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サブリース規制へガイドライン策定へ!国交省が賃貸住宅管理業法の施行に向け検討会を始動、

政策/制度・サービス ニュース

2020/08/27 配信

「かぼちゃの馬車」など受け6月に法律が成立
まずはサブリース部分の10月施行へ向け議論

国土交通省が事務局を務める「賃貸住宅管理業法の施行に向けた検討会」が8月、始まった。
同法は、シェアハウス運営会社の経営破綻で家賃不払いといったトラブルが社会問題化した「かぼちゃの馬車事件」などを受け、「サブリース」を規制する目的などで6月成立した法律だ。
検討会はワーキンググループ(WG)を設け、法律施行に向けた論点を整理し、ガイドラインの策定に向けた議論を行うという。国交省の担当者は「法律が実効性をもって機能するよう、しっかり検討する」と意気込んでいる。
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検討会の座長は、明海大学不動産学部の中城康彦学部長がつとめる。委員にはこのほか、大学教授や弁護士、不動産関連の業界団体会長などが名前を連ねている。
まずは、12月中旬の施行を想定している、同法のサブリース部分について議論を急ぐ予定だ。
8月5日に第1回の検討会を開いており、9月にかけて3回程度、WG を開いて議論する。パブリックコメントも募集する。10月上旬には2回目の検討会を開催。ここでWGの議論の内容について報告を受け、ガイドラインなどの文書案を検討する。
そして10月中旬、この検討を踏まえて作った政省令や運用指針、サブリース関係のガイドラインなどを公表し、12月中旬に法律を施行する。
その後は、来年6月中旬の施行を想定している、同法の管理業者の登録制度の部分について、議論を進める方針だ。

管理業者の登録制度も創設へ 高齢化・高度化など理由
業務を委託するオーナー増える 苦情・相談も7倍に
ここで、賃貸住宅管理業法についておさらいしておこう。正式には「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」という。
柱は2つある。1つは、サブリース業者と物件オーナーの間で結ぶ賃貸借契約(マスターリース契約)の適正化だ。
サブリース業者らが家主などをマスターリース契約に勧誘するさい、「家賃の減額リスク」といった相手方の判断に影響を及ぼす事項について、故意に事実を告げないことや、不実を告げる行為を禁止した。
また、マスターリース契約を締結する前には、家賃や契約期間などを記した書面を交付し説明することとした。違反者には、業務停止命令や罰金などの措置をとり、実効性を担保する。
もう一つの柱は、賃貸住宅管理業者の登録制度をつくることだ。管理戸数が一定規模以上ある管理業者に、国交相の登録を義務付けた。管理業務にあたっては、事務所ごとに知識や経験を持つ「業務管理者」を置くことや、具体的な管理業務の内容、実施方法などについて、管理受託契約を結ぶ前に、書面を交付して家主に説明することなどを義務付けた。
物件管理のあり方は変わってきている
物件管理のあり方は変わってきている
この2つの柱を盛り込んだ背景には、不動産の管理業務のあり方が大きく変わり、サブリースなどに関するトラブルが噴出するようになったことがある。
かつて物件の管理業務はオーナーみずからが行うケースが多かったが、最近は業者などに委託するオーナーのほうが多くなっている。
国交省の調べでは、みずから管理業務をおこなうオーナーは1992年度に75.0%いたが、2019年度には18.5%まで激減した。一方、業者へ委託するオーナーは1992年度に25.0%いたが、2019年度には81.5%まで増えた。
国交省はこの傾向の理由として、「オーナーの高齢化や相続などにともなう兼業化の進展、管理内容の高度化など」を挙げてい
る。
同時に、管理会社などについての苦情も増えている。たとえば、全国消費生活情報ネットワークへの相談は年々増えており、相談件数は2009年度の1014件から、18年度は7116件と約7倍に増加。
とくに目立つのが、業者がオーナーの物件を一括して借り上げ、入居者に転貸(又貸し)する「サブリース」の相談で、266件から1004件へと約4倍になった。
さらに、国交省が昨年7月から8月にかけ、サブリース業者による契約締結時の家主への説明状況を調べたところ、「将来の家賃変動の条件」「賃料減額のリスク」などの契約内容について説明していたのは、6割程度しかいなかった。
また、サブリース物件を勧誘を受けて取得した家主は約8割、自発的に取得した家主は約2割。不動産業者または建設会社が関与した勧誘は約6割、サブリース業者のみによる勧誘は約1割だった。
一方、管理業務を任された業者と家主の間で起きたトラブルは、次のようなものだ。
「賃料・敷金などが管理業者から入金されるまでに時間を要する、入金されないことがある」「管理業務の内容に関する認識が管理業者との間で異なり、期待する対応がされない」「管理業者から管理業務についての報告がなく、適切に対応がなされている把握できない」
こうした事態に対処するため制定されたのが、賃貸住宅管理業法だ。1つ目の柱がサブリースに関するトラブルに、2つ目の柱が、管理業務に関するトラブルに対応している。
契約書面のひな型、リーフレットも作成へ
国交省担当者「急ピッチでしっかり検討する」
ここで再び、検討会や、そのWGが何をしていくか見ていこう。冒頭で述べた通り、行うのは、法律の施行に向けた論点整理と、ガイドライン作りなどに向けた検討だ。
サブリース関連の主な論点は「勧誘者と判断される基準は」「投資家(オーナー)の誤認を防ぐために行うべき広告や勧誘の方法」「誇大広告や不当勧誘の該当基準」などになる。
登録制度の主な論点は「管理戸の算定方法、財産的基礎といった登録要件」「実務経験の長さといった業務管理者の要件」「重要事項説明の具体的内容や入居者への対応のあり方」などだ。
国土交通省の資料から
国土交通省の資料から
こうした論点を議論し、検討会としての結論を踏まえて政令や省令を制定し、法律の解釈・運用の考え方を示す運用指針、重要説明事項やマスターリース契約の書面ひな型、監督処分基準といった「通達」をつくる。
そして、通達に示された法律の解釈・運用の考え方や罰則の内容について、イラストや具体例を使って分かりやすく解説したガイドラインをつくる。
トラブルの想定事項を挙げながら注意を呼び起こし、相談窓口を周知する家主、入居者向けリーフレットも作成する予定だ。
担当者の意気込みは強い。国交省の倉石誠司不動産・建設経済局参事官は「(サブリース部分は)とくに施行まで時間がない。検討会でいろいろな方の意見をしっかり聞き、しっかり法律が実効性をもってワークする(=機能する)よう、急ピッチでしっかり検討していきたい」と話した。
施行される法律やそれにともなう取り組みが、取引をより正常にできるよう期待したい。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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