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大家とプロパンガス会社の「密約」にメス、6月1日より入居者に説明要請

政策(不動産投資関連)/制度・サービス ニュース

2017/03/19 配信

今年6月1日から、プロパンガスを利用する賃貸物件については、その価格や不動産オーナーとの契約内容を、書面にて入居希望者に伝えるというやりとりが、不動産会社の窓口で見られることになりそうだ。

中には、プロパンガスを利用することでエアコンや給湯器等の設備がタダになっているといった物件もあり、その場合は内容を入居者に告知するよう、経済産業省が不動産業界へ要請しているのだ。

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国内で4割を占めるプロパンガスは、都市ガスとは異なり、各プロパンガス会社が自由に料金やサービスを決められる。そのため、契約を結びたいプロパンガス会社と、経費を節約したい大家の間で、「独自の契約」が結ばれるケースも多くみられた。

例えば、エアコンや給湯器の無償リース等を目的に、不動産オーナーが所有物件のプロパンガス会社を変更したり、都市ガスからプロパンガスに切り替えたりする手法は、不動産投資のひとつのノウハウとして、書籍等でもたびたび紹介されている。

その一方で、オーナーが享受するサービス分がプロパンガス料金に転嫁され、その結果、入居者が都市ガスに比べて割高なガス料金を支払うという(入居者にとっての)デメリットが生じやすいことは、都合の悪い事実として、積極的に語られることはなかった。

そのような状況にメスが入れられた背景には、平成29年4月に都市ガスの小売事業が自由化となり、一般消費者が様々なエネルギーの価格やサービス等の中から使いたいものを選択できるようになった中で、ガス料金の小売価格の不透明性や取引方法に対する問題点が指摘されていたことがある。

LPガス

ガス料金の不透明性については、実際に下記のような苦情も増えていたという。

「新築木造2階建ての賃貸アパートに入居した。テレビや洗濯機、電気エアコンが付属していることを売りにしている。プロパンガス会社からの請求が高額だと思ったので、ガス会社に問い合わせたところ、ガス会社が家主に対し各部屋に配管工事、給湯器、エアコンを無償で設置し、その料金をガス代金に転嫁していることが分かった。仲介業者から入居する際にプロパンガスだとの説明は受けたが、費用詳細の説明は受けていない」。

「新築の賃貸アパートに入居した。LPガス業者がどこで料金はいくらとなるのか、契約時に、仲介不動産業者に尋ねたが、『わからない。ガス開栓時に業者に聞いて下さい』と言われ、教えてくれなかった。
入居後、ガス料金が以前のアパートでのLPガス料金の2倍以上もすると分かった。ガス業者に値段交渉したが、私の部屋だけ安くすることはできないと言われた。契約時に不動産業者から、LPガス料金のことを教えてもらっていればこの物件を選ばなかった」。

その上で、経済産業省は不動産業界に対して、以下のような基本的方針を示している。

① 国土交通省の協力を得て、不動産仲介業者が集合住宅のオーナー等に確認したLPガス販売事業者名を賃貸借契約締結前の入居予定者に伝え、当該者からLPガス販売事業者に料金照会ができるよう、不動産仲介業界に協力を要請

② LPガス販売事業者が当該者からの料金照会に応じるよう徹底を求める

③ その際、LPガス販売事業者は、オーナー等との合意により集合住宅に付随するガス消費機器やエアコン等の設置費用を負担し、その費用負担を料金回収で実施している場合にはその旨を説明し、その内容を書面へ記載するよう徹底を求める

プロパンガス会社と契約を結んでいる不動産オーナーは、入居者に正々堂々とその内容を伝えられるだろうか? 心当たりのあるオーナーは、6月1日以降に慌てることがないよう、今からしかるべき方策を練っておいたほうがよいかもしれない。

◇参考:液石法施行規則、液石法施行規則の運用・解釈通達の一部改正(公布:平成29年2月22日、施行:平成29年6月1日)

http://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/distribution/notice/170222/

◇参考:経済産業省「第1回液化石油ガス流通ワーキンググループ事務局提出資料」~LPガス業界を巡る諸課題への対応について~

http://www.meti.go.jp/committee/sougouenergy/shigen_nenryo/sekiyu_gas/lp_gas_wg/pdf/001_08_00.pdf

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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