1976年誕生の大阪マルビルが
半世紀目前で建て替え
5月中旬のプレスリリースにて、大和ハウス工業株式会社と株式会社大阪マルビルは、ホテルや飲食店などで構成される大阪・梅田の複合ビル、「大阪マルビル」の建て替え計画を決定したと発表した。
JR「大阪」駅から徒歩約3分の場所にある大阪マルビルは1976年4月、当時の最先端技術を結集し、日本初の円形超高層ビルとして誕生。話題性のある商業施設が入居し、情報発信基地としての機能も果たすなど、大阪のランドマーク的存在だった。
しかしながら、50年近くを経過し、建物・設備の老朽化、そして周辺施設との競争力の低下という課題が浮き彫りとなっていた。そこで、大和ハウス工業と大阪マルビルは、施設の建て替えを決断。より質の高い商品やサービスを提供できる大阪の新たなランドマークとして刷新に踏み切る。
今後の大阪マルビルについては、関係者との協議を進めていくとのことだが、2023年夏頃から解体工事に動き、2030年春の完成を見据えている。
大阪マルビル解体工事後は、万博用の
バスターミナルとして敷地を提供
現在、「大阪第一ホテル」をメインに、飲食店や物販店舗など35のテナントで構成されている大阪マルビルだが、施設の刷新とともにこれまでなかった新たな機能が追加する予定だ。
建て替え計画では、地上30階建て、高さ約123mという現状の建物からさらに高層化する予定。そのほか、多目的に利用できる大型ホールや高機能オフィスの設置など、にぎわい創出の場、文化交流の場としての役割を果たすという。
ちなみに、大阪マルビルの解体工事後の活用方法としては、大阪・関西万博が開催される期間ということもあり、2025年4月13日から10月13日までの期間中に、万博会場にアクセスするバスターミナルとして敷地を暫定的に貸し出す模様だ。
国内はもちろん、世界中から訪れる万博来場者の交通手段の一つであるバスのスムーズな運行をサポート。敷地内には仮設の待合スペースを設置するとともに、バスの発着場や待機場なども設け、来場者の安全で快適な移動を支援していくという。
再開発エリアの梅田で新たな姿を見せる
「新・大阪マルビル」に期待
「大阪駅」北側の大規模再開発プロジェクト「うめきた2期」や、旧大阪中央郵便局跡地の再開発「梅田3丁目計画(仮称)」など、再開発ラッシュが止まらない梅田。
大阪の超高層ビルの先駆けとして、その円筒形のユニークな形状とオレンジ色の外観で長く愛されてきた大阪マルビルも、再開発の波にのみ込まれる格好となった。その一方、新たなに生まれ変わる「新・大阪マルビル」がどのような存在感を示してくれるのか、期待も大きい。今後の展開から目が離せない。
健美家編集部