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タイ人は出世したらコンドミニアムは借りない?! バンコク大家さんに聞く、タイ人のライフスタイルと不動産投資事情

都市計画・再開発/海外 ニュース

2020/04/09 配信

「大家列伝」に登場し、バンコクでの生活を満喫している「バンコク大家」さん。その自由な生き方への興味や憧れか、「大家列伝」記事へのアクセスは前編・後編を含めて3万アクセスと、読者から高い関心が集まった。そのバンコク大家さんに実際にバンコクでお会いして、お話を聞いてみた。

※本文のインタビューは今般の新型コロナウイルスの世界的感染拡大の以前に行われたものであり、今後タイを取り巻く状況が大きく変化する可能性があります。不動産事情のみならず、渡航や現地での行動については最新の情報を入手されるように努めてください。

まずは、バンコク大家さんの経歴を簡単に紹介する。バンコク大家さんは2005年、42歳で日本の会社を辞め、翌年タイへ移住した。当時タイには、外国人が一生滞在できる「エリートカード」という制度があり、そのカードを取得できたからだ。

移住当初は、30平米の賃貸物件に約25,000円の家賃を払って住んでいた。ところが、住んでいたマンションにしょっちゅう入居希望者が内覧に来るのを見て、自分も区分所有のコンドミニアムを買って貸してみようと思ったという。

そして、同じマンション内の30平米のコンドミニアムを90万バーツ(当時で約300万円)で購入。現地の日本語フリーペーパーなどで入居者を募集し、家賃9,000バーツ(当時で約3万円)で貸すことに成功した。

利回りは約10%。その後、別の物件で累計5戸購入し、4〜5年後に同じ値段かプラスαで売却することができた。
※注:タイでは外国人は土地が買えないため、区分所有のコンドミニアムしか購入できない。

■タイでは仲介手数料がいらない!?

バンコク大家さんから、タイと日本の不動産に関する商習慣の違いを教えてもらった。日本では、物件の売買や賃貸の場合には、売り手と買い手、もしくは貸し手と借り手が両方とも仲介業者に仲介料を払うシステムになっている。しかしタイでは、買い手や借り手側の手数料支払いは「必須ではない」そうだ。

タイで不動産を購入する時や物件を借りようとする時に、ほとんどの日本人が現地で案内してくれた仲介業者に手数料を支払っていると聞いていたので、支払うのがデフォルトだと思い込んでいた。しかし、日本の宅建業法のように法律で決まっているわけではないそうだ。

「日本の不動産投資家の方は、つい手数料を払ってしまうようですね。言葉の問題とか、案内してくれたから、とか理由はあると思いますが」とバンコク大家さん。

日本人だけでなく中国人やアジア人も、言葉の問題もあるので不動産購入時には仲介業者に手数料を払っていることが多いようだ。

バンコク大家さんによると、現在はタイで不動産を購入しても表面利回り5%、実質利回りでは2〜3%しかない。今の時期は購入は控えた方が良いだろう、とのことだった。

バンコク大家さん自身、今は自宅以外は売ってしまい、様子を見ているという。そして、新築コンドミニアムの供給が多すぎるとも感じている。

なぜなら、デベロッパーが販売しているメイン価格帯のコンドミニアムが売れていない。一時期爆買いしていた中国人が購入しなくなっているため、市場がたぶつき、売価も下がっている。

特に外国人をターゲットとした35〜40平米ほどの単身用の新築コンドミニアムは、立地によるが800万バーツ(約2,900万円)ほどするものの、供給が需要を上回っているらしい。昔はプリセールの時点で安く購入予約し、建設途中で売って「売却益を得る」方法もあったが、今は難しい。

そして、長年バンコクに住んでいるバンコク大家さんの肌感覚としては、ちまたで言われているほど日本人駐在員が増えていないように思う、とのこと。

また、駐在員たちは会社から「住むべきエリア」が決められているので、それ以外のところに住むことが難しい。つまり、日本人が多く住むエリアの中で新築コンドミニアムがどんどん建っても、入居者の取り合いの様相になってきている。また、うまく賃貸付けできたとしても、現地不動産会社への管理費用も負担しなければならない。
※プリセールとは、コンドミニアムが建築される前に「予約購入」すること。工事の遅れや計画変更、最悪の場合は建物が完成しない場合もあるので注意が必要。

看板には日本の会社、富士通やイオンの名前がある。
看板には日本の会社、富士通やイオンの名前がある。
エスカレータ21
アソーク駅隣接の大規模なショッピングセンター「ターミナル21」

■タイの国民性を考えると・・・

タイの中間層の年収はバンコクで60万〜70万バーツ程度(200万円前後)、地方では100万円に満たないことも多い(個人差が大きく、仕事をかけもちすることも多いので一概に言えない面もあるが…)。

また、タイも少子化の影響を受けて若者が少なくなってきている。首都バンコクには地方出身者に加えて、近隣諸国からの流入も多い。たしかに、筆者がタイに居た時も、お店などでお客と直接応対する店員はタイ人だが、建築現場で働く労働者はカンボジアやミャンマー、ラオス出身者が多く見られるようだ。

「タイ人の若者たちは、今は自由を求めて1万バーツの家賃を払って都心のコンドミニアムに住むライフスタイルを謳歌しています。でも国民性を考えると、年を取ったら戸建てへと回帰していきます。結婚して子供ができたら庭と車が欲しくなるし、コンドミニアムでは駐車場を確保することが難しいのです」

「その上タイ社会では、昇進して部長クラスになると『自分の車で会社に通う』というのがステータスなんです。いくらスカイトレインで通った方が通勤時間が短かったとしても、電車通勤を選択しません。つまり、タイ人は高給取りになっても駅近のコンドミニアムに住んだり、購入することはないんです。少し遠くても駐車スペースのある戸建てを買います。なぜなら、都心の小面積のコンドミニアムを買える予算があるのなら、充分一戸建てを購入することが可能だからです」と、タイ人の友人との交流が多いバンコク大家さんは言う。

日本人やタイ人にコンドミニアムを貸すのが難しい、ならば、欧米人や他の国の人に貸すのはどうか、と考えるかもしれない。

しかし、日本人と違って、欧米人など外国人入居者の管理は大変だ。バンコク大家さんもかつて欧米、アラブ、アフリカ系と様々な入居者がいたそうだが、クレームや要望など多くて、延々と戦ったそうだ。喧嘩しないように穏やかに対応していたが、かなり疲れたという。

先述した「タイ周辺国から流入してきた外国人」のために、賃料の安いアパートを経営する方法も考えられるが、「土地付きのアパート」は外国人には買えないという壁にぶち当たってしまう。

チャオプラヤー川沿いのアパート。ボロアパートに見えるが、きれいにリノベされた部屋もあるようで、バルコニーに外国人居住者らしい姿が見える。
チャオプラヤー川沿いのアパート。ボロアパートに見えるが、きれいにリノベされた部屋もあるようで、バルコニーに外国人居住者らしい姿が見える。

■日系企業と現地企業の合弁プロジェクトは?

そして近年、物件を買う際に注意しなければいけないのは、急増している日系企業と現地デベロッパーによる合弁プロジェクトだ。

日系の会社が参加していると、日本語も通じるし、日本人相手に酷いことはしないだろうとつい信用してしまうが、実際は日系企業が全面的に責任を取ってくれるわけでもないらしい。

「売買契約書を読むと、『現地のデベロッパーが全て対応する』と書かれていることが多いようです。何か現地で問題が発生しても、日本側の事務所や営業所が対応してくれるとは限りませんので、よく確認された方がいいですよ」とバンコク大家さんが警鐘を鳴らしてくれた。

延伸するスカイトレインの駅近くに、大規模な建築現場が広がる。
延伸するスカイトレインの駅近くに、大規模な建築現場が広がる。

現在の状況を考えると、急いでタイ不動産を買うよりも、まず自分がロングステイしてタイを気に入ってから買うというのがバンコク大家さんのオススメだ。

他の東南アジアの国では、文化的・宗教的な面から女性の1人暮らしがあまり奨励されていない国もあるが、タイでは全く問題ない。ロングステイしている日本人シニア層も多く、最近は若いアーリーリタイヤ層も長期滞在している。

前述したように、タイでは部屋を借りる側は仲介料を払わなくてよい。ちなみに、家賃3万バーツ(約11万円)以下の物件の場合は、家賃が安すぎて、日系不動産会社では紹介してくれない場合もあるようだ。

スカイトレイン駅のすぐそばの屋台。
スカイトレイン駅のすぐそばの屋台。

まずは自分でステイ先を探してみること、を勧めてくれた。日本語のフリーペーパーに掲載されている賃貸物件紹介コーナーや、日本語や英語で書かれた物件ホームページなどで情報を集めてみる。もしくは、近くを通って気になったコンドミニアムの受付に行って、空きがないかどうか聞いてみる。

「For Rent(空室あり)」の看板がなくても、受付に行って空いてる部屋があれば鍵を開けて見せてくれる場合がある。なぜなら、中古の分譲コンドミニアムだと受付スタッフが賃貸管理も兼任している場合があるからだ。

1人で行くのが不安であれば、知り合いの日本人やタイ人に一緒に行ってもらうと良いだろう。住むところが決まったら、ハウスクリーニングやインターネットの手続きをやってくれる日系の会社はたくさんある。

タイに住んでこの国を気に入ったら、あちこち引っ越して地域を見て回るのも楽しいし、物件購入時の参考になる。ソイ(通り)が1本違うと全く雰囲気が違うからだ。

地元の人が買い物する市場。野菜や海鮮、おかずなど屋台がひしめき合う。
地元の人が買い物する市場。野菜や海鮮、おかずなど屋台がひしめき合う。

「私も賃貸物件に2度住んでいたことがあったのですが、楽しかったですよ。物件オーナーと仲良くなって、おごってもらったこともありました(笑)」とバンコク大家さん。

温かい人柄のバンコク大家さんが、同じく他人に優しくおおらかなタイ人やタイ国が大好きな理由がよくわかる。

タイの場合、観光ビザでも60日間の滞在が可能だ(現地で1度、延長手続きを申請する必要がある)。生活費も日本に比べれば安く、親切な国民性と美味しい食事、そして医療水準が高いタイは過ごしやすい国だ。コロナウイルスが収束したら、一度行ってみてはいかがだろうか?

空港や町中のあちこちにある日系コンビニエンスストア。
空港や町中のあちこちにある日系コンビニエンスストア。

ダイソーはタイでは60バーツ均一。
ダイソーはタイでは60バーツ均一。

ちなみに、バンコク市内にはセブンイレブンやローソンなど日系コンビニが点在し、大型ショッピングセンターにはダイソーや日系チェーンの飲食店も多い。そうかと思うと、道路沿いにはタイ特有の屋台が並び、美味しそうな食べ物を売っている。まずはタイという国を楽しんで、その魅力を自分で体験してから、不動産投資に乗り込むという方法がオススメだ。

大鍋には煮込んだ肉や卵があり、注文するとライスにかけてくれる。
大鍋には煮込んだ肉や卵があり、注文するとライスにかけてくれる。

健美家編集部(取材協力:野原ともみ)

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