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いま、タイ不動産投資はありなのか? バンコクとパタヤ・ビーチの近況ルポ

都市計画・再開発/海外 ニュース

2020/03/15 配信

微笑みの国」と言われるタイは、トムヤムクンなどピリ辛のタイ料理や、タイ式マッサージなど日本人に人気が高い。また、東南アジアの代表的な工業国として、トヨタなど日本企業の工場進出も多く、多数の日本人駐在員が住んでいる。そして、定年退職者などのロングステイ先としても人気がある。

不動産投資としてのタイ不動産や、アーリーリタイア後のロングステイ候補として、現在の状況はどうなのか、バンコクの日系不動産会社を訪ねてみた。

屋台のジューススタンド。カットされたフルーツが入っていて、好きなフルーツの組み合わせのカップを買うと、その中味でジュースを作ってくれる。
屋台のジューススタンド。カットされたフルーツが入っていて、好きなフルーツの組み合わせのカップを買うと、その中味でジュースを作ってくれる。

応対してくれたのは、不動産会社で投資物件の売買を担当するTさんだ。

日系不動産会社で投資物件の売買担当のTさん
日系不動産会社で投資物件の売買担当のTさん

まずタイでの不動産投資の大前提として、外国人である日本人はタイの土地は買えない。つまり戸建てや1棟マンションを買うことはできず、コンドミニアム(日本で言うマンション)を区分所有で購入するしかない。

そしてバンコク市内には高架式の鉄道BTS(スカイトレイン)や地下鉄が通っており、延伸を続けている。
高架鉄道からのビルIMG_20200114_115335

モザイクのようにデコボコした外観の超高層ビル「マハーナコーン」(高さ314m、78階建)。最上階にはスカイウォーク(展望台)やルーフトップバーがあり、360度の絶景が楽しめる。
モザイクのようにデコボコした外観の超高層ビル「マハーナコーン」(高さ314m、78階建)。最上階にはスカイウォーク(展望台)やルーフトップバーがあり、360度の絶景が楽しめる。

■バンコク市内の投資エリアは?

Tさんによると、投資物件としては日本人駐在員が住むエリアがおススメだという。高架鉄道BTS スクムウィット線のプロムポン駅、トンロー駅、エカマイ駅周辺だ。

このエリアだと、新築のstudioタイプ(日本でいうワンルーム)では800万バーツから。1バーツ3.6円で換算すると、約2,880万円だ。1番人気のあるプロムポン駅近くだと、50平米の1ベッドルーム(日本でいう1DKか1LDK)が、日本円で5,000万円ほど。利回りは約3%。タイの銀行が金利7%で貸してくれる場合があるようだが、タイ在住者などでないとローンを組むことが難しい。

もっと安価なコンドミニアムとなると、日本円で1,000万円から2,000万円台も販売されている。しかし、安いエリアの場合は賃貸需要も厳しくなってきているそうだ。BTSが延伸される計画があり、駐在員が住むエリアより遠方のオンヌット駅やサムローン駅のコンドミニアムの売値も高騰しているようだ。

ちなみに、日本の場合は「最寄り駅から徒歩15分」でも入居者から選んでもらえる距離だが、暑いタイでは炎天下の中を「歩く」という概念がなく、駅から徒歩5分程度でないと借りてもらえないらしい。

オートバイの後部座席に乗って移動する「モーターサイ」。路地(ソイ)の入り口に待機場所があり、お揃いのベストを着た運転手達がお客を待っている。
オートバイの後部座席に乗って移動する「モーターサイ」。路地(ソイ)の入り口に待機場所があり、お揃いのベストを着た運転手達がお客を待っている。

その他、中国人の居住者が多いラマ9世通りや、富裕層が住むチャオプラヤー川のリバーサイドエリアも人気とのこと。

チャオプラヤー川沿いの建つ「ザ・リバー・コンドミニアム」(71階と42階の2棟)。広いプールやジムもある高級コンドミニアム。
チャオプラヤー川沿いの建つ「ザ・リバー・コンドミニアム」(71階と42階の2棟)。広いプールやジムもある高級コンドミニアム。

Tさんは毎月4件ほど成約しており、最近の顧客はエカマイ駅近くのプリセールの新築区分を800万バーツ(日本円で2,880万円)、利回り5~6%で購入したそうだ。

※プリセールとは、マンションの建築途中の段階で予約購入すること。

なぜ利回りが3%ではなく、5〜6%になるのかというと、プリセールを販売しているデベロッパーとの交渉次第で20%オフで買える場合があるからだという。

ただそれは、800万バーツのコンドミニアムを5件まとめて購入する場合などに限られるらしい。
しかし、800万バーツ(約2900万円) × 5件=約1.5億円を現金で用意できる日本人が何人もいるという事実に驚いた。それだけ日本の富裕層は、投資先を探しているのだろう。

ちなみに、日本でタイ不動産の購入を勧められる場合に「民泊で高利回りに!」とまだ宣伝されているケースがあるが、現在、タイでは民泊は禁止されている。

商魂たくましい中国人オーナーはこっそりと民泊をしているようだが、見つかると1万バーツの罰金を取られるそうだ。しかし中国人オーナーは罰金を何度取られても、民泊を続けている場合があるという。ただ、あまりにも悪質なケースはどうなるかはわからないが…。

Tさんに「新築のコンドミニアムではなく、中古のコンドミニアムはどうか?」と聞いてみるとあまりオススメしないという。タイは暑い国なので、建物の劣化が激しいそうだ。築10年以上経つと、売買マーケット自体も悪くなっているそうだ。ただ、タイ人が安く買ってリノベーションをして住むという場合はあるようだ。

タイ人の職人の仕事ぶりについて聞いてみると、他の東南アジアの国に比べると優秀だと思うとのことだった。5割ほどは工期をきちんと守って作業してくれるそうだ。

ただし、日本の職人さんとは決して比べてはいけない。日本の職人さんは非常に真面目で優秀で、ともすれば完璧すぎるところがあるが、タイ人とは国民気質が違う。同じレベルを期待してはいけない、ということを重々承知しておく必要がある。

ところで、日本人駐在員がタイでの生活を気に入って、リタイア後も住みたいという場合は、駐在員時代から住んで慣れ親しんでいるプロムポンやエカマイ駅近くで購入しているという。ずっとそこに住むのではなく、日本とタイを半分ずつ行き来しているような人も多いという。

バンコク市内のベンジャキティ公園から見た高層ビル群。繁華街に近いが、公園は静かで、池の周りのジョギングコースでは人々がのんびり走っている。
バンコク市内のベンジャキティ公園から見た高層ビル群。繁華街に近いが、公園は静かで、池の周りのジョギングコースでは人々がのんびり走っている。

■バンコクから日帰りもできるパタヤ・ビーチについて

あまり日本人観光客には知られていないが、バンコクから車で2〜3時間のパタヤ・ビーチは外国人滞在者には非常に人気のエリアである。元々はヨーロッパ系のリタイア世代が多かったが、現在はロシア人や中国人の長期滞在者が多い。

バンコクから車で数時間の「パタヤ・ビーチ」。欧米人のバカンス地として栄え、ナイトライフも楽しめる。
バンコクから車で数時間の「パタヤ・ビーチ」。欧米人のバカンス地として栄え、ナイトライフも楽しめる。

バンコクからパタヤまで高速鉄道が建設されるという計画が発表されたが、2024年に予定通り開通すると、バンコクからパタヤまでわずか40分で移動できるらしい。

今は、バンコクの各国際空港から直行リムジンバスや車でパタヤに移動するのが観光客にとって主要な方法だったが、利便性が高まること必至だ。日系企業も多く集まる工業地域にも、停車駅が作られる予定らしい。

浜辺には何列にも渡って延々とパラソルとデッキチェアが続く。ロシア人や中国人が多い。
浜辺には何列にも渡って延々とパラソルとデッキチェアが続く。ロシア人や中国人が多い。

ただ、Tさんによるとパタヤは不動産投資エリアとしてはおすすめではないという。自分が住むためのセカンドハウスなら良いが、長期賃貸は難しいとのこと。

理由は、ほとんどの観光客は1週間や1ヶ月単位の滞在だから。また、短期滞在の観光客はコンドミニアムよりもホテルに泊まる方が多い。ちなみに、パタヤでも中国人オーナーは違法な民泊をしているケースがあるそうだ。

ビーチのデッキチェアでのんびり座っていると、揚げたての春巻きなどを山盛り運んで売り歩く人々が近づいてくる。好きなものを買って食べられる。
ビーチのデッキチェアでのんびり座っていると、揚げたての春巻きなどを山盛り運んで売り歩く人々が近づいてくる。好きなものを買って食べられる。

ところが、よく話を聞いてみると、Tさん自身がパタヤで超人気だったプリセールのコンドミニアムを購入しているという。あまりオススメしないエリアと言っていたのに、「なぜ購入されたのですか?」と聞くと、

「パタヤ・ビーチの中でも非常にロケーションが良く、この物件ほど好立地なコンドミニアムはもう出てこないと思ったからです。建設するデベロッパーも大手です。プリセールの時点から大人気で、なかなか予約ができないほどの物件でした。1ベッドルーム(日本でいう1DK)30平米で590万バーツ、約2,100万円でした」

デッキチェアに座っていると、ペディキュアやマッサージ、食べ物やワンピースなどあらゆる売込み攻勢がすごい(笑)。
デッキチェアに座っていると、ペディキュアやマッサージ、食べ物やワンピースなどあらゆる売込み攻勢がすごい(笑)。
週末に開かれるパタヤの市場。広い敷地に食べ物や衣料品などの屋台がひしめき合う。この店はおかず屋さんで、気に入ったおかずを指さすとビニール袋に入れてくれる。
週末に開かれるパタヤの市場。広い敷地に食べ物や衣料品などの屋台がひしめき合う。この店はおかず屋さんで、気に入ったおかずを指さすとビニール袋に入れてくれる。

Tさんは、日本で不動産関係会社に勤めていたが、2年前にタイの不動産会社に転職した。日本で働いているよりも、バンコクの不動産会社で働く方が歩合も含めて収入が高いそうだ。タイでの生活が気に入ったこともあり、今後もずっとこちらで住み続けたいと考えている。

パタヤの物件は、Tさんが個人投資家として初めて購入した物件だ。今回はローンを使わなかったが、Tさんのようにタイの労働ビザを持っている場合は、金利3%ほどで現地銀行から借りることができるそうだ。

プリセールで購入したので、キャピタルゲインを取るために後日売るのか、いつかパタヤに行って自分が住むまでの間は貸して回していくのかはまだ思案中だという。次は、バンコク市内で自分が住む物件を購入したいと考えている。

バンコク市内の繁華街に近い、小さめのホテルの建築現場。
バンコク市内の繁華街に近い、小さめのホテルの建築現場。

筆者がバンコクの空港からパタヤへ車で夕方に移動した際のこと。日がとっぷりと暮れ、道路以外は暗かったにもかかわらず、道路の両脇には日本では見たことがないほどの巨大な広告塔が煌々と照明に照らされ、何本も林立していた。そのほとんどがコンドミニアムの広告のようだった。バンコク市内でも、高架鉄道の移動中に窓から見ると、あちこちで大規模な建設現場が広がっている。

■プリセールに注意!

記事内で紹介した「プリセール」(プレビルドとも言われる)は、東南アジアの国ではよくある新築コンドミニアムの販売方法だ。建築計画を発表し、まだ建築されていないコンドミニアムを「先行販売」された時に予約金を入れて購入予約する。

段々と建設が進んでいくにつれ、人気物件であればあるほど販売価格が値上がりしていく。完成するまでは分割払いで購入金額を支払っていくのだが、完成後に物件を登記する前に、キャピタルゲインを狙って途中で転売するスキームだ。

一時期はその方法で多くの利益が得られたようだが、かなりリスクが高い。東南アジアにありがちな、大幅な工事の遅れや当初の計画からの変更、そして最悪の場合は建物が完成しない場合もあるからだ。

実は今、タイはバーツ高で輸出産業が振るわず、経済全体があまり良くない。コンドミニアムの主要な購入者だった中国人も、中国元に対してバーツ高の影響で購入を控えているらしい。

つまりコンドミニアムが建つ計画は多々あるものの、供給過剰に陥っているようにも見える。タイで不動産投資に踏み切るのは、まずはタイに何度か足を運び、タイ生活を楽しみながら状況を確認することが大切だろう。

健美家編集部(取材協力:野原ともみ)

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