「海外不動産ナナメ読みB」で、今やGDP成長率6.7%と日本の4倍近いフィリピンのハイエンド地区であるマカティ市ロックウェルで三井不動産が現地の大手財閥系不動産会社ロックウェル・ランドと分譲中の「ジ・アートン・バイ・ロックウェル」について紹介した。

今回、マカティ市と並ぶマニラのハイエンドな最先端エリア、ダギック市にあるボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)のディベロッパーAlveo Land社のショールームを訪れる機会があった。
同社のBGCでの分譲はソールド・アウト。今、分譲エリアの注目は郊外に及んでいるということでオルティガスにできる「ポルティコPORTICO」モデルルームをBGCに置いている。


Alveo Land社といえば、フィリピンの大手不動産ディベロッパーでマカティの開発で名を馳せたAyala Land ( 三菱商事も出資するフィリピン最大手の複合企業アラヤ・コーポレーションの一つ)の中で急成長市場である都市の住宅建設に特化した企業だ。
この「ポルティコ」は、コールセンターや大手企業も多く進出し、眠らない街とも呼ばれるオルティガスセンターまで車で約4分、BGCやマカティまで約20分とビジネスアクセスがよく、周辺にはSMメガモールやロビンソンギャレリアなどの大型ショッピングセンターもあって生活利便性も高い。
そして、2025年全線開通予定(2019年10月現在計画)の空港まで延伸する地下鉄駅もBCGを経てオルティガスにもできる。
「ポルティコ」が販売スタートしたのは2017年で、6年かけて売るという計画だが、2017年のu単価は13万ペソ(1ペソ=2.1円、2019年10月現在)だったのが2019年には21万ペソとすでに65%も上昇しているという。今までのところは、この開発エリアの可能性とキャピタルゲインを狙って購入している人が多いらしい。
マカティやBGCの物件同様に共用エリアの屋内にはジムに会議室、屋外にはプール、3,000uの中庭が確保され、敷地全体の65%から70%がオープンスペースというゆとりの計画。総戸数は664戸、地上45階建て。


ステュディオ(31u/約1,360万円)〜3ベッドルーム(122u/約5124万円)まで。ステュディオは、3年前だったら約846万円だったと思うと“たられば”が頭をもたげてしまう。
購入者のプロフィールについて聞いた所、「ポルティコ」はBGCよりローカルの購入と中国の人が多いとのことだが、フィリピンの法律で外国人による所有は対象建物の40%までと決められているそうだ。
ショールームの3ベッドルームの1つは、とても小さいが、これは住み込みお手伝いさん部屋の想定とのこと。想定利回りは非公開(個別相談での回答になる)とのことなので何とも判断しがたいが、共用エリアからしても高級住宅エリアを目指しているのは間違いなさそうではある。
そして、先をいってるBGCの街区は、日本でいうと六本木ミッドタウンぐらいの雰囲気を感じる。5000 万円で、六本木で120uのマンションにお手伝いさん付きで住む生活のシミュレーションを楽しむのみである。
マニラでゲートコミュニティのスーパーハイエンドな高級地区と言えば、海外駐在員なども多く居住するマカティとそこから東に車で30分ほどのダギック市にあるボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)である。この2ヶ所はゴミ一つ落ちてないぐらいのエリアで、高級コンドミニアムが並び、ショッピングモールやレストランなども水準が高い。
今、マカティの中心から北にいったロックウェルで三井不動産が初めてフィリピンで現地の大手財閥系不動産会社ロックウェル・ランドと手を組んで不動産開発をしているのが「ジ・アートン・バイ・ロックウェルTHE ARTON BY ROCKWELLだ。
丘の上の1.9haの土地の80 %がオープンスペースというゆとりの敷地に3棟からなる総戸数1680戸(予定)のタワーマンションの高級コンドミニアムを分譲する。ゲートコミュニティのセキュリティ、居住者用プール、本格的なトレーニングのできるジム(北棟)、ファンクションルーム(北棟)、FIBAサイズのバスケットボールコート、コワーキングスペース、コンビニエンスストアなどを設備内に揃える
ユニットはステュディオ(27〜29u)460万ペソ〜、1BR(47-49 u)700万ペソ〜、2BR(82-86u)1,100万ペソ〜、3BR(103u)1,400万ペソ〜。(1ペソ=2.09円 2019年6月15日)
筆者は、一流レストランの証の一つAsia’s BEST 50 Restaurantsの2016年アジア最優秀シェフに輝いたシェフのいる「グレースパークレストラン」を訪ねて ロックウェルに行ったことがある。
このレストランは、地産のオーガニック食材を使ったイタリアン・フュージョンでさすがの味。そして店の雰囲気もものすごく洒落ている。このお店自体はカジュアルだが、エリアの雰囲気はまさにハイエンド。
The Arton の冊子によるとフィリピンにおける不動産投資物件の表面利回りは6.13%(出典:Grobal Property Guide 2016)果たしてその水準の利回りがこの価格で可能かどうか?フィリピンのハイエンド層向け投資物件の一つの試金石になりそうだ。
文/小野アムスデン道子
経歴
元リクルート週刊住宅情報関西版編集長、月刊ハウジング編集長を経て、メディアファクトリーにて、世界的なガイドブック「ロンリープラネット日本語版」の編集に携わったことから観光ジャーナリストに。東京とオレゴン州ポートランドのデュアルライフと世界中を巡る取材で旅を基軸にしたライフスタイルについて執筆。国内外で物件運用中。ownmedia【W LIFE】で40代からの豊かな暮らし方を発信。