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国土交通省 土地・建設産業局、佐藤篤課長補佐に聞く。オーナーのリスク軽減対策、管理会社の質の追求を。「賃貸住宅管理業者登録制度」で国も支援

政策/制度・サービス ニュース

2018/03/13 配信

地主やサラリーマン投資家など賃貸住宅のオーナーは、少子高齢化による人口減少が進行する中、満室稼働を目指して様々な工夫をする。

例えば、DIYやリフォームなどだが、必ずしも思惑通り入居者が決まるとは限らない。優秀な管理会社と契約し、客付けをお願いすることも重要だ。しかし、今年になってシェアハウスのサブリースでトラブルが発生した。

このサブリースに関するトラブル防止について、日本弁護士連合会が国に意見書を提出したり、国土交通省も主な不動産業界団体にトラブル防止の取り組みを促す通知を出した。

国土交通省は、「賃貸住宅管理業者登録制度(平成二十三年九月三十日国土交通省告示第九百九十八号など)」を2016年に一部改正。登録業者は、事務所ごとに一定の資格者を設置すること、物件所有者に対する重要事項説明は一定の資格者が行うことを義務化。

また、重要事項説明書に記載する内容として、借上げ家賃の内容や、将来の賃料水準変動に伴う改定条件などを明記した。一定の資格者とは、「管理業務に関し6年以上の実務経験者」または「同程度の実務経験者」とし、「同程度」の要件として「賃貸不動産経営管理士」を挙げている。

そして、この一定の資格者の設置義務化の経過措置(猶予期間)が、今年の6月30日までとなっている。

土地・建設産業局不動産業課不動産業指導室の佐藤篤課長補佐に聞いた。

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国土交通省 土地・建設産業局 不動産業課不動産業指導室 課長補佐 佐藤篤氏

――最初に賃貸住宅の管理形態などについてうかがいます。

「管理形態としては、国土交通省の2015年度のアンケート調査で受託管理が39.8%、受託管理・サブリースが、37.6%、自主管理が22.6%となっている。賃貸住宅は、住宅ストックの4分の1(1458万戸)を占めており、約8割の所有者が管理会社に管理をお願いしている状況である。

オーナー自ら管理しているところも昔は少なくなかったが、オーナーの高齢化が進んだり、親からアパートを譲り受けてもサラリーマンなど別に自分の仕事を持っている人は直接管理ができずに事業者に管理を委託している」

「賃貸住宅のトラブルは、国民生活センターにクレームが届くことが多い分野の一つだ。毎年5本の指に入る。出会い系など様々なトラブルがあるが、それらに次ぐトラブルの多さだ。賃借人の退去時のトラブルが多く、大家からは家賃保証の関係や営業方法といった点でのトラブルが多いと聞いている」

「同センターへの相談件数は、賃貸住宅に関する相談が2014年までの10年間で見ると、2009年が4万2900件と最も多い。このうち敷金と原状回復のトラブルが1万6783件を占めている」

――賃貸住宅管理業者登録制度の足元の状況について。

「追い出し屋など様々な問題が表面化したため、社会資本整備審議会産業分科会の不動産部会で法制化なども含めて検討したが、管理を手掛けている人や管理規模などが把握しきれない。

宅建事業者が仲介業務と併せて行っていることは承知しているが、現状を把握しきれないところに一斉に法の網をかけるのは難しい。まずはルールを作って一般化することを考えて『賃貸住宅管理業者登録制度』が2011年12月1日にスタートした」

「これにより賃貸住宅管理業者は、国土交通省の備える登録簿に登録を受けることができる。登録規定などのルールを守ってもらい、守らなければ必要な指導や勧告、登録抹消の対象となる。登録することで、社会的信用を得ている事業者であることを訴求できる」

「基本的に住宅管理は、一般管理とサブリースの双方に網をかけている。直近での登録業者数は4049社。民間賃貸住宅の約5割(総戸数ベース)で登録業者が管理している」

――賃貸媒介契約時に一定の実務経験者等が説明し、登録事業者であることの明示を義務付けるルールか始まります。

同制度スタート時に5年経過したら見直すことになっていた。若干ズレ込んでしまったものの、2016年度の改正を目指して検討会も開いていた中で、制度周知のさらなる必要性があるとして賃貸媒介契約時に登録事業者であることを示すことを義務付けた」

「国土交通省による登録業者の情報開示は、今春から行う予定だ。業務状況報告書等の簡素化も目指す。貸し主への重要事項説明等を、一定の有資格者を置いた上で行うとの要件を一つ付けた上で登録制度を実施する」

「トラブルが絶えないならば、サブリースの借り上げ家賃を含む貸し主の重要事項説明を徹底する。家賃の減額や変更があるのならば必ずその部分を説明する。サブリース登録をしない管理事業者もこのルールを守ってもらう」

「もともとサブリースは、建設業者が建てるときにトラブルが起きることが多いとも聞いている。しかし、不動産業課から発信するメッセージがダイレクトに建設事業者に届きにくい現状を踏まえて、全国宅地建物取引業協会連合会連や不動産流通経営協会などを通じて建設業者にも伝えてもらうようにした」

――かぼちゃの馬車のようなケースは氷山の一角との見方もあります。家賃額が急減したりするケースは少なくないようです。

「これまで最も問題になってきたのは、土地を持っている地主のケースだった。だが今回のかぼちゃの馬車のケースは、地主のような土地持ちではなく、自ら土地を仕入れて運営する投資家色が強い人が被害を受けている」

「我々としては、こうした投資家は『賃貸住宅管理業者登録制度』の存在を知らない可能性があると思っている。知らないのであれば、こういう制度に則った管理会社に管理してもらったほうがリスク軽減につながると促したい」

「利回り追求にとどまらず、将来的な家賃変動などリスクに関するアドバイスをしてもらえる管理会社を選んでもらえるようになればいい。かぼちゃの件は、登録制度には入っていなかった」

――今後は、登録制度の法制化が視野にあります。

「先ほど登録者が4000社強になったと述べたが、単純に3万社の管理会社があると推計すれば登録制度のルールに沿っていない会社がそれだけいるということ。1社でも準じてもらえるようにしたい」

「登録制度の法制化は継続して検討する。今回の事件を含めて、日弁連の提言にも法制化するべきという言葉が出てくる。自由奔放にやられるより、ルールを守ってその中で競争するほうが望ましいと思っている管理会社もある。

その一方で、地域の小規模宅建業者に大手など一定程度の規模感のある会社と同じように網をかぶせていいものかという議論もある」

「昨年12月には管理戸数50万戸の会社が登録制度に入るなど大手は足並みをそろえられる状態になったので、議論が活発化するのではないかと期待したい」

――有資格者として賃貸不動産経営管理士などの設置が義務付けられています。国家資格の宅建士では対応できないのでしょうか?

「賃貸不動産経営管理士は、日本賃貸住宅管理協会(日管協)と全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)、全日本不動産協会(全日)の3団体が認定する資格で、今回、管理事務に関し6年以上の実務経験も有資格者の条件とした」

「宅建士の場合は、媒介・仲介・代理・交換というブローカー業務であり、管理はそのあとの仕事。だから宅建業法の改正で対応するのではなく、新たな法制化が必要という議論になっている。つまりブローカーとマネジメントという仕事の内容で対応している」

「ただ、賃貸不動産経営管理士の国家資格化に向けて、法制化ありきだけではいけない。業界の足並みがそろうこと。反対の立場もある。繰り返しになるが、管理戸数が少ない事業者が大手と同じような義務や負担をかけていいのかという話にもなっている。今回のトラブルを機に議論が進むかもしれない」

――賃貸住宅オーナーへのアドバイスについて

「制度を昨年見直したあとに契約書(参考)も見直した。賃貸住宅管理業者登録制度は、貸し主・借り主の利益の保護を目的に作っている。貸し主としての安心を登録制度から勉強いただけないかなと思っている。しっかりした管理会社を選択することで、大家として利益を出していくという意識付けにしてもらえると思う。将来の家賃変動や毎月の管理状況の報告などを必ず行う制度にしているので、トラブル回避につなげてほしい」

「説明義務を含め、すべて盛り込んだ標準契約書というのを作って年度内に発表する。住宅局で作っているサブリースの標準契約書も仕様を変えていく方向で住宅局が最終検討をしている」

健美家編集部(聞き手・中野淳)

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