都内屈指の人気「田園都市線」
「災害リスクの低い駅」はどこだ
東急田園都市線といえば都内有数の人気路線。平日朝の乗車率の高さなどでも知られる。沿線エリアは、単身もファミリーも賃貸需要が大きい。

田園都市線は「渋谷駅」から神奈川県大和市「中央林間駅」までの31.5kmを結んでいる。「三軒茶屋駅」「二子玉川駅」などブランド力の高い駅も多い。
この沿線を「災害リスク」の観点から分析した場合、安全性が高い駅はどこか。
国内屈指のホームインスペクション診断実績を誇る「さくら事務所」のホームページにて、だいち災害リスク研究所所長・地盤災害ドクターの横山芳春氏によるコラム「東急電鉄田園都市線の災害リスクが低い駅ランキング」が公開された。その内容の一部をご紹介する。
田園都市線沿線の特徴は起伏に富んでいる点である。谷底低地と丘陵地帯の両方を通っており、駅ごとの標高差も大きい。
「多摩川を超えて多摩丘陵の丘陵地に至ると、線路を周囲より低くした掘割状の場所に通したり、高いところはトンネルで横切ったり、また途中の谷地は高架となっているなど、起伏豊かな区間が多い。境川を超えると相模台地の平坦地に入る。全体として変化が大きいのがこの路線の特徴」と横山氏。
水害リスクが低い「浸水想定区域外」の駅は9つ
田園都市線【水害低リスク推しステーション】
近年の歴史的な豪雨災害の影響もあり、水害リスクに関心が高まっている。この起伏に富んだ田園都市線沿線において、水害リスクが低い駅はどこか。
横山氏が、各市区が公開している水害に関するハザードマップ(洪水、内水氾濫が別の場合はそれぞれを確認して最も大きな浸水深のマップを使用)から読み取った結果は以下である。

「標高の低い低地ではなく、高台に位置する台地や丘陵地の浸水リスクの低さが際立つ」と横山氏は解説する。
田園都市線【地震の揺れやすさ低リスク推しステーション】
トップは「鷺沼駅」と「たまプラーザ駅」
続いて、地震のリスクが相対的に低い駅はどこか。
国立研究開発法人防災科学技術研究所が公開する地震ハザードステーションJ-SHIS Mapより、250m×250mメッシュで地盤の揺れやすさと地震の起きやすさから算出されている「今後30年間に震度6強以上の揺れに見舞われる確率」の数値(%)および、「その場所の地盤の揺れやすさ」を示す地盤増幅率をもとに集計した結果が以下の図である。

「いずれも丘陵地か台地に位置し、比較的地盤が安定しているため揺れが小さい。
ただし、これらの駅の近傍でも、高低差のある敷地などでは盛土などで部分的に揺れやすい地盤の地域もある。
例えば、梶ヶ谷駅からすずかけ台駅の間の多摩丘陵地帯は起伏が大きく、盛土造成地に該当していないかチェックが必要」と横山氏。
以上の結果を踏まえると、水害・地震のリスクが相対的に低い「災害低リスク推しステーション」は「鷺沼駅」となる。
ベッドタウン「鷺沼駅」の住みやすさはお墨付き
駅前再開発がスタートし、街が若返る
「鷺沼駅」は川崎市宮前区にある。周辺はなだらかな丘陵地帯で、緑と調和した住宅街が広がる。
駅前には東急ストアをはじめとする商業施設や、飲食店、美容室、銀行などがあり、生活インフラも充実。坂の多さがマイナス視されることもあるが、住みやすい街として都心部に通勤するファミリー層などに人気がある。

駅周辺は再開発も進行中だ。「鷺沼駅」周辺は施設・機能の大きな更新がなく、建物の老朽化が進んでいた。
再開発事業により商業、都市型住宅、文化・交流など都市機能集積や、交通広場整備による交通結節機能の強化をはかる。
目玉は駅前街区に建てられる施設建築物。地上37階、高さ約146mで、商業施設、市民館、図書館、都市型住宅、駐車場等の機能を備える。
東急田園都市線の準急・急行も停車
朝のラッシュを回避できれば通勤は快適
不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’Sによると、2021年9月現在で、家賃相場は「鷺沼駅」周辺のワンルームは平均5.59万円となっている。1LDKで平均11.42万円、ファミリー向けの2LDKは平均11.75万円、3LDKは平均15.88万円。
準急・急行が停車するため、渋谷寄りの「宮崎台駅」「宮前平駅」よりやや高く、中央林間寄りの「たまプラーザ駅」よりやや安い。
都心へのアクセスは優れている。渋谷駅まで約25分、新宿まで約40分、品川駅まで約40分。朝のラッシュを回避できれば、通勤しやすい。
田園都市線の準急・急行停車でファミリーに人気。再開発も進行中で、しかも災害リスクも相対的に低いとなると、「鷺沼駅」は不動産投資家にとって目が離せないエリアになりそうだ。
健美家編集部(協力:外山武史)
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