
2022年12月より着工している
「向日町」駅の自由通路整備・橋上化事業
JR西日本は2022年12月のプレスリリースにて、現在着工しているJR京都線「向日町」駅の自由通路整備・橋上化事業において、自由通路と駅舎の設備の概要・デザインが決定したと発表した。
JR「向日町」駅がある向日市は、京都府の南西にある市。向日市の面積はわずか7.72?で、全国の市としては埼玉県の蕨市、東京都の狛江市に次ぐ3番目の狭さで、西日本では最も狭い市として知られる。

そんな向日市で進められている「向日町」駅の自由通路整備・橋上化事業は、駅東側エリアからのアクセス改善と、駅の交通結節点としての機能強化・サービスの向上を図るとともに、まちの活性化や駅周辺のにぎわいを創出することが目的。2022年2月に向日市とJR西日本の間で協定を締結し、2022年12月より工事に着手している。
JR「向日町」駅の
新デザインのコンセプトとは
現在の向日市が位置する地域では、長岡京の条坊制の路、向日神社の参道、都市間をつなぐ西国街道など、古くから歩行空間の整備を実施。また、「向日町」駅は京都府内で最も歴史が古い鉄道の駅であり、今日まで多くの人々が利用してきた。
このような歴史的背景と、向日市および「向日町」駅のさらなる発展への願いを込めて、新しい自由通路・駅舎のデザインコンセプトを“明日のむこうにつなぐみち”と掲げられた。
西口広場の正面にあるガラスの箱状のデザインは、西国街道の要所に配置され、旅人を導く道しるべとしての役割を担う「常夜灯」を表現。「新しいみち」と「新しいえき」、さらにはこれからの向日市の「新しいまち」への道しるべとなることを期待してデザインされた。
JR「向日町」駅の東口を開設
京都府最高層の住宅棟も建設へ
現在進行中の自由通路と橋上駅舎は、2025年夏頃に西口の階段やエレベーター、駅舎の自動改札や券売機などの一部を供用開始。2026年冬頃には全面供用を開始する予定だ。

また、「向日町」駅周辺では、「JR向日町駅周辺地区第一種市街地再開発事業」が計画中。駅の東側に「東口」を開設するとともに、地上5階建ての商業ビルのほか、京都府内で最も高い128.5m、地上36階建ての住宅棟が建設される見通しだ。
さらに、「向日町」駅の東側には、日本電産株式会社(2023年4月より「ニデック」に社名変更)が2030年を目標に、本社ビル・第2本社ビル・グループ企業で形成する「ニデックパーク」の完成を構想している。
デザインや設備がリニューアルされるとともに、周辺エリアも着々と再開発が推し進められているJR「向日町」駅。今後も西日本最狭の市、向日市にあるこの駅から目が離せそうにない。
健美家編集部