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新型コロナ対策で自治体が賃料補助策を続々。結果的にオーナーの負担軽減も

政策/助成金 ニュース

2020/04/26 配信

千葉市は減免した賃料の8割補助
上限50万円、オーナーを直接支援

新型コロナウイルスの感染拡大で休業や時間短縮営業せざるをえなくなった飲食店などの借主から賃料の減額を求められる不動産オーナーは、これから増える可能性がある。

だが、自治体の中には、借主の賃料を補助するなどし、結果的にオーナーの負担を軽くする政策を取るところもある。多くが制度設計はこれからだが、該当する自治体に不動産をお持ちなら、借主に利用を勧めるなどしてはいかがだろうか。

関東では、千葉市が打ち出しているのが「テナント支援協力制度」だ。休業要請を受けた業種や飲食店が入っているビルなどのオーナーのうち、賃料の減額や免除などの配慮要請に応じたオーナーに対し、減額、免除した賃料の8割を補助するというもので、上限額は1テナントあたり50万円となっている。

対象期間は、緊急事態宣言の期間である5月6日まで。特徴は、市がオーナーに対して直接、助成を行い、テナント側に余分な事務の手数をかけないようにしていることだ。

一方、神奈川県鎌倉市は、観光客が減った市内の飲食店などの事業者向けに、100万円を上限に家賃2カ月分を支給する。
市内の不動産を借りて事業をおこなっている中小企業や個人事業主を対象に、売上高が前年同月に比べ5%以上減少している場合、お店ごとに1カ月あたり25万〜50万円を上限に賃料分を支給するというものだ。ほかの自治体にくらべ受給要件のハードルが低く、内容も手厚いといえそうだ。

福岡市は賃料の8割、50万円まで支給
山形市は上限30万円、3カ月分補助

九州でも賃料を補助する動きが広がっている。福岡市は、緊急事態宣言にもとづき、福岡県から出された要請を受け、おおむね15日以上、休業した施設や時間短縮営業を行った飲食店などついて、賃料の8割、上限50万円までを支給する。

写真2 福岡市役所
福岡市は賃料の8割、上限50万円まで補助する

同市によると、休業や時短営業をしている飲食店は「デリバリーやテイクアウトをしていても対象とします」という。また、福岡県が休業などを要請していないスーパー、美容室などは、対象外としている。

報道によれば、高島宗一郎市長は4月14日の記者会見で、「市民も苦しい思いをしていると思い、今はお金を出すべきだと判断した」と話している。

このほか北九州市は、休業した事業者を対象に、賃料の8割、40万円を上限に支援する。対象は約1万店舗になる見込みだという。

宮崎市も市内の個人事業主や中小企業に対し、月額賃料の80%を上限10万円まで、1カ月補助する方針だ。条件は、今年2〜5月のいずれかの月の売り上げが、前年の同月より50%以上、減ったこと、となっている。

東北では、山形市が一定以上、売り上げが減り、1カ月以上、休業した事業者に対して、上限30万円、最大3カ月分の賃料を補助する。

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海外では国レベルの対策が進む
米国はローン不払いも60日差し押さえなし

こうした自治体の取り組みに比べ、国の動きは遅いといえよう。
政府はすでに、賃料を減額したオーナーの固定資産税を減免する措置を発表している。

また、勤め先の休業や自宅待機で収入が減り、住居を失う恐れがある困窮者などの賃料を補助する「住居確保給付金」も打ち出した。

ただ、こうした対策も「徹底していない」という批判があり、住宅確保給付金いついて加藤勝信厚生労働相は4月24日の記者会見で、支給要件を緩和することを発表した。「ハローワークに登録して求職活動をしている」という要件を撤廃するのだ。30日から実施する。

また、中小事業者の賃料負担を軽くする措置に関しても、25日現在、与野党の間でまだ結論が出ていない。

政府と与野党は24日、新型コロナウイルス対策に関する連絡協議会の会合を国会で開いた。立憲民主党などからなる野党会派と日本維新の会は、それぞれ飲食店といった事業者の家賃負担を支援する独自法案を説明し、与党に協力を求めた。

立憲民主党などの案は、賃料を政府系金融機関が肩代わりし、収入が減ったテナントの支払いを猶予するというものだ。維新の案は、テナントのオーナーが減免に応じれば、減額分の一定割合を補助するとしている。

ただ、野党からの要請に対し、自民党は態度を保留した。野党は27日からの国会審議に結束して臨むことを確認した。最終的な結構は週明け以降に持ち越された形だ。
この点、海外では、国レベルでの取り組みがスピーディーに進んでいる。

米国では、3月27日に成立した緊急の経済対策法にもとづき、賃料を滞納しても、オーナーは120日間、延滞料を徴収できない、などとした。

一方、オーナーの負担を軽くするため、物件のローンを払えなくても、60日間は金融機関の差し押さえを受けない、などの措置をとった。

米国では、借主とともにオーナーを支援する政策が成立
米国では、借主とともにオーナーを支援する政策が成立

英国では、3月下旬に成立した法律で、オーナーは賃料を支払えなくなったすべての借主に対し、3カ月間は立ち退きを求められないとしている。

オーナーに対しても、3カ月間、ローンの支払いを猶予するとの救済策≠盛り込んだ。

アジアでもシンガポールが、商業用不動産に対する固定資産税を最大で100%免除。免除された税額を、賃料の引き下げに充てることとしている。

このように海外では、借主を支援すると同時に、オーナーを支援する政策をスピーディーに打ち出すことに成功している。これと比べると、日本は国レベルで後手後手に回っており、与野党が議論に本腰を入れることが望まれる。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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