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殺人は3年間告知を!国交省「事故物件」指針案

政策/緩和措置 ニュース

2021/06/17 配信

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対象は戸建てやマンション、共用部も含む
老衰、病死などの自然死は告知義務なし

国土交通省がこのほど、前の入居者が亡くなるなどして心理的瑕疵のある、いわゆる「事故物件」に関する指針案をまとめた。殺人や事故死の場合、賃貸物件は「3年」を過ぎれば告知義務がなくなるとするなど、国として初めて告知義務に関する基準を示したもので、賃貸経営がやりやすくなるのは間違いない。国交省は6月18日締め切りの意見公募をふまえて最終的な指針をまとめる。最近「事故物件 住みます芸人」が注目されるなど一般の人の事故物件への意識は高まっており、不動産投資家は指針を理解してしっかり理論武装≠オたい。

国交省が基準を示す理由の一つは、どのような場合に告知義務があるのかはっきりしなければ、これからも増える一人暮らしの高齢者の入居を拒否するオーナーが増える懸念があるからだ。

指針案のポイントは以下の通りとなる。

指針案ポイントjpg

まず、指針案は、賃貸の仲介や物件の売買を手掛ける不動産業者向けとなる。

しかし、その業者に仕事の依頼をするのは物件のオーナーであり、みずからしっかり指針の内容を把握して、賃貸募集や物件売却に関する戦略を業者と練っていくことが大切だ。

指針案の対象は住宅となる。戸建てやマンション、アパートなどがあてはまる。

適用される範囲は、入居者が寝起きする居室だけでなく、日常的に使うベランダ、廊下、エレベーター、共用玄関といった共用部も含まれる。

ただし、実際に入居者が亡くなった部屋と隣接する部屋には適用されない。建物の前面道路にも適用されず、今後、扱いが検討されるもようだ。

その上で、指針案は告知義務があるかないかを「殺人、事故、火災などによる死亡」の場合と「自然死」の場合に分けた。

殺人などで売却の場合は「3年」の期限なし
自然死も特殊清掃したときには告知義務

告知義務があるとしたのは、入居者が殺人、事故、火災などで死亡した場合だ。国交省は、賃貸の場合、死亡してから3年間は入居希望者に対して告知する義務があり、それを過ぎると、義務がなくなるとした。3年間という期限は、国交省がこれまでの判例や実務から判断したという。ただし、これは賃貸するケースで、売却するケースにはあてはまらないので注意が必要となる。

告知しなければならない内容は、発生時期や場所、死因だ。

一方、告知義務がないとしたのは、老衰、持病による病死などの自然死。これらは当然に予想できることで、「買主・借主の判断に重要な影響を及ぼす可能性は低い」(国交省)と判断したという。

こちらも例外があり、遺体の発見が遅れて腐敗が進み、特殊な清掃が必要となった場合は3年間の告知義務がある。発生時期、場所、死因に加え、発見時期や、臭気・害虫が発生したことなどを入居希望者に伝えなければならない。

業者は指針に従わなくても、ただちに法律違反に問われるわけではない。だが、トラブルが生じた場合に行政庁が監督へ乗り出すにあたり、指針が考慮される。

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国交省の指針案について、不動産取引に詳しいことぶき法律事務所(東京都新宿区)の塚本智康弁護士は「3年というわかりやすい基準が明確に示されたのは意義がある。これまで裁判例はあったものの、国交省が基準を示していなかったので、『どういうときに説明義務を果たしていないのか』がはっきり分からなかった」とし、「物件オーナーは賃貸経営がやりやすくなる」と評価する。

一方、塚本弁護士は「殺人の告知義務の期間が自殺と同じで3年間というのは短いのではないか」とも指摘する。殺人のように事件性がある場合は、自殺と比べて入居者への心理的な負担が大きいと考えられるためだ。

消費者への事故物件に対する意識たかまる
「住みます」芸人が注目、専門の物件サイトも

近年、インターネットで情報が集めやすくなったこともあり、事故物件への消費者の意識は高まっている。

最近では、事故物件に住み続ける「事故物件住みます芸人」松原タニシさんが注目され、昨年、その体験談をもとにした映画「事故物件 怖い間取り」が公開された。

相場より家賃を下げざるをえない事故物件を扱う不動産サイトもある。その一つが「成仏不動産」だ。

成仏不動産のホームページ
成仏不動産のホームページ

また、都市再生住宅機構(UR)も、入居者が亡くなった物件を「特別募集住宅」として、ホームページで紹介している。「ご入居から1年間または2年間、家賃が半額に割り引かれる住宅があります」としている。

いずれにせよ、指針案は6月18日までの意見公募を踏まえて、最終的な形にまとまる。オーナーはしっかり内容を理解したうえで、賢く賃貸経営を進めていきたい。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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