西九州新幹線が開業する長崎駅。駅前には九州初のマリオットホテルが誕生

長崎と佐賀の武雄温泉との間を結ぶ
西九州新幹線が2022年秋頃に開業予定

九州の西海岸にあり、五島列島や壱岐島、対馬など、47都道府県のなかで最も島が多い長崎県。ハウステンボスや旧グラバー住宅、浦上天主堂など観光地に恵まれ、カステラやちゃんぽん・皿うどんといったグルメもたくさん。大手企業の工場など拠点も多く、観光・ビジネス客の往来は決して少なくない。

県の中核をなすのは、県庁所在地で中核市に指定されている長崎市だ。鎖国体制だった江戸時代には国内唯一の幕府公認の国際貿易港・出島があった港町で、いまも異国情緒が色濃く残る。

一方、1920年の第1回国勢調査では九州最大の都市で80年代まで人口は50万人を超えていたが、現在は人口減少が著しく、2021年12月1日時点の総数は約40万人。とりわけ、18年から19年にかけては4832人が減り、社会減としては全国の市でもっとも多かった。

背景として挙げられるのは坂の多さで、同市は住宅の適地が少ないため都市の規模に対して家賃