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TSMC第3工場も!?半導体バブルで熊本・菊陽町はどう変わったか?

都市計画・再開発(地域情報)/福岡/九州・沖縄 ニュース

2024/06/18 配信

TSMC熊本半導体工場(JASM)(熊本県菊陽町で筆者撮影)
TSMC熊本半導体工場(JASM)(熊本県菊陽町で筆者撮影)

元々は農畜産業が盛んで、人参の生産量は西日本でもトップクラスだったという菊陽町。のどかな農業の町が半導体バブルでどう変わってきたのか。菊陽町の今を取材した。

熊本県のほぼ真ん中に位置する人口約43000人の菊陽町。熊本市から車で30分、福岡市からは100分と微妙なアクセスだが、国際線も発着する阿蘇くまもと空港からは車でわずか10分の好立地だ。

羽田空港から約2時間、昨年完成したばかりの新ターミナルビルに降り立つと、ゲートにはビジネス客の出迎えの人垣ができている。出張者らしき人々が列をなしているタクシー乗り場を横目にレンタカーの手続きに向かうと、周りは中国語を話す観光客だらけ。

レンタカー会社のスタッフによると、TSMCの進出によって台湾を中心とした中国語圏で「熊本」の知名度が上がり、ビジネス客以上に観光客が増えているという。

レンタカーで空港を出て国道を走っていると、5分も経たずに田んぼや牛舎の先の丘の上に巨大な工場がそびえ立つのが見えてくる。敷地面積23ヘクタールのTSMC工場だ。

田んぼの先にそびえ立つTSMCの工場(筆者撮影)
田んぼの先にそびえ立つTSMCの工場(筆者撮影)

公益社団法人九州経済調査協会が昨年末に発表したレポート「九州における半導体関連設備投資による 経済波及効果の推計」によると、2022年からの10年間で進出企業数はTSMCなど90社、雇用は1万人以上にのぼり、6.85兆円もの経済波及効果が熊本県内に生じるとしている。

これには先に発表されたTSMC第2工場は含まれていないため、実際の経済波及効果はそれ以上になることは間違いないだろう。

菊陽町に隣接する大津町では賃貸マンションの建設ラッシュが続いている。同町では10階建て以上のマンション10棟以上が建設中または建設予定で、まさにバブルの様相を呈している。

LIFULL HOME’S PRESSの調査によると、2023年第3四半期(7~9月)にLIFULL HOME’Sに掲載された、新工場周辺の新築賃貸物件の平均賃料は10.36万円。TSMCの工場進出が発表された当時(2021年第4四半期)の5.99万円から72.9%上昇し、約1.7倍の賃料になったという。

菊陽町に隣接する大津町ではマンション建設ラッシュが続いている
菊陽町に隣接する大津町ではマンション建設ラッシュが続いている(筆者撮影)

台湾を中心に国内外からすでに多数の工場関係者、建築関係者が菊陽町付近に移住を進めているため、バブルの影響は近隣の飲食、商業施設にも波及している。

ある中華料理店ではランチ価格が1200~1500円と東京都心並みにも関わらず、満席状態。海鮮料理店では、TSMC関係者夫人の集まりだろうか、中国語の女性グループが2000円以上のランチを優雅に楽しんでいた。

だが、なによりTSMCバブルの恩恵を受けているのは、土地所有者だろう。

菊陽町や周辺自治体の農地の多くは、新たな建築を極力抑える「市街化調整区域」となっているため、本来ならば農地以外への転用は難しい。にも関わらず、公示地価変動率ランキングで2年連続全国トップとなった大津町をはじめ、菊陽町の周辺自治体では農地売却の動きが加速しているという。

地元の不動産業者によると、福岡や東京などの大都市圏の同業者からの問い合わせも多く、一部では地上げのような動きも見られるという。

キャベツ畑など農地に囲まれたTSMC第一工場。周辺にはまだまだ開発の余地がある(筆者撮影)
キャベツ畑など農地に囲まれたTSMC第一工場。周辺にはまだまだ開発の余地がある(筆者撮影)

菊陽町のJR豊肥線原水駅と2027年度に開業予定の新しい駅付近の約70ヘクタールの土地では、大規模な土地区画整理事業も計画されている。

計画地も市街化調整区域のため、住宅や店舗などを建設できる市街化区域に編入する都市計画の決定を行い、地権者への説明を行った上で、2028年度から事業を開始するという。

計画地には商業施設やホテル、マンション建設が予定され、人口増加に町を挙げて対応していく。第2、第3工場の建設まで見据え、菊陽町と周辺自治体の発展は、破竹の勢いを続けそうだ。

健美家編集部(協力:大崎良子(おおさきりょうこ))

大崎良子

■ 主な経歴

全国紙、大手デベロッパー勤務を経て、不動産ライターに転身。
三代続く不動産投資好き。地方都市の一棟アパートや山林投資を主戦場にしてきた親世代と異なり、都心の区分マンションを中心に投資を続けている。
アメリカを中心に海外不動産にも造詣が深い。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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