
開業目標は
2024年夏まで
会員制の大型スーパーを展開しているコストコホールセールジャパンは、2022年11月に沖縄県の南城市役所で住民説明会を開催し「コストコホールセールジャパン沖縄南城倉庫店(仮称)」の開業計画を明らかにした。
南城市とは、沖縄本島で那覇市の南東側・糸満市の東側に位置する市だ。那覇空港から40分前後のエリアであり、2022年末時点の人口は約4万6,000人となっている。

※引用:南城市
沖縄県の主たる産業は観光業であり、南城市も例外ではない。南城市内の観光資源としては、ビーチリゾートのほか世界遺産の1つである斎場御嶽(せーふぁぅたき)や、ニライカナイ橋などが有名だ。

南城市が発表しているデータによると、市内主要観光地の入域者数は2020年度・2021年度に落ち込んだものの、2022年度は前期2年間と比較して既に10万人以上増えている。
コロナによって南城市の観光産業は大きな打撃を受けたが、既に回復基調にあると言って良いだろう。
南城市民の多くは市内北部にある丘陵地から東側の海岸部と西部にかけて形成されている市街地に住んでいる。
コストコが出店するのは南城市内で南部に位置する垣花(かきのはな)というエリアで、琉球ゴルフクラブというゴルフ場に近接するところだ。

市内南部とは言えど、市街地の広がる佐敷から車ですぐ行ける場所にある。
那覇市内から車で行くとしても30分程度で着ける位置にあるため、開業すれば那覇市内からの利用者も多く集まるのではないだろうか。
なお、店舗の規模としては、店舗面積1万503uの平屋建てで720台分の駐車場を敷設することが予定されている。
店舗面積の広さとしては、千葉県にあるコストコ木更津倉庫店とほぼ同じだ。
また、コストコが開催した住民説明会では、300〜400人程度の従業員を雇用する想定であることが明らかになっている。
なるべく地元の市民に働いてもらうようにしたいという説明があったという。
400人という人数は南城市民の約0.8%に該当し、決して少ない数ではない。開業に合わせた地元での雇用促進に期待がかかる。

開業予定としては2024年夏までを目標にするという。なお、2023年中の開業も検討されていたが、造成工事現場で不発弾が見つかったことなどから工事の準備に遅れが出ている状況だ。
今後、地元の土地区画整理組合と土地の売買契約を締結し、2024年春過ぎの着工を目指す。
住民説明会では交通渋滞の懸念を示す意見もあったが、南城市はコストコの開業に対して協力姿勢を示している。
また、開業予定地の地権者も開業計画が進んでいることに肯定的な反応を示しているという。地元の反応も好意的と考えてよいだろう。
街の規模を考慮すると南城市内での投資は難易度も高いと思われるが、前述の通りコストコの開業予定地は那覇市内からも遠くない。
実際にコストコが開業すれば、那覇市民の生活利便性も高まると思って良いだろう。

言うまでもなく沖縄は日本国内のリゾート地として絶大な知名度を持っているほか、移住先としての人気も高い。
コストコの開業を沖縄における投資の契機としてみるのも良いのではないだろうか。
取材・文:
(はたそうへい)