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広島県の港湾都市「呉市」で再開発計画が進行中。交通利便性の更なる向上へ

都市計画・再開発(地域情報)/広島/中国・四国 ニュース

2022/01/02 配信

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再開発で解決したいポイントは
交通利便性と土地利用

広島県南部の呉市は、人口減少や災害発生の危険性などを背景として、2020年4月に「呉駅周辺地域総合開発基本計画」を策定し、呉駅周辺の地域について再開発を進めている。

呉市には斜面地が多く、大雨が降ったり長雨が続いたりすると土砂崩れなど災害が起こる危険性もある。

少し前の話にはなるが、広島県の広島市北部では2014年8月に大規模な土砂災害が発生しており、合計で70人以上の死者を出している。

深夜時間帯の史上まれに見る集中豪雨など、悪条件が重なってしまった結果とはいえ、広島県内では都市計画などを見直すきっかけとなった。

これらの背景もあって、人口や都市機能などを都心部へ集約するべく、呉駅周辺の再開発が持ち上がっている。

開発計画の対象となっているのは、呉駅の周辺と南部にある呉港の周辺までだ。

開発計画の範囲図
緑の円の中には呉港フェリーのりばなどがある。

※引用:呉市

呉市が今後伸ばしていきたいと考えているポイントの1つは、市が有する交通利便性だ。

JR呉駅から広島駅までは最速で29分となっているほか、広島空港までも約1時間でアクセスできる。

そのほか、呉港からは広島港に加えて瀬戸内海の江田島や愛媛県の松山など複数のフェリー路線が出ているなど、呉市は陸路と海路の双方において交通利便性が高い。

呉市の交通利便性
呉市からは瀬戸内海の各島へアクセスできることから、交通利便性の向上が観光客の呼び込みにもつながると考えられている。

※引用:呉市

また、呉市には、日本遺産を構成する大和ミュージアムや青山クラブなどに加えて、ものづくり文化に由来する文化・景観資源など観光資源が豊富だ。

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呉市内に残る旧海軍施設の様子。

呉駅周辺の利便性を高めることで、住民や観光客を呼び込めると呉市は考えている。

交通利便性ともう1点、呉市が課題視しているのは市内の土地利用に関するポイントだ。

呉市内には市民が集う広場や活動拠点がないほか、駅北口の旧そごう呉店跡地の有効活用ができていない。

呉市はそごう跡地の利用法について市民アンケートを実施しており、アンケート結果からは、飲食・物販店舗に加えて居住機能を持つ建物を望む声が多いことがわかっている。

このため、そごう跡地に複合施設を建設するとともに、呉駅を橋上化してデッキで複合施設とつなぎ、港湾部方面へのアクセスも改善する計画が持ち上がっている状況だ。

なお、駅前のデッキには市民が集まるための橋上広場を設ける。

デッキ空間の配置イメージ
呉市としては、土地利用に関する課題とともに、駅の南北におけるアクセスも同時に改善したい考えだ。

※引用:呉市

橋上デッキとバス乗場については、東京・新宿駅の南口周辺及びバスタ新宿をイメージした施設を設ける方向とされている。

デッキ空間の配置イメージ2
2階を広場として1階をバス・タクシーのターミナルとする計画だ。

※引用:呉市

開発計画の完了見込みは
2035年

呉市は高齢化が進んでいることも課題視しており、交通弱者が増加している現状に対して、IOC技術の導入も含む解決策を模索している。

IOC技術の導入とは、具体的にはAIによる自動運転の公共交通整備などだ。

自動運転技術は「スマートモビリティ」とも呼ばれており、最近の再開発ではよく取り上げられる題材でもある。

例えば、東京都の品川駅前再開発においても、将来的にはスマートモビリティの導入が検討されている状況だ。

呉市では、まず駅前エリアの整備を第1期開発と位置付けており、2025年までを目途に完成する計画を立てている。

次第に開発範囲を広げていき、2035年までには港湾部まで含めた開発を完了させたい考えだ。

スマートモビリティについては、都市開発と並行して進める予定にはなっているものの、社会実験を経てから本格的な導入となりそうだ。

広島県内では広島市に目が行きがちだが、都市開発によって呉市も注目を集められるか、今後の動向に注視したいところだ。

取材・文:秦創平(はたそうへい)

秦創平

■ 主な経歴

フリーランスライター。
不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。
国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門で、現在では毎月数十本単位の記事を執筆中。特にデータを用いた市場分析が得意で、海外マーケットに関するリサーチ記事の執筆も多数請け負っている。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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