ビルの建て替えなどをきっかけにエリアを
リニューアルし新名所が続々誕生!
九州地方の玄関口かつ最大の都市として知られる福岡市。新幹線が乗り入れ、福岡空港もまちの中心部からほど近い。アジアとも密接につながっていて、今後は国際都市として発展することを期待されている。
まちは活気づいていて、それを示すかのように人口も増加。2000年に約134万人だったのが、直近では163万人を突破した。

現在、博多市では「博多コネクティッド」と「天神ビッグバン」の2大再開発プロジェクトが進められている。
前者は博多駅周辺で更新期を迎えたビルの建替えや駅前広場・周辺施設の整備事業で、2022年8月にはボウリング場「博多スターレーン」跡地に認定第1号のビル「博多イーストテラス」が竣工。
同物件は博多駅から徒歩5分の距離にある10階建てのビル。1階の商業エリアには個別空調を完備したセキュリティ付個室とオープンスペースによるスモールオフィス、カフェバー、屋上にはスカイデッキを設けている。カフェやキッチンカーの設置やイベントなどができる広場もあるようだ。
2022年3月からは「博多駅空中都市プロジェクト」も始動した。これは、博多駅の線路上空にオフィスやラグジュアリーホテルが入る複合ビルを建築する再開発計画で、2028年の竣工を目指している。

出所:JR北九州プレスリリース
規制緩和などを活用しビルの建て替えを促し、天神地区に新たな空間と雇用を創出するのが「天神ビッグバン」だ。
同プロジェクトでは国家戦略特区を活用した航空法高さ制限の特例承認を獲得し、かつ耐震性が高く感染症にも対応した先進的なビルへの建て替えを進めている。これまでの建築確認申請件数は59件(2015年2月〜2022年5月末)、竣工棟数は50件にのぼる(2022年5月末時点)。
「天神ビッグバン」の影響はすさまじく、2021年9月には「天神ビジネスセンター」が竣工し、2023年春には大名小学校跡地に商業施設やオフィス、「ザ・リッツカールトン福岡」が入居する「福岡大名ガーデンシティ」が誕生。以降も「HLC福岡ビル」「住生FJビル」などが竣工する予定だ。

出所:プレスリリース
2022年8月には「因幡町通り地下通路」が開通した。これは、地下鉄天神駅や福岡市役所市庁舎地下鉄通路、天神ビジネスセンターに接続する地下通路で、天井には不燃木ルーバーを用いてぬくもりのある空間を作り、隣接する周辺施設をバリアフリー動線でつなぐ。

出所:プレスリリース
今後も通路に隣接するビルの開発にあわせて各ビルと接続し、地下の歩行者ネットワークを強化。現在建て替え中の福ビルを挟むと「天神地下街」もあり、気候などに左右されない環境が整備される見通しだ。
エアライン、鉄道、バスといった交通アクセスが充実し、行政・ビジネス・商業施設も集積する福岡市中心部。近年は近隣だけではなく遠方、海外からも評価は高く、日本を代表するコンパクトシティのひとつにも数えられるようになった。
天神ビッグバンでは「アジアの拠点都市としての役割・機能を高める」としているが、実現しようとしていることは確かなこと。これに伴いエリアの価値も上昇していて、2022年9月に発表された地価調査によると、福岡県の上昇率は3.1%と2年連続で全国1位を記録している。今後も2つのまちづくりを背景に、さらなる成長・発展を遂げるだろう。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))