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川崎市、登戸・向ヶ丘遊園駅周辺の土地区画整理事業が大詰め

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2021/09/29 配信

登戸駅

アクセス良好、家賃も手ごろだが、
生活環境の利便性が課題の「登戸・向ヶ丘遊園」

川崎市多摩区に位置するが、多摩川を挟んで東京都に接する「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地域」。特に登戸駅は、JR南武線と小田急線が交わり、小田急の快速急行も停まる。新宿まで乗り換えなしで20分弱、渋谷にも約20分と都心へのアクセスは良好である。

家賃相場も、ワンルームで5.68万円、1DKで6.79万円、2DKで9.29万円と手ごろである(LIFULL HOME‘S 登戸駅家賃相場)。

ただし、現在、登戸駅周辺にはマルエツ、オーケーなどの小規模なスーパーがあるのみで、買い物便はあまり良いとはいえない。隣りの向ヶ丘遊園駅までは歩くと10分程度かかるが、そこまで行けば品揃え豊富な東急ストアやライフがあり、飲食店も立ち並んでいてそれほど不自由はしないだろう。

このように、アクセスは良いものの、大規模なショッピングモールなどが少なく、生活便に課題があるのが現在の「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地域」の特徴である。

地域生活拠点としてのまちづくりを目指し、
区画整理事業がおこなわれてきた

川崎市は、昭和63年9月から、「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地域」37.2ヘクタールの都市区画整理事業を始めた。この地域は、かつて宿場町として栄えたり、向ヶ丘遊園という遊園地があって賑わった地域であり、その当時は、住宅が密集して道路も狭く、下水道も未整備であった。そこで、まずは生活の基盤となるインフラを整備することが目標に掲げられた。

整備が予定されていた主なインフラは、幹線道路6路線、駅前広場2か所、公園3か所である。

区画整理事業にあたっては、移転対象建物が多く、商店街を含む地区を中心に事業を進めていたため、整備効果の高い箇所を優先したり、エリアごとにまとまって移転する方式を採用したり、など工夫しながら進められた。

また、平成19年度からは、各町内会の「まちづくり推進協議会」の提言を参考にしつつ、地区ごとに適切な土地利用を配置するために適宜、用途地域の変更などをおこなってきた。土地利用の計画図では、小田急線沿線のエリアを、駅前地区、連携地区として中心商業地やそれらに準ずる地域と位置づけ、歴史のある旧街道沿いの地区を、界隈商業地区、住宅地区などとして、土地利用を誘導している。

出典:川崎市
出典:川崎市

令和3年9月現在の進捗状況

令和2年9月に、最後の集団移転エリア(34街区)の移転に着手した。集団移転が完了したエリアでは、順次、区画整理後の土地引渡しをおこない、新しい戸建や集合住宅などの建築工事がおこなわれている。実際に、登戸駅前から向ヶ丘遊園駅前の区画整理エリアを歩くと、真新しいマンションや商業ビルがあちこちに立ち並んでいるが、まだ建設中のものが多く、空き地も目立つといった状況だ。

登戸マンション建設中
登戸2号線沿いには建設中のマンションや空き地が多い

令和3年7月には、小田急電鉄とのミライノバプロジェクトがスタート、駅前に賑わいをつくることを目的とし、市管理用地を利用して、イベント開催やキッチンカー等の出店を推進している。既に登戸駅前の空き地にはキッチンカーの出店があった。

登戸キッチンカー
登戸駅前空きスペースに設置されたキッチンカー

令和3年8月には、1~3号公園の基本計画が決定された。多摩川沿い2,500㎡の1号公園は緑豊か、2号公園には多目的利用が可能な広場を設置、登戸駅に近い3号公園は登戸の顔になるような空間を作ることが計画されている。

1号公園
1号公園

令和3年9月現在の区画整理事業の進捗は、下図のようになっており、区画整理は94%完了し、建物の移転も83%が終了しているという状況でいよいよ大詰めになって来ている。

しかし、登戸駅前から向ヶ丘遊園駅前まで歩いた印象では、まだ空き地や建設中のマンションなどが多く、駅周辺の街並みはこれから形成されるといった感じである。特に、川崎市が「登戸・向ヶ丘遊園駅周辺地域」の象徴として開発を進めている「登戸2号線沿道」のまちづくりがまだ計画段階であることが影響している。

出典:川崎市
出典:川崎市

登戸2号線「道路空間利活用」体験会に参加

令和3年9月22日から9月26日にかけて、登戸2号線の「道路空間利活用」体験会が実施された。

現在、建設中の登戸2号線を開放し、植栽や、ベンチ、テーブルなどを設置して活用例を演出、どのような道路構成・使い方が魅力的なのか、訪れる人々の意見を集めるというイベントである。

たとえば、歩道と道路の間に、多目的に利用できる憩い空間を設けるにあたり、その憩い空間の幅を均等にするのがよいか、不均等にするのがよいか、についてアンケートを採っていた。

出典:川崎市
出典:川崎市

登戸2号線沿いには、「多彩な人々を引き寄せ、人々が楽しみ、憩う通り」というコンセプトの下、通りに対して開放的な建物を建設し、あらゆる世代が滞在し楽しめるようなテナントを誘致する予定であるという。

江戸時代、現在の相模原市緑区の津久井地方で産出した絹を江戸へ送るシルクロードとして栄えた津久井道の賑わいを取り戻したいとの思いもあるという。当時の地権者の子孫もまだ残っており、現在、古くからの地権者と市が協力して、計画を進めている状況である。令和8年3月にはすべての事業を終える予定だという。

登戸地区は、2020年の時点でも人口が継続的に増加しており、生産年齢人口の割合も75.6%と比較的高い地域である。

現在がまだメインとなる商業ビルやマンションなどがほとんど建っていない状態であるだけに、完成後の登戸・向ヶ丘遊園駅周辺の活況が楽しみである。

取材・文 佐藤永一郎

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※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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