琵琶湖だけじゃない!
実は関西経済の優等生、滋賀県のポテンシャルとは
滋賀県といえば、日本一の面積を誇る琵琶湖!
…しか思い浮かばない人が多いかもしれない。

大阪、京都、兵庫と比較すると、近畿地方の中でも忘れられがち、関西人からも「地味」とすら言われることもある滋賀県だが、5年ごとの国勢調査ベースでは、1965年の調査開始以来、最新の2020年まで人口が増え続けている近畿地方唯一の県なのだ。
増加率こそ1975年の10.77%をピークに鈍化しているものの、滋賀県の人口動態で注目すべきは、その将来性。滋賀県庁の「滋賀県なんでも一番」によると、年少人口割合(15歳未満の総人口に占める割合)は沖縄県に次いで全国2位にランクイン、平均年齢も全国で4番目に若い。つまり、生産年齢人口とその予備軍の割合が高く、今後もある程度、安定した経済成長が見込めるということだ。
ではなぜ、滋賀県は生産年齢人口の割合が高いのか?滋賀県なんでも一番にも「経済が一番!」と書かれている通り、滋賀県は全国有数の工業県。県内総生産に占める第2次産業の割合(48.9%)、製造業の割合(44.6%)とも、全国1位を誇る。さらに、製造業(従業者4人以上)の1事業所当たり現金給与総額は3億1,720万円でこちらも全国1位。
元々、世界的なメーカーが多く製造拠点を置いているが、「滋賀県・JR東海道線「守山」駅東口に村田製作所の研究開発施設が進出へ!人口・世帯増さらに拍車か(2021/09/25 )」で既報の通り、電子部品大手の村田製作所が研究開発拠点を新設予定。国内外に向けてアピール力も増している。
安定した雇用と給与水準が、滋賀県への若い世帯の人口流入を招いていると言えるだろう。
昔から交通の要所として栄えた近江の歴史、
京都、大阪などへのアクセスの良さも抜群!

古くから豊かな水をたたえた琵琶湖の水運の恩恵を受け、また東海道の宿場町としても栄えた滋賀県の県庁所在地・大津市。その中心であるJR大津駅から京都駅までは快速電車で9分、大阪駅にも40分足らずで到着できる。
抜群の利便性の割に、JR大津駅徒歩10分圏内の賃貸物件相場は、単身者向けの1Kが4−5万、ファミリータイプの2LDKでも8−10万と、京都、大阪都市圏と比較するとぐっと家賃が下がる。
四季折々に変化する琵琶湖の自然を身近に感じながら、交通アクセスや買い物の便を享受でき、教育環境も整っているとくれば、大津市がベッドタウンとして勢いを増し続けるのも当然と言えるだろう。
県内格差に注意、
滋賀県内で不動産投資するならこのエリア!
とはいえ、滋賀県内で不動産投資を考えるなら、大津市内一択かというと、実はそうでもない。
2020年の国勢調査で、人口増加率の最も高かったのは、実は大津市(1.20%)ではなく、草津市(4.86%)で、村田製作所が進出予定の守山市(4.23%)が2位に続く。
JR草津駅からは京都まで20数分。守山駅から京都駅までは30分。いずれも利便性は大津に及ばないものの、家賃相場も割安になるため、特に若いファミリー世帯が好んで移り住むという。両市内では新築マンションやアパートが多く建築中で、今後も若い世帯の人口流入が続く見込み。
一方で、東海道新幹線の停車駅「米原」のある米原市や隣接する長浜市は、いずれも4%近く人口が減った。湖北エリアと呼ばれるこれらのエリアは、大津、草津、守山を含む県南部と人口増減の点で大きく明暗を分けていることには注意が必要だ。
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健美家編集部(協力:大崎良子(おおさきりょうこ))
■ 主な経歴
全国紙、大手デベロッパー勤務を経て、不動産ライターに転身。
三代続く不動産投資好き。地方都市の一棟アパートや山林投資を主戦場にしてきた親世代と異なり、都心の区分マンションを中心に投資を続けている。
アメリカを中心に海外不動産にも造詣が深い。