかが問われている。

内閣府資料@
内閣府資料より

金太郎アメのような開発に限界

総務省の統計からも高齢者が急速に増えていくことが明らかになっている中で、街や住まいの機能そのものが高齢社会に適応できているのか。最も重要なのは世代が循環している街や町になれるのかが大きなポイントである。

残念ながら日本の住宅・不動産業界を見渡すと、東京を中心とする大都市圏重視でビジネスを展開し、駅から放射線状に広がるような判で押したような街づくりをしてきた。

全国主要都市の駅前はどこもかしこも同じようなデザインのビルが並び立つ。「金太郎アメのような開発ばかり」(大手デベロッパーのOB)では少子高齢化に伴う人口減少社会には対応できないとの指摘は都市開発の専門家などからも聞かれる。

大都市の中でも拠点のように発展するところ、発展しないところがはっきりしてくる。地方・郊外での開発プロジェクトでは、住環境とオフィス環境に注力すべきときに来ているが、単にブルドーザーで山を切り開いてみたいな街づくりの発想では将来廃れた街をどうするかという、結局だれかがババを引く世界が待っていることになる。

周回遅れデジタル化の挽回なるか

そうした中で政府は、地方の地盤沈下を防ぐ手立てとしてスーパーシティ構想を掲げて地方創生に本格的に動き出す。

人工知能(AI)やビッグデータなどを活用しての街づくりである。政府の国家戦略特区諮問会議(議長・岸田文雄首相)は今年3月10日に「スーパーシティ」型の国家戦略特区の選定で大阪(府・市)と茨城県つくば市の指定を決めた。

規制緩和を進めて最先端のサービスを導入した街づくりを目指すものだが、例えば、キャッシュレスでの買い物を当たり前にしたり、地方の課題であるモビリティでは自動走行車両を導入、行政のさまざまな手続きを手元のスマートフォンで行えるような新たな生活様式をデジタルで作り上げていく取り組み。

コロナ禍でデジタル技術が世界の周回遅れになっていることに気づかされたが、その巻き返しに向けての号砲となれるかに注目が集まっている。

国家戦略特区の選定を受けた茨城県つくば市の「つくばスーパー『サイエンス』シティ構想」を見ると、国の研究機関や筑波大学等と連携を進めて、つくば市全域を対象にデジタルとロボット等の最先端技術を社会に実装していく。

移動・物流分野では、ロボットとドローンによる荷物の配送、行政分野ではインターネット投票と外国人向け多言語での情報発信、医療分野でマイナンバーを活用したデータ連携の健康・医療サービス提供を目指すとしている。

大阪(府・市)では、2025年の大阪万博を見据えた取り組みで「データで拡げる健康といのち」をテーマに万博予定地の夢洲と大阪駅北の「うめきた2期」の2つの新規開発エリアを対象に進める。日本で初めてとなる「空飛ぶクルマ」の社会実装などを目指している。データ駆動型社会にも取り組んでいく。

ただ、大阪が同構想の国家戦略特区に選定されたことを受けて、「なんだ、結局は大都市ではないか」という地方自治体からの不満の声が容易に連想できるだけに大阪の取り組みが地方にどう波及させることができるのかを考えないことには国の本気度は伝わらない。

内閣府資料A
内閣府資料より

撤退と集約による街づくりへ

東京一極集中の解消も同じだ。これまでのような掛け声倒れを予想することは難しくない。一極集中の緩和は、地方には働く場所が限られ、高度な教育と高度な医療を受けられる場所が少ない。このことが地方を離れて都市に目が向く要因として大きい。

デジタル技術の活用が進むことで場所を選ばずに仕事ができたり、ハイレベルな教育環境を地方で受けられたり、中高年以上が気になる医療でも遠隔でハイレベルな医療を受けられる。これらデジタル社会の実現に向けてのインフラ整備は地方創生が進むかどうかの鍵を握っている。

そもそもスマートシティの着想としては、人口が本格的に減少している中で、街・町のコンパクト化をしないと賑わいを維持できない地域が増えていくため、それを防ぎ地方を地盤沈下させないことにあるはずだ。

全国津々浦々まで救われるわけではないが、行政と民間のサービスを受けやすくしたり、若い人が減り、住民同士が支え合うことが難しくなることを防ぐ。スーパーシティ構想を契機に、撤退と集約のバランスによる街づくりが進むことで新たな活況とビジネス機会が生まれることに期待したい。

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健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

大学卒業後に不動産関係の広告制作会社に約10年勤務。現在は都内のIT会社に勤める40代サラリーマン。学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を執筆。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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