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賃貸住宅1戸あたり10万ポイント(10万円相当)付与。「グリーン住宅ポイント制度」創設!令和2年12月15日以降の契約分から対象

政策(不動産投資関連)/制度・サービス ニュース

2020/12/31 配信

2021年12月15日、政府は、令和2年度第3次補正予算案を閣議決定した。総額4兆3,518億円の予算案には「グリーン住宅ポイント制度の創設」として、1094億円が計上されている。

この手の制度は、とかく持家の新築取得に焦点があたりがちだ。今回も、「省エネ住宅を新築すると40万ポイント、東京圏や高災害リスク区域から移住するための住宅を購入すると60万ポイント上乗せ」などの項目が記事の見出しを飾る。

だが、当「グリーン住宅ポイント制度」は、賃貸住宅の新築やリフォームにも適用可能だと公表されている。賃貸住宅に絞ってみていこう。

グリーン住宅ポイント制度の目的は、
「経済回復」

当制度では、高い省エネ性能を有する住宅を新築、購入、リフォームする者などに対して、商品や追加工事と交換できるポイントを発行する。

産業構造として裾野の広い住宅分野を下支えし、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図るのが狙いだ。

対象となるのは、グリーン社会の実現および地域における民需主導の好循環の実現等に資する住宅投資なのだが、これは当制度が補正予算案において「デジタル改革・グリーン社会の実現」の一施策として位置付けられているからに他ならない。

なお、「グリーン住宅ポイント制度」の開始にあたっては、年明けの国会にて予算が成立することが前提となる。

グリーン住宅ポイント制度の『概要』
1戸あたり10万円相当以上のポイント付与

当制度の対象となるのは、一定の性能を満たす注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入、一定の要件を満たす既存住宅の購入、対象工事を実施するリフォーム及び一定の性能を満たす賃貸住宅の新築である。

対象住宅を新築、購入、リフォームする際にグリーン住宅ポイントが付与される。「賃貸住宅の新築」では、高い省エネ性能を有する(賃貸住宅のトップランナー基準に適合)全ての住戸の床面積が40u以上の賃貸住宅を新築すると、1戸あたり10万円相当のポイントが付与される。

一方、住宅の「リフォーム」は、断熱改修、エコ住宅設備、耐震改修、バリアフリー改修等を行う場合に、対象となる工事に応じて、1戸あたり上限30万円相当のポイントが付与される予定だ。

が、現段階では、賃貸住宅のリフォームについては、明確な基準が示されていない。当コラムでは、公表されている情報をもとにお伝えする。

なお、持家の場合はどうかというと、持家の新築で最大40万ポイント/戸、東京圏から移住するための住宅などの一定要件を満たせば、最大100万ポイント/戸が付与される。

既存住宅の持家購入には、最大30万ポイント/戸、リフォームにおいても、ポイントの上限特例が設けられている。

獲得したポイントは、制度の主旨に沿った内容の商品や追加工事と交換ができる仕組みだ。

では、賃貸住宅の新築とリフォームについて、見ていこう。

・賃貸住宅の新築の場合

対象となる賃貸住宅の新築の要件は下記のとおり。まずは、省エネ基準を満たす必要がある。

【対象となる住宅】
@ 賃貸住宅の所有者となる者が、施工者に工事を発注(工事請負契約)して新築する賃貸用の共同住宅(2戸以上の住宅を有すること)等であること。※分譲住宅や賃貸住宅の所有者の居宅が含まれる建築物、店舗併用の建築物は対象にならない。

A 建築物の省エネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号。以下「建築物省エネ法」という。)に基づく住宅トップランナー制度の賃貸住宅に係る基準※1に適合すること。
※1 建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令(平成 28 年経済産業省・国土交通省令第1号)第9条の2及び第9条の3第2項から第4項までに定める外皮性能及び一次エネルギー消費量に関する基準。

B 前Aの基準に適合する、すべての住戸の床面積※2が40m2以上の賃貸住宅であること。
※2 壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(吹き抜け、バルコニー及びメーターボックスの部分を除く)により算定。なお、住戸内に階段が存在する場合、階段下のトイレ及び収納等の面積を含める。

C 令和4年1月15日までに対象工事が完了・引渡しされ、完了報告ができるもの。

なお、ポイントを申請する際は、これらの要件を満たすことについての証明が必要となる。登録住宅性能評価機関等の第三者機関による「グリーン住宅ポイント対象住宅証明書」の整備が行われている。

また、Cにある「完了報告」は、工事完了前にポイント発行申請を行った場合に必要となる(リフォームも同じ)。提出期限があり、提出書類が定められている。申請手続き等は、今後選定される当制度の事務局から公表される予定のため、留意しておきたい。

・リフォームの場合

所有者等が施工者に工事を発注(工事請負契約)して実施するリフォームであって、下記の@〜Bのいずれかに該当するリフォーム工事を実施する場合に、同じく下記@〜Eに該当する一定規模以上のリフォーム工事等が対象となる。

少しややこしいが、先ずは、下記@ABに該当するリフォーム工事であることが前提条件。それら@ABの工事を行う場合において、@〜Eに該当する工事が、箇所や部材の使用量等が一定規模以上であれば、対象工事となりポイントが付与される。

なお、リフォームの場合もポイントを申請する際には、対象工事に関する証明書等が必要だ。

下記は、現在公表されているリフォームの対象工事だが、冒頭に述べた通り、賃貸住宅のリフォームに関する対象工事については明記されておらず、現段階では未公表である。持家リフォームと同基準かもしれないし、異なるかもしれない。だが、かけ離れることはないとして、参考にしたい。

【対象となる工事等】
@ 開口部の断熱改修
A 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
B エコ住宅設備の設置
(エコ住宅設備:太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、ほか)
C 耐震改修
(旧耐震基準の住宅を現行の耐震基準へ適合させる工事)
D バリアフリー改修
(対象工事:手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張、ホームエレベーターの新設、ほか)
E リフォーム瑕疵保険等への加入
(対象となる保険:国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱うリフォーム瑕疵保険及び大規模修繕工事瑕疵保険)

なお、グリーン住宅ポイント制度の対象となる建材・設備の登録製品は、今後、公募が行われ、基準への適合審査が完了したものから公表される予定。現段階では、公募は「準備が整い次第開始」となっている。

【参照1】対象となるリフォーム工事
【参照1】対象となるリフォーム工事

出所:グリーン住宅ポイント制度の概要/国交省

発行ポイントと
ポイント交換について

・賃貸住宅の新築の場合

獲得したポイントは、一定の要件に適合する追加工事と交換できる。
(1)発行ポイント数の算定方法
「賃貸住宅の新築」の要件を満たせば、1戸あたり10万ポイントが付与される。1申請あたりの総発行ポイント数は、賃貸住宅の住戸数に10万ポイントを乗じて算定する。

【発行ポイント=賃貸住宅の住戸数×10万ポイント】

(2)ポイントの交換 当制度で獲得したポイントは、商品や追加工事と交換できる。だが、不動産オーナーの方は、「商品をもらっても仕方がない」というケースも多いことであろう。「賃貸住宅の新築」の場合は、取得したポイントは商品との交換はできず、もっぱら一定の要件に適合する追加工事との交換になる。

(3)一定の要件に適合する追加工事
「賃貸住宅の新築」によって獲得したポイントの交換対象は、住宅の工事施工者または販売事業者(個人が行う、業として行うものでない売買を除く)、及び、リフォーム工事の工事施工者が行う、一定の追加工事の代金である。

一定の追加工事は、以下の要件に適合する追加工事との方針が示されているが、例えば、テレワークのための間仕切りの設置や防音対応などの追加工事が「新たな日常」の資する追加工事として、ポイントが使えそうだ。なお、分離発注など、発注先が別業者になるような建築工事やリフォーム工事は対象にならない点には、注意したい。

なお、申請手続きは、ポイント相当分の工事代金を受領する工事施工者や販売事業者が代理で行う。

【一定の要件に適合する追加工事】
@「新たな日常」に資する追加工事
・ ワークスペース設置工事
・ 音環境向上工事
・ 空気環境向上工事
・ 菌・ウイルス拡散防止工事
・ 家事負担軽減に資する工事
A防災に資する追加工事

※対象工事の具体例は、準備が整い次第、国土交通省のホームページ等に示される予定。

・リフォームの場合
(1)発行ポイント数の算定方法
発行ポイントは、リフォーム工事の内容やリフォームを行う世帯の属性によって定められている。1戸あたりのポイント数の限度は30万ポイントだ。持家の場合だが、安心R住宅を購入し、リフォームを行う場合などは、上限数が引き上げられる特例がある。

工事ごとの発行ポイント数は、先に掲示した【参照1】対象となるリフォーム工事をご覧いただきたい。なお、1申請あたりの合計ポイント数が5万ポイント未満の場合はポイント発行を申請できない。

対象期間は令和2年12月15日から
申請期限は翌年10月末

当制度では、対象となる契約やポイントの発行や使用について、期限が設けれている。確認しておこう。

【賃貸住宅の新築】
対象:令和2年12月15日(令和2年度第三次補正予算案閣議決定日)から令和3年10月31日までの期間内に工事請負契約(変更契約を除く)を締結したもの。ただし、別途定める期間内にポイント発行申請、完了報告が可能なものに限る。

【リフォーム】
対象:令和2年12月15日(令和2年度第三次補正予算案閣議決定日)から令和3年10月31日までの期間内に工事請負契約(変更契約を除く)を締結したもの。ただし、別途定める期間内にポイント発行申請、完了報告が可能なものに限る。

【申請期限等】
ポイント発行申請、完了報告、ポイント交換申請には、それぞれ期限が設けられている。ポイント発行申請は、原則、工事完了後に行うが、「賃貸住宅の新築」については、工事完了前であっても、申請に必要な書類が整い次第、ポイント発行申請を行うことができる。なお、工事完了前にポイント発行申請を行う場合は、工事完了後に完了報告の提出が必要。

ポイント発行申請の開始日は、予算成立後に事務局の体制が整い次第決定される予定(令和3年2月頃公表予定)。ポイント発行申請の締め切りは、予算の執行状況に応じて公表されるが、遅くとも令和3年10月末までに締め切る予定となっている。
新たな日常に適応するため、政府も、企業も、国民も変化を迫られている。テレワークの広がりなど、働き方や暮らし方の変化に応じて、求められる住宅も変化する。

さらに、菅政権が宣言した「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けては、住宅分野の脱炭素化が欠かせない。

「矛先はハウスメーカーの新築住宅であって、賃貸住宅は関係ない」というのではなく、当グリーン住宅ポイント制度なども活用して賃貸住宅の脱炭素化をはかり、さらに賃借人から選ばれる住宅に取り組みたい。

文・“新聞による経済教育” NPO法人全国NIE.E指導委員会 副委員長 大石泉

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