
主要観光地への交通手段としても人気
沖縄で唯一の鉄道「ゆいレール」
2003年(平成15年)8月、沖縄で唯一の鉄道として誕生した「ゆいレール」(沖縄都市モノレール)。那覇空港の国内線ターミナルと直結する「那覇空港駅」から「てだこ浦西駅」を片道約40分で結ぶモノレールで、車窓から那覇・首里の街並みを眺めることができる、人気の路線である。

8分おきに運航されており、「県庁前駅」で下車すれば、全長約1.6kmにわたりお土産品店や雑貨店、カフェ、レストランなどが軒を連ねる観光ストリート「国際通り」へ。
「牧志駅」からは、沖縄のあらゆる食材が揃う公設市場「牧志公設市場」へアクセス可能。
また「おもろまち駅」は国内でありながら免税ショッピングが楽しめる「Tギャラリア 沖縄 by DFS」と直結している。
通勤・通学はもちろん、観光スポットへの移動手段としても重要な役割を果たす「ゆいレール」は、登場から約20年間の長きにわたって多くの人から愛されてきた。


朝夕の混雑解消に向けて3両編成へ
新車両も導入し利便性アップを図る
そんな「ゆいレール」だが、以前から朝や夕方のラッシュ時の混雑や遅延などが課題となっていた。
沖縄県によると、平成15年度には31,905人だった1日の平均乗客数は、平成31年度に55,766人に増加。その後コロナでやや低迷するものの、令和4年度には45,624人まで復活しているという。「乗客数の推移(2023年2月末日現在)より」
コロナ禍が落ち着き、国内の観光需要およびインバウンド需要が本格化すれば、さらに利用者が増加することも想像に難くない。「ゆいレール」を運営する沖縄都市モノレール株式会社は、そんな未来を見越して現在、2両編成の「ゆいレール」を2023年度中に3両編成に増強する計画を推し進めている。
3両編成化に伴い導入される新車両は山口県の製造工場で作られ、1月に沖縄に到着済み。新車両の1編成の長さは現在の1.5倍の42.4mで、定員は1.5倍の251人に増えるという。
2月5日には、3両編成化に向けた新車両の試験走行を実施。さらに同月8日に最新車両のお披露目会も実施し、3両編成化計画に向けて、着々と歩みを進めている。

3両編成化に伴う各駅の可動安全柵設置工事や駅舎改修工事なども進められており、駅舎ごとの工事については、2023年4月下旬までに完了する予定となっている。
また、ホームドア設置工事における安全対策については、「牧志駅」から「小禄駅」までの8駅ですでに工事が完了しており、残りの「美栄橋駅」の工事は令3月1日〜18日、「赤嶺駅」の工事は3月23日〜4月8日に完了する予定だという(2月6日時点)
3両編成化によりさらなる輸送力・利便性アップが期待される「ゆいレール」。アフターコロナ時代を迎えつつある沖縄の経済活性化および、観光客誘致に大いに寄与してくれることだろう。
健美家編集部(協力:
(さいとうかずみ))