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“ヒト”に優しいオフィス環境作りが不動産価値に!ESG投資とは?

政策/制度・サービス ニュース

2018/02/18 配信

一般的に投資物件の価値は、収益性が重視されることが多い。地域や物件の種類、築年数、賃料などから収益を試算することは当たり前のことであり、だからこそ「収益物件」としての価値がある。

一方、世界的な地球温暖化対策の流れから、建築・不動産部門におけるCO2排出量削減を目指し、建築物の環境性能認証や省エネルギー性能評価などが導入され、物件の価値として評価されている。その次の段階として注目されているのが「ESG投資」だ。

不動産投資分野でもESG投資が注目

ESGとは、「環境(Environment)」「社会(Society)」「ガバナンス(Governance)」の略称。

2006年に国連がESG投資のガイドラインに当たるPRI(責任投資原則)を公表し、ESGの概念を資産運用に導入し、これを受け、国連内のワーキンググループでPRIを不動産に適用する考え方として「RPI(責任不動産投資)」を推進。世界で1,832機関が署名しており、日本でも58機関が署名している(2017年10月時点)。

またこれを受け欧州の主要年金基金グループは、ESG投資を不動産にも適用するために「GRESB」という不動産会社や投資ファンドのESGへの配慮状況についてのベンチマークを策定し、投資家の投資判断として活用も始まっている。

日本ではまだESG投資運用額は少ないが、2015年9月に年金積立金管理運用独立行政法人が署名し、2017年7月からESG指数に連動した日本株の運用をスタート。

またGRESBへの不動産評価参加数も、REIT投資法人を中心に増え始めていることから、ESG投資の認知も進み始めている。

日本でも認証制度を

こういった機運の高まりを受け、昨年12月、国土交通省は「健康性、快適性等に優れた不動産に係る認証制度のあり方について」の中間とりまとめを発表した。

同省は経済基盤を支える土地・不動産分野の市場成長に向けたアクションプランの具体策の1つとして、ESG不動産投資の基盤整備に取り組む方針としており、「ESG投資の普及促進に向けた勉強会」を立ち上げ検討を進めてきた。今回の中間とりまとめでは、ESG不動産投資の普及・促進のための認証制度の内容について大枠を示している。

働く人の健康性・快適性などに関するオフィスビルの認証制度として、対象は新築・既築の自社ビルや賃貸ビル、ビルオーナーによる申請が基本となる。

賃貸ビルの場合はオーナーの資産管理部分が評価対象となる。ビルオーナーとテナント企業が一緒に申請することも可能。設計段階か運用段階の評価となり、認証期間は3〜5年程度を想定している。

評価の内容は、基本性能として@健康性・快適性A利便性B安全性―のハード面の評価要素に加え、@〜Bの運営・維持管理計画とそのためのプログラム(ソフト面の整備)の3分類を想定している。賃貸ビルの場合は、オーナーの試算管理部分を評価対象にする。

ポイントは「働く人」

基本性能の部分については設備部分の配慮が中心となるため、比較的対応しやすいが、大きなポイントとなるのはプログラムの部分だろう。

「執務者(=社員やテナント従業員)」の健康性・快適性や利便性、安全性に対するプログラムとして、メンタルヘルス対策や運動促進プログラム、交流促進プログラムなどが評価項目例として挙げられおり、また運用管理の評価要素の「満足度」ではテナントリレーションも意識されている。

つまり、モノ=建物や設備、コト=運用管理に加え、そこで働く「ヒト」も評価の対象になるということ。オーナーにとってはハードルが高いが、それが不動産の価値として評価に反映されることは大きなメリットとなるだろう。

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例えば、高効率な空調設備を導入したり、LED照明器具を導入したりといった設備改修を行うことで電気代が安くなる。その結果、テナント満足度は向上し、賃料アップにもつながる可能性がある。賃料収入が増加すれば利回りも向上し、物件価値向上に結びつく。

働く人の健康性や快適性に優れた不動産ストックを増やすことは、不動産そのものの環境負荷の低減だけでなく、執務環境の改善、知的生産性の向上、優秀な人材確保にもつながっていくという観点からも重要なことであり、同時に不動産投資市場の活性化、成長にもつながっていくと考えられる。

個人オーナーだと大々的な設備改修は資金面で厳しい部分はあるが、環境省には中小規模業務用ビルを対象とした補助金制度や、各自治体でも中小規模のオフィスの省エネ設備改修に助成制度を設けていることが多い。

こういった制度を利用しながら、「ヒト」をイメージした取り組みを行っていけば、結果的にESGに配慮した不動産となっていくのではないだろうか。

今回示された認証制度は、「国の事業ではなく民間での運用を想定している」(国交省土地・建設産業局不動産市場整備課)とのこと。後は対象となるオフィスビルの規模や共通のアウトラインの策定、不動産鑑定評価基準、評価機関などについて検討し、今年3月をめどに最終取りまとめを行う予定。

「市場の変化に対応させながら評価基準もレベルアップし、また更新制にすることで継続的な価値向上につながるような認証制度になっていけば」(同課)としている。

健美家編集部(協力:玉城麻子)

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