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廃れない街は、住みたい街上位にヒント。街を機能化せず高齢者に合わせた暮らしを!「未来の年表」著者、ジャーナリスト・河合雅司氏に聞くB

専門家に聞く/インタビュー ニュース

都道府県ベースで見ると、人口増は、東京都をはじめ、神奈川県、埼玉県、千葉県、愛知県、福岡県、沖縄県にとどまる。ただ、こうしたエリアが将来にわたって安泰というわけではない。

足もとでは、地価を押し上げている最大の要因はインバウンドであり、海外需要によって地域が盛り上がりを見せている。人が集まり廃れた街にならない街づくりが求められている中で、最終回の今回は、生き残る街の条件などについて河合雅司氏に聞いた。

『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)の著者でジャーナリストの河合雅司氏
『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社現代新書)の著者でジャーナリストの河合雅司氏

――東京都の豊島区が消滅都市として取り上げられて、限界集落・消滅都市という言葉が一層注目を集めるようになりました

「これは地方に限らず東京でも同じということでしょう。都内でもゴーストタウンが出てきても不思議ではありません。2020年代初頭には東京23区でも人口が減り始める区が出始める予測となっています。

一方で、都心3区では30年後も人口が1.3倍に増える見通しです。オフィス街として発展してきた都心3区も、今後は暮らしやすさを実現しなければ街として機能しなくなるかもしれません」

「現在の都市づくりは、職・住近接の再開発も少なくありませんが、まだまだ職場への通いやすさを重視した整備が続いています。今後は勤労世代の減少に伴い、テレワークの普及など人々の働き方は変わるでしょうし、高齢者も増えます。住む人にとって暮らしやすい空間をつくるという視点が必要になってきます」

「戦後の日本の街づくりと言えば、中心市街地から放射線状に広がるように開発するという街づくりが一般的でした。しかしながら、前々回にお話ししました通り、今後は少子高齢化によって、一つの街の中で世代間の循環が起こりづらくなります。

いかに世代間の循環を促していくのか、街の活性化にはこうした点を踏まえて考えることが重要になります。これからは、大都市であっても世代間の循環が行われるかどうかによって、発展するところと、しないところに大きく分かれることでしょう」

――現状の街づくりの中での最大の問題点を上げてください

「大都市の場合には、あまりにも機能重視のまちづくりをしてきました。さらに、街ごとに役割を分担するように細分化してきました。例えば東京を見ると、青山や渋谷は若者向けやブランド店が集まり、大手町は、最近では家族連れやカップルが訪れる街へと変貌させようとはしていますが、依然としてビジネス拠点の色彩が強い。巣鴨は高齢者が集まる街といったイメージが出来上がってしまっています」

「いわばモザイク都市であって、ダイバーシティー(多様性)とはかけ離れているのです。しかし、若い世代がどんどん減っていくので、こうした年代を区切ったような街作りは長続きしないでしょう。また、あまりにも経済の効率性を追い求めて、職場機能と住宅機能とを分離し過ぎてしまった。結果として、満員電車に揺られながらの通勤時間が長くなり子育てが負担になってしまった感もあります」

「地方に目を向ければ、未だにブルドーザーで山を切り開いて住宅地を造成する光景を見受けますが、人口減少時代にどこまで需要が続くのかを考える必要がありますね。地方の場合、自動車がないと移動できないエリアも多いですが、高齢で運転できない人が増えてくると厳しいですね。街の集約化が求められることでしょう」

――住みやすい街として河合さんが取り上げるとすればどこになるでしょう

「多世代が助け合いながら暮らす街づくりが必要です。高齢者が激増しますので、高齢者が増えることに合わせた暮らしへの転換が求められます。いろいろな会社が「住んでみたい街」の調査を行っていますが、上位に入っている街には注目しています」

「すべてではないですが、こうした街は住む人の視線に立った暮らしやすさがあるのだろうと見ています。急ぎ足で歩かなければならない街ではなく、どこかに腰をかけられたり、子育て中の人や高齢者との会話が楽しめたりする街です。地域住民の声を自治体がどれだけ吸い上げられるかも重要な要素でしょう」

――自治体や不動産大手、学識経験者などはコンパクトシティを提唱しています

「そうした取り組みをしないと地域の賑わいが維持できないということです。働き手世代が激減してしまったのでは、行政サービス、民間サービスが届かなくなってしまいます。

若い人が減っていく中でサービスの担い手の負担を減らす社会をつくっていかなければなりません。住民同士が支え合う社会を実現するためにもコンパクト化が欠かせないでしょう。地方では人がまばらに住むエリアへの広がりが予想されますが、こうしたところは集約化が必要です」

――空き家問題、廃れない街・住宅について総括してください

「空き家問題の解決には前回お話ししました通り「二地域居住」、「他地域居住」が一つのアイデアであり、大都市の郊外や地方にとっての活性化につながると考えます」

「また、これからの街と住まいは高齢者への対応の仕方で評価されるようになるでしょう。サービス付き高齢者向け住宅が普及したものの、実際に住んでいる人から使い勝手の悪さを指摘する声が少なくありません」

「住まいにおいては、高級感のある設備・仕様による住まいのグレードアップ≠熄d要ですが、同時に暮らしやすさを追求した『住まい方のグレードアップ』が欠かせません。商品のラインアップをする際にその選択肢を増やすことが求められているのです。人口動態の変化を無視して、相変わらず若い人ばかりに視線を向け続けたのでは通用しない時代に突入しようとています。一極集中が続く東京圏を含め衰退していく地域と生き残り、発展を続ける地域とにくっきりと分かれていくことでしょう。社会構造は大きく変わります。その備えについてもっと知恵を絞ることが求められています」

健美家編集部(聞き手・中野淳)

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