
京都有数の交通要衝の地「六地蔵」が
駅改良工事でさらに便利に
JR西日本は2022年6月、京都府宇治市のJR奈良線「六地蔵駅改良工事」について、新しい駅舎などの構想を発表した。この工事は2017年にJR西日本と宇治市が駅の改良に関する協定を締結したことを皮切りに、2020年3月より着手。2023年春頃の供用開始を目指している。
世界遺産に認定されている「平等院」や「宇治上神社」を有する宇治市と、全国に約3万社ある稲荷神社の総本宮「伏見稲荷大社」を有する京都市伏見区の境に位置する六地蔵は、古くから交通の要衝の地とされていた。
鉄道面では1992年、JR奈良線「六地蔵」駅が開業。2004年には地下鉄東西線も同駅の近くに乗り入れるほか、京都市伏見区内にも京阪電鉄宇治線の六地蔵駅も存在する。また、京都外環状線や府道大津宇治線、府道京都宇治線などの主要道路も集中するなど、交通網が充実しているエリアだ。
この工事は、六地蔵に欠かせないJR奈良線「六地蔵」駅を「六地蔵の歴史継承と周辺開発をリードする新しい玄関口」にすることをコンセプトに掲げる。
バリアフリー化、安全性の向上、
地下鉄とのスムーズな乗り換えが目的

「六地蔵」駅改良工事は、「京都方面へのホーム延伸・移設」と「京都方面への駅舎移転」を軸に進められ、ホーム・階段幅員の拡大やホーム部分の曲線緩和による安全性向上、バリアフリー化、地下鉄との円滑な乗り換えを図ることが狙いだ。
具体的には、現状3.7mの柵内コンコースはおよそ倍の広さに拡大。階段の幅員も少し広げられ、現時点で上り用しかないエスカレーターも下り用のエスカレーターが新設され、11人乗りの大型エレベーターも設置予定だ。現在の身体障がい者用の改札内トイレは、バリアフリー基準に対応したタイプとなる。

さらに、駅舎を京都寄りに移すことで、地下鉄との乗り換え距離を現在の100mから20mにまで短縮。駅舎のデザインは、今後の駅周辺の発展を見据え、宇治市の新たな玄関口にふさわしい“ゲート”をイメージした外観に。また、六地蔵の地名の由来となった大善寺六角堂(通称:六地蔵尊)から着想を得て、コンコースには六角形の吹き抜け空間をつくる。
駅改良工事は「六地蔵」周辺開発の序章?
今後も積極的な再開発に期待
今回のJR奈良線「六地蔵」駅の改良工事に関する発表では、「宇治市が駅前広場の改良工事を実施予定」や、コンセプト内にも「周辺開発をリードする」といった文言の端々から、今後のさらなる開発意欲が感じられる。
実際、本工事以外にも商業施設や保育園を併設すると見られる府内最大級マンション「クラッシィハウス京都六地蔵」の開発が行われるなど、今、京都で最もホットな再開発地域の一つと言えるだろう。六地蔵エリアの今後の動きからも目が離せない。
健美家編集部