そごうから「エキソアレ西神中央」へ
4月1日にオープン
大手総合商社の双日株式会社(以下「双日」)は、兵庫県神戸市の西神中央駅で旧そごう西神店をリニューアルし、「エキソアレ西神中央」として4月1日に全館オープンした。
元々あったそごう西神店は、1989年にオープンした老舗店舗だったが2020年8月31日に閉館していた。
閉館後に双日が運営を引き継ぎ、名称を「西新中央駅ショッピングセンター」と改めて2020年12月4日から一部フロアでのみ営業を継続していたが、4月1日に名称を再度変更して全ての店舗がオープンしたことになる。
建物は地下2階・地上6階建て(屋上階を含む)でテナント数は全60店舗となっており、1階~4階に物販・サービス店舗、5階に飲食店、屋上階に幼児教室がそれぞれ入っている。
核となるテナントは、2階の無印良品・3階のニトリ・4階のダイソーなどだ。そのほかにも、ゴディバやツタヤの書店などが入っている。
なお、神戸市の統計によると、2020年度における西神中央駅の乗車人員数は18,788人で、神戸市が運営する西新・山手線の中では三宮駅と名谷(みょうだに)駅に次いで多い。
3番目に多かったのは新神戸駅だが、西神中央駅の乗客数は新神戸駅よりも約1,500人多かった。
※参照:神戸市交通局
ちなみに、首都圏の各駅乗降人員数と比較すると、西神中央駅の乗車人員数は、都営地下鉄浅草線の西馬込駅(大田区)及び東京メトロ千代田線の根津駅(文京区)とほぼ同数だ。
※西馬込駅・根津駅ともに乗車人員数だけで比較
いずれにしても、西神中央駅の乗客数は沿線の中で比較的多い方であり、エキソアレ西神中央には全国的に有名な店舗も複数入っていることから、その知名度と集客力に期待がかかるところだ。
西神中央駅は始発駅で通勤・通学の快適性は高いことから、街そのものの利便性が高まれば、周辺から住民が集まってくる可能性はあるだろう。
神戸市は西神中央の
活性化プロジェクトを進行中
エキソアレ西神中央の開発は、西神中央駅周辺における都市開発の一部だ。
※引用:神戸市
神戸市によると、西神中央駅周辺では今後も複数の都市開発が予定されている。
駅の北側には、明石市に近い玉津町にあった西区役所が移転してきており、今年の2月14日にオープンした。
※引用:神戸市
西区役所の隣では、「プレンティ」という商業施設が2023年の秋頃にリニューアルオープンする予定となっている。
さらには、駅前広場とバスロータリーも2023年の春頃にリニューアルが完了する予定だ。
※引用:神戸市
西神中央駅の北側には「西神ニュータウン」があり、ニュータウンのさらに北部には「西神工業団地」がある。
西神工業団地にはパナソニック・川崎重工業・コニカミノルタ・山崎製パンなど、日本有数の企業が工場を構えている。
複数の大企業が近くに工場を置いており、駅周辺では活性化に向けた再開発が進んでいると聞くと、周辺エリアの先行きは明るいように思えるかもしれない。
しかしながら、日本の地方都市では少子高齢化が進んでおり、ニュータウンによって昭和時代に人口が増えた西神中央エリアも例外ではない。
報道によると、2004年には11.5%だった西神中央エリアの高齢化率は2019年に31.4%まで上がっており、若年世代の呼び込みは早急に解決すべき課題だ。
行政が推進する駅周辺の再開発がどこまで都市課題の解決に貢献するか、今後に要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)