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大阪北区・中之島で2024年に巨大メディカルセンターが誕生。キタの進化はどこまで続く?

都市計画・再開発(地域情報)/大阪 ニュース

2022/03/17 配信

最先端の医療を提供するだけではなく
関連企業や医療ベンチャーが集積

大阪・キタ(北区)といえば、近年は再開発が活発なエリア。現在も複数のプロジェクトが進行する中、「(仮称)中之島4丁目未来医療国際拠点整備事業」はその名の通り、「未来医療」にフォーカスした再開発として注目を集めている。

中之島は大阪市北区にある堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲のエリア。超高層ビル群や大阪市中央公会堂などの国の重要文化財が建ち並ぶ。
中之島は大阪市北区にある堂島川と土佐堀川に挟まれた中洲のエリア。超高層ビル群や大阪市中央公会堂などの国の重要文化財が建ち並ぶ。

同事業は、国土交通省が都市再生事業計画として認定されたもの。これにより、金融支援や財政上の特例措置などの支援が受けられるのが特徴だ。

都市再生事業計画自体は今年3月8日時点で147件が認定されていて、直近であれば「(仮称)殿町プロジェクト4新築工事」(神奈川県川崎市)や「天神一丁目11番街区建替プロジェクト」(福岡県福岡市)などが含まれる。

中之島の事業は、都市再生緊急整備地域および特定都市再生緊急整備地域のエリアにおいて、未来医療の実用化・産業等を推進する国際拠点を形成するというもの。地上17階・高さ86m、延べ床面積5万4972㎡のビルに医療施設(病院、クリニック)、オフィス、インキュベート施設、カンファレンス施設などを一体的に整備し、再生医療関連などの医療機関、企業、スタートアップ、支援機関が集まることで再生医療をベースとしたゲノム医療やAI、IoTの活用を加速させるのが狙いだ。

最先端の未来医療の産業化、国内外の患者への提供により国際貢献に寄与し、拠点の形成により多様な人材や最新情報が集まり、中之島地域の国際競争力の強化、都市再生の推進も貢献する。

(仮称)中之島4丁目未来医療国際拠点整備事業のイメージ、計画地、概要図。工事はすでに着工していて、2024年1月に竣工予定。 出所:プレリリース
(仮称)中之島4丁目未来医療国際拠点整備事業のイメージ、計画地、概要図。工事はすでに着工していて、2024年1月に竣工予定。
出所:プレリリース

最先端医療を提供する医療機関や開発に携わる企業、支援機関が一体に集まる施設は全国初で、全体の運営は未来医療推進機構が担う。

加えて、今年2月に開館した大阪中之島美術館と接続する歩行者通路を整備して地域の回遊性を向上させ、カンファレンスセンターの整備と中央緑道沿いの交流空間を形成して賑わいを創出、河川水を利用した地域冷暖房システム等省エネルギー技術を活用して環境負荷も軽減させるという。

事業の計画地は、京阪中之島線の渡辺橋駅と中之島駅の、ほぼ中間地点。同線は2008年に開業したが、1日あたり7万人超と言われていた需給予測に対して、実際は3万人前後と利用は低迷しているのが現状だ。

リーマンショック後の経済低迷で再開発が遅れたり、沿線に繁華街が少ない、接続路線が少ないのが理由とされているが、近年はさまざまな施設が建ち並び、今ではビジネスや芸術拠点として知られるエリアに成長している。2031年にはなにわ筋線の中之島駅が開業する予定で、アクセスは大きく改善する見通しだ。

近隣では「うめきた2期」「大阪梅田ツインタワーズ・サウス」「梅田曽根崎計画(仮称)」「梅田3丁目計画(仮称)」など、大規模な再開発プロジェクトも進行中だ。数年後、キタは見違えるほどまちの景観が変わり、日本有数のビジネス・商業・繁華街になるに違いない。

一方、2025年に竣工予定の「東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発事業」では、日本医科大学による「(仮称)日本医科大学 八重洲健診センター」を開設することが、今年2月に決定。

大規模ターミナル駅の東京駅の至近であり、国際空港直結のバスターミナルや国際ビジネス交流拠点の立地といった地域特性を生かし医療サービスを提供するとともに、外国人にも対応した予防医療や初期診療を実施する方針だ。

野村不動産による「郡山駅前一丁目第二地区市街地再開発事業」(福島県郡山市)でも、共同住宅と医療施設(健診・透析センター)からなる複合開発を計画していて、こちらも2025年の竣工を目指している。

郡山駅前一丁目第二地区市街地再開発事業」の計画地。好立地の駅前に住宅と医療施設を整備することで、中核都市におけるコンパクトシティの実現を目指す。 出所:プレリリース
郡山駅前一丁目第二地区市街地再開発事業」の計画地。好立地の駅前に住宅と医療施設を整備することで、中核都市におけるコンパクトシティの実現を目指す。
出所:プレリリース

これらの事例からわかるように、近年は再開発事業で医療機関の導入が相次いでいる。かつて、病院といえば駅から遠く、不便な場所に建っていることが多かったが、今ではアクセスの良い場所に新規開設・移転するケースが目立つ。

コロナ禍前まではインバウンドによる医療ツーリズムが流行り、今後は人口動態の変化に伴う都市機能の集約化が大きな課題だ。日本の医療技術の国際的なプレゼンスの発揮、地域住民の利便性の観点から、こうした取り組みはさらに増えていくかもしれない。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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