大分駅からおよそ徒歩10分
市役所や大分城址公園近くに新施設
大分県の中部にあり、同県の県庁所在地および最大の都市である大分市。九州では福岡市、北九州市、熊本市、鹿児島市に次ぐ規模を誇り、この10年、人口は約47万人で推移している。
まちの玄関口は日豊本線や久大本線、豊肥本線が乗り入れるJR大分駅。2015年には商業施設やレストラン街、シネマ、ホテル、温泉施設などからなる「JRおおいたシティ」が開業している。
駅の周辺は大分市市街地の中心部で、百貨店などの商業施設や行政機関、商店街が広がるが、そんなエリアの一角、大分市役所や大分城址公園の近くにある大分市立荷揚町小学校の跡地では、複合公共施設の建築が着工している。それが大分市による、「大分市立荷揚町小学校複合公共施設整備事業」だ。
同事業では、九州電力、東京建物、日本管財の3社が事業者として選定。共同で設立した特定目的会社・大分荷揚リンクスクエアが事業を推進する。
複合公共施設は延床面積約1万200㎡で7階建て。大分市の災害対策本部や大分県是内全域の119番通報を県下全消防本部と共同運用する消防指令センター、大分中央公民館、府内こどもルームなどが入る。
建物は鉄骨造で、中間免震構造を採用するとともに自然エネルギーも積極的に活用。環境配慮型施設の指標である「CASBEE Sランク」および「ZEB Ready」の認証取得も目指す。
また、土井内敷地内には広場空間と飲食店・物販店を組み合わせた立体交流広場(民間施設)と立体駐車場棟も整備。竣工・開業は2024年4月の予定。
少子化が影響し、全国各地の小学校で廃校が相次いでいるのはご存じの通り。福岡市の旧大名小学校跡地には2023年春に25階建て複合施設が誕生。高層階には「ザ・リッツ・カールトン福岡」が開業する。
同じく福岡市の簀子小学校では病院、高齢者施設、芝生広場、体育館などからなる施設を、医療・介護施設などを展開する桜十字グループとJR九州が共同で開発。2024年1月の開業を目指している。
神戸では廃校になった湊山小学校の校舎をリノベーションし、水族館やフードホール、ビール醸造所などが入った複合施設「NATURE STUDIO(ネイチャースタジオ)」が今年7月1日にオープン。京都市でもコンクリート造りの立誠小学校の校舎を使ったホテル「ザ・ゲートホテル京都高瀬川 by HULIC」が開業している。
文部科学省も廃校を活用する「~未来につなごう~ みんな廃校プロジェクト」を推進していて、子ども教育や子育て関連、庁舎、社会教育施設、大学関連施設、医療施設、工場、宿泊体験施設といった活用事例が報告されている。
今後も廃校は全国的に増えていくのは濃厚で、まちの再生を目的に跡地の活用も積極的に進んでいくだろう。広大な敷地をうまく活用することで人が集まり雇用が生まれ、近隣の住宅事情にも影響を及ぼすに違いない。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))