
2023年3月、JR「大阪」駅に
地下ホームと2つの新改札口が誕生
現在、「うめきた2期地区開発事業(仮称)」を中心に、大規模な再開発が進められている大阪・梅田。その主要開発地に新設するJR「大阪」駅の地下ホームと、その改札口にあたる「うめきた地下口」、既存のJR「大阪」駅の西側に設置する新改札口「西口」が、2023年3月に同時供用される。
今回新たに設置される、うめきたエリアの地下ホームは2面4線。既存のJR「大阪」駅とは新設される「西口」を経由し、改札内の地下連絡通路で結ばれる。
この新改札口の工事は、中央郵便局跡地などで行われている他の再開発とリンクして進められており、JR「大阪」駅のにぎわいをより西側へと広げる目的もあるという。
懸念される混雑に
JR西日本が打つ対策とは?
新しい地下ホームや新改札口が一般供用される2023年3月には、ダイヤ改正も実施。これにより滋賀県と関西国際空港を結ぶ特急「はるか」と、京都府と和歌山県を結ぶ特急「くろしお」が、JR「大阪」駅のうめきたエリアに停車するようになる。
また、JRおおさか東線も「新大阪」駅から「大阪」駅までの乗り入れ開始を発表。JR「大阪」駅を起点とする交通アクセスがさらに便利になる一方で、混雑の悪化が心配される。
この課題に対し、JR西日本は新しい改札機の実証実験を新改札口の供用と同時に、まずは「大阪」駅うめきた地下口と「新大阪」駅東口の間で試行するようだ。

新しく導入される予定の改札機は、従来のICカード改札機とは異なり、事前登録する顔画像で本人を特定する顔認証改札機。これにより、まるで空港のセキュリティーゲートのように、ゲートがない改札を立ち止まらずに通り抜けられるという。
そのほか、今後さまざまな車種が入線すると予想される地下ホームには、世界初のフルスクリーンホームドアも先行導入する模様。サイネージによる乗車位置案内などを常時行い、利用者が迷わず乗車できるように工夫するようだ。
うめきたエリアに導入される
最新設備と周辺の開発状況

JR「大阪」駅の北西に広がる貨物ヤード跡地では「うめきた2期地区開発事業(仮称)」が進められており、「うめきた地下口」はそのエリアの最寄りとなる。さらに2024年には、「西口」に直結する39階建ての超高層ビルも建設予定だ。
2025年には、3階建ての駅ビルと駅前広場が、2031年にはJR「大阪」駅を起点として大阪中心部の南北をつなぐJR「なにわ筋線」が開業予定。駅構内や周辺の商業施設に人が集まることが期待される。
JR西日本はJR「大阪」駅のうめきたエリアを、イノベーションの実験場「未来駅」として位置づけ、今後、AI自動応対機能を搭載した「みどりの券売機プラス+AI」や、「AI 案内ロボット」、目的地までの経路を音声で案内する「視覚障がい者向けナビゲーションシステム(shikAI)」を導入するなど、これまでにない新しい体験を提供するという。
これまでにない駅として進化を続けるJR「大阪」駅と、その周辺事業から、今後も目が離せない。
健美家編集部