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不用意に残す不動産は家族を困らせる!不動産賃貸経営を有益な事業として継承するには?

政策(不動産投資関連)/相続 ニュース

2022/09/25 配信

突然だが、現在不動産を所有しているオーナーに質問してみたい。

「家族と相続後の話をしていますか?」

「誰に、何を相続させるか決めていますか?」

「物件を引き継ぐ予定の人は理解していますか?」

「物件を引き継ぐ予定の人は今、一緒に管理をしていますか?」

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一つでもNOがあれば、大切に守り、運用してきた資産によって家族が困る可能性がある。

長年、相続対策セミナーを実施してきた三菱地所ハウスネットの宮西安広さんは、「多くのオーナーさんが後継者問題を抱えている」と話す。

「大切な資産のことであるのに、家族と話ができておらず、引き継いでくれるか心配をしていたり、引き継ぐ側にその意識がないと諦めている。

その結果、引き継いだもののオーナー業のノウハウがなかったり忙しかったりして管理ができずに手放してしまう。そんな事例を数多く見てきたので、ノウハウをお伝えすることで引き継ぐ方が困らないように『二代目塾』を開催するようになりました」

不動産は、持っているだけではダメな時代。事業としてしっかりと承継しなくては、引き継いだ人にとって負担でしかなくなってしまうのだ。

不動産オーナーの世代交代は、オーナー本人が亡くなったことでいきなり子どもに相続されるケースも多い。

不動産を引き継ぐ子ども世代は、別の仕事をしている働き盛りで、賃貸経営にもなかなか係わることができていなかったという場合が多数。親が現役のときに学んでいる人は少数で、相続して初めて不動産という資産とその運用に直面するケースがほとんど。もちろん、不動産を引き継ぐことを前提に勉強している人もまれだ。

不動産継承時の困りごと10

では、どんな困りごとが起こるのだろうか。

長年、不動産オーナーとその後継者となる人に不動産を引き継ぐためのノウハウを伝えてきた宮西さんに聞いてみると、ざっくりと分けて10もの「お悩み」が挙がってきた。

【1】相続税の支払いに困った!

財産の多くが不動産のため、「お金」で支払わなくてはならない相続税を支払うことができず、ローンを利用しなければならなくなった

【2】共有者に親戚がいた!

亡くなった親のほかにあまり親しくない親戚の共有名義となっていたため、売却するための相談がスムーズにいかずに時間がかかってしまった

【3】別荘地の場所がわからない!

どこかの山奥に土地を所有していることは知っているが、住所がわからないため、売ることができない

【4】修繕費が多大にかかる!

賃貸物件を引き継いだが、建物が老朽化していて大規模な修繕が必要な状態になっており、修繕費用を工面することが大変

【5】稼働率が低く、赤字!

収益を得るための賃貸物件だったはずなのに、稼働率が低くて収入よりも維持費用や修理費用が多く「赤字物件」になってしまっていた

【6】契約の詳細がわからない!

契約時の書類がなくなってしまっていて、賃借人とどのような契約を締結しているのかがわからなくなっている

【7】誰がいつの家賃を支払っているかわからない!

契約書はあっても通帳への記載しかなく、何月分の家賃か不明。契約者ではない人の名前で振り込みはあるが、入居申込書がなく、どの部屋の家賃かわからない

【8】賃貸の知識がない!

賃貸物件を相続したものの、どのように管理運営したらいいかわからないため、手放すことにした

【9】兄弟で相続したことで不仲に!

管理の負担を負っているのは自分なのに、何もしない兄弟が口だけをだしてくることでイライラ。仲が悪くなってしまった

【10】共有で相続した物件なのに兄弟が修理費を払わない!

兄弟で相続した不動産なのに、修理にかかった費用を払ってもらえず、すべて自分の負担となっている

不動産を所有し、家族のために賃貸経営をしてきたのに、こんな結末になってしまっては残念なことこのうえない。

今は資産を残せばいいという時代ではなく、資産の残し方によっては家族が窮地に追い込まれる可能性が大きい。不動産、特に賃貸物件を持っている場合、単なる資産ではなく「経営」を引き継ぐという意識が重要。残す側が、きちんと準備をしなくてはならないのだ。

円滑な資産の継承のために必要な10項目

1.相続人が払える現金があるか、相続税の試算をしておく

2.資産の見直しをし、残す資産と処分するべき資産を分けておく

3.必要な修繕工事は「相続前」に済ませておく

4.「経費の見直し」や「借換え」で収支の改善をしておく

5.遊休地は、土地の有効活用をしておく

6.資産内容を明確にしておく

7.誰に何を引き継がせるか家族と話をしておく

8.賃貸借契約の資料と情報を整理しておく

9.今から家族と一緒に管理し、ノウハウを伝えておく

10.自身の体や判断能力が衰えた時のために、代理人を決めて委任状や家族信託を検討する。または、信頼できる管理会社に業務を委託しておく

教科書的に不動産継承時のお困りごとと対処法を紹介したが、我が身に降りかかることとして実感できた人は少ないと思う。

次回以降、具体的なケーススタディをご紹介!

そこで次回以降、不動産継承時の困りごと【1】~【10】について、実際にあったトラブルと解決法を伺い、紹介していきたいと思う。

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協力/三菱地所ハウスネット株式会社

関西賃貸業務企画室 課長

二代目塾 講師 宮西安広さん

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取材・文/赤石牧子

■主な経歴

住宅系出版社3社で編集業務に携わった後、フリーのライターとして活動。得意ジャンルは不動産。これまで取材した不動産は3000件近く。転勤族の夫とともに地方都市を渡り歩く中で、地域ごとに異なる街の在り方、住まいの特性を見聞きするのもライフワークの一つに。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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