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【どうなる?2025年大阪・関西万博 前編】空飛ぶ車、ロボット…夢の計画、大阪がより賑わう街に?

都市計画・再開発(地域情報)/大阪 ニュース

2021/02/12 配信

「基本計画」発表、万博を未来技術の「ショーケース」に
会場は人工島「夢洲」 期間は25年5月3日~11月3日

2025年大阪・関西万博の運営主体である日本国際博覧会協会が昨年12月、万博の事業内容や会場デザインに関する「基本計画」を発表した。

会場を、未来社会の革新技術を示す「ショーケース」と位置付け、産官学が連携して、「空飛ぶ車」や自動運転、ロボットといった技術を展開するとした。

ワクワクするようなこれらの技術を実現し、多くの来場客を呼ぶことにつながれば、並行して誘致を目指す統合型リゾート施設(IR)とあわせて活況を生み、大阪を有望な不動産投資の対象にすりとの期待は高い。

問題は新型コロナウイルスの感染拡大で、一刻も早く収束させて、工事を遅れず進めることなどが重要になる。

人工島・夢洲(大阪市此花区)に展開する万博会場の予想図。万博の基本計画から
人工島・夢洲(大阪市此花区)に展開する万博会場の予想図。万博の基本計画から

咲州方面から見た万博会場予定地の夢洲=2021年2月7日
咲州方面から見た万博会場予定地の夢洲=2021年2月7日

万博の期間は25年5月3日~11月3日。会場は大阪市此花(このはな)区の人工島・夢洲(ゆめしま)で、面積は155ヘクタールとなっている。

会場には環状の大屋根を配置。中央に森を置き、周辺に参加国によるパビリオンやテーマ館を置く予定だ。日本館や、大阪府市が協力しる大阪館なども出る。

基本計画では「万博会場を未来社会のショーケースに見立て、先端的な技術やシステムを取り入れることで、未来社会の一端を実現することを目指す」とした。

具体的には、以下のような事業を想定している。

万博の基本計画から
万博の基本計画から

まずは、ドローンの技術を使って人を乗せ空中を移動する「空飛ぶ車」。場内に離着陸用のスペースを設けるという。

一人一人の移動ニーズに対応し、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて一括で検索、予約、決済などを行えるサービス「MaaS」や自動翻訳などの技術も展開する。

第5世代(5G)移動通信システムのさらに先を行く6Gについても、NNTT西日本の小林充佳社長が報道機関のインタビューに対し、万博会場で展開することを明らかにしている。

日本は今後、150カ国の招致を目標に、国際社会への呼びかけを進めていく考えだ。

大阪メトロ中央線を夢洲に延伸、沿線開発に期待
「うめきた2期」も着工、なにわ筋線は関空と新大阪結ぶ

では、万博の実現によって、不動産投資にはどんなメリットが考えられるだろうか。

一つは、鉄道沿線などの再開発が進み、住む人が増えたり企業がオフィスを構えたりして賃貸需要が拡大する可能性があることだ。

まず、大阪メトロ中央線が、人工島・咲州(さきしま、大阪市住之江区)にある終点・コスモスクエア駅から海を渡って、夢洲に新駅を作る計画となっている。

万博が終わっても、IRが予定通り夢洲にオープンすれば、IRで働く従業員のための賃貸需要や、大阪・関西への国内外からの観光客の宿泊需要が高まるはずだ。

中央線だけでなく、接続するほかの鉄道の沿線でも、マンションやホテルが建設される動きが加速する可能性がある。当然、夢洲周辺の湾岸エリアも、栄えるだろう。

一方、万博にあわせて進む大阪のほかのエリアの再開発も人や企業を呼び込みそうだ。

昨年12月にはJR大阪駅北側の再開発区域「うめきた2期」(大阪市北区)事業が着工した。うめきた2期の広さは約16ヘクタール。都市公園を中心に南北2つの街区からなり、まずは南側から地盤強化の工事が始まった。この南側には、国際会議や展示のための施設、ホテル、オフィス、マンションなどが建設される。

うめきた2期のイメージ図。うめきた2期地区開発プロジェクトの公式サイトから
うめきた2期のイメージ図。うめきた2期地区開発プロジェクトの公式サイトから

うめきた2期地区開発プロジェクトの公式サイトから
うめきた2期地区開発プロジェクトの公式サイトから

うめきた2期は万博直前の24年夏ごろの先行開業が予定されている。参画するのは三菱地所、オリックス不動産、阪急電鉄などの企業連合だ。

万博より後になるが、31年春の開業を目指し、大阪市を南北に縦断する新しい鉄道路線「なにわ筋線」の工事も進められる。関西国際空港と新大阪がつながることになり、人の流入が加速するとみられる。

なにわ筋線の路線図。JR西日本のサイトから
なにわ筋線の路線図。JR西日本のサイトから

夢洲は現在、コンテナと空き地の「物流島」
万博会場工事はこれから、コロナ収束に期待

では、万博会場の夢洲そのものは、今どうなっているのだろうか。2月上旬、足を運んでみた。

夢洲の万博会場予定地。まだ本格的な工事は始まっていない
夢洲の万博会場予定地。まだ本格的な工事は始まっていない=2021年2月7日

現在、夢洲は物流施設のための島となっており、商店街や人が住む家はない。徒歩や自転車では渡れず、車やバイクのみ可能だ。自家用車がなければ、バスを利用するしかない。

咲州にある大阪メトロ中央線の終点・コスモスクエア駅前から北都観光バスに乗車した。海底トンネルを抜けて夢洲に上陸し、どこにも通らずいったん、夢洲大橋を渡って舞洲に出る。

いくつかバス停に止まった後、また夢洲大橋を通って夢洲へ戻り、唯一停まるバス停「夢洲コンテナターミナル前」で降りた。

夢洲側からみた夢洲大橋=2021年2月7日
夢洲側からみた夢洲大橋=2021年2月7日

バス停の名前通り、降り立った場所からみて北西から南西にかけての海沿いは、コンテナターミナルになっている。巨大なコンテナがずらり山積みになっている光景は、迫力があり壮観だ。

海沿いには巨大なコンテナが並ぶ=2021年2月7日
海沿いには巨大なコンテナが積み上げられている=2021年2月7日

車道を渡って東側には、夢洲唯一のコンビニエンスストアがある。さらに向こう側の車道を超えた東側には、草の生い茂った広大な空き地が広がっている。万博の会場予定地で、まだ何の施設もたっていない。海に囲まれている上に遮蔽物がなく、常に強い風が吹き付けてくる。折からの雨模様もあって、身が凍えるように寒い。

コンビニの前にはズラリと大型車が並ぶ=2021年2月7日
コンビニの前にはズラリと大型車が並ぶ=2021年2月7日

コンビニに入って万博の工事の状況を聞いてみることにした。車道には歩行者用の信号機がほとんどない。しかし、車の交通量は多く、しかもけっこうなスピードで飛ばしているので、車道を渡るときは冷や冷やだ。

コンビニ前の広い駐車場にズラリと大型のトラックやトレーラーが並んでいる様子は、「物流島」夢洲ならではの光景だろう。

車道には歩行者用の信号がほとんどなく要注意=2021年2月7日
車道には歩行者用の信号がほとんどなく要注意=2021年2月7日

温かいペットボトルの紅茶を買うついでに、レジの男性店員に聞いてみた。

「コロナのせいか、なかなか本格的な工事が始まらず、止まっていますね。早く始まってくれるといいんですが。万博の開催で利益がたくさん出ることを期待しているかって?それは期待していますよ」

夢洲の開発を早く緒に就かせるためにも、新型コロナをいち早く収束させることが重要だ。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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