北海道新幹線駅登場で注目度アップ!
地域活性化が期待される「倶知安町」
北海道の西部、後志(しりべし)管内に位置する倶知安町(くっちゃんちょう:所在地:北海道虻田郡倶知安町)。人口は約1万5千人、1892 年に四国徳島県などからの第一次移住者により開拓されてから、昨年(2021 年)130 年の節目を迎えた。
2031年春には北海道新幹線の札幌延伸によって「JR倶知安駅」が新幹線駅となる予定となっていることでも注目を集めている同町。
倶知安町のホームページによると、新幹線開通後は現在飛行機とJRを使って6時間かかる東京ー倶知安間が、4時間半程度に短縮されるとのこと。
さらに高速道路開通も控えており、今後より一層、地域活性化が進むことが期待されている。
「スキーの町宣言」 50 周年を契機とし
オールシーズン型の国際リゾート形成を目指す
倶知安町は「羊蹄山」と「ニセコ連峰」に囲まれ、ニセコ町と共にスキーの町としても名高く、冬になると国内外から多くのスキーヤー・スノーボーダーが訪れることでも知られている。
同町は1972年に「スキーの町」を宣言しており、以降スキーリゾートとして大きな発展を遂げてきた。
そして先月、倶知安町と東急不動産は、「スキーの町宣言」 50 周年を契機とする、オールシーズン型国際リゾートの形成に関する包括連携協定書を締結したと発表した。
リリースによると、東急不動産は倶知安町にて、ニセコ全山の中でも最大級のスキー場である「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」 を展開しており、スキーシーズン以外のゲレンデを活用し、オールシーズンリゾートとしてエリアの価値向上に寄与する取り組みを進めているとのこと。
今後も町と相互連携を図りながら、持続可能性に配慮したオールシーズン型の国際リゾートを目指していくとしている。
協定の概要は、以下の9つ。
1 オールシーズン型リゾートに向けた取組みに関すること
2 持続可能なリゾートの形成に向けた地域資源を守り、環境に配慮した取組みに関すること
3 ニセコひらふ地区のリゾートコア整備に関すること
4 地域課題(交通・インフラ等)の対応に向けた取組みに関すること
5 北海道新幹線倶知安駅及び倶知安余市道路の開通に伴うシームレスな移動に向けた環境整備に関すること
6 市街地の活性化に向けた取組みに関すること
7 スマートリゾートの取組みに関すること
8 スキーの町宣言に基づいたウィンタースポーツの普及に関すること
9 その他協定の目的を達成するために必要な事項に関すること
同リリースによると、インバウンドの制限については徐々に解除されつつあり、解禁となれば昨シーズンよりも多くの観光客の来訪が見込まれるとのこと。
コロナ後の観光も回復に向けて弾みがつくと考えられることから、スキーシーズンだけでなく年間を通して滞在を楽しめるリゾートを目指すという。
リゾートエリアのまちづくりや公共施設の整備、観光 DX の取り組みと新幹線や高速道路とリゾートの接続などは、今後の国際競争力強化に向けて前向きに取り組む課題と認識しているとのこと。
包括連携協定の締結を弾みとして、さらなる観光振興を推し進めていくとしている。
ちなみに倶知安町は近年著しい地価上昇でも話題を集めており、2022年[令和4年] の基準地価は平均7万0666円/㎡、変動率+7.35%となっている(土地代データより)。
今後、同町の地価がどう動いていくのか、リゾート開発の行方とともに注視していく必要がありそうだ。
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健美家編集部(協力:斎藤一美(さいとうかずみ))
■ 主な経歴
ファイナンシャル・プランナー(AFP)。
大手情報誌出版社にて金融情報誌のデスク業務やWEBメディアの立ち上げ・運営・メンバー育成業務などに携わった後、2007年にフリーの編集者・ライターとして独立。
現在は金融・不動産・保険分野を中心に、雑誌やWEBメディア、社内報などで執筆・編集を行うほか、金融初心者をターゲットとしたメディアアドバイス業務なども行っている。