2023年春に
開業予定
JR東日本は、東京駅から千葉県蘇我駅までの間を結ぶ京葉線について、海浜幕張駅と新習志野駅との間で、新駅の建設工事を進めている。

新駅は2023年春に開業の予定で、JRは2020年7月から本格的な工事に着手した。
新駅建設の費用は、JRと「新駅設置協議会」とが折半して負担することになっている。
新駅設置協議会の構成員は、イオンモール株式会社が代表である地元企業と千葉県・千葉市だ。
新駅の開業はイオンにとって特に恩恵が大きいことからか、地元企業が全費用の半分を負担する区分になっている。

2021年現在では、海浜幕張駅とイオンモールとを結ぶ路線バスが通っており、バスを利用するイオンモールの利用客は多い。
バスを利用して海浜幕張駅とイオンモールとの間を移動する場合は、運賃が片道100円に割引されるなど、現状ではバスの利用を促すようなサービスも行われている。
しかし、新駅がオープンすれば、バスに乗らなくてもアクセスできるようになるため、イオンモールの利用者にとっては、大幅に利便性が良くなる見通しだ。
また、イオンモールに隣接するコストコを利用する人も多い。

平日の日中にも関わらず、コストコが道路沿いに出店しているフードコートはかなり多くの人で賑わっていた。
フードコートの様子には、周辺住民からの人気の高さが表れていると言えるだろう。
コストコへ行くためにも、バスか車が主な交通手段となっている。新駅のオープンはコストコの人気にも拍車をかけると考えられる。

幕張新都心は「職・遊・学・住」の
機能がそろった複合機能都市
海浜幕張は、これまで「幕張新都心」として複合開発が進められており、駅の周辺にはもともとレジャースポットやショッピングモールなどが多い。
駅を出てすぐのところにはアウトレットモールのららぽーとがあるほか、徒歩圏には国内最大級のイベントホールである幕張メッセや、千葉ロッテマリーンズのホームスタジアムであるZOZOマリンスタジアムなどがある。
幕張メッセでイベントが開かれるときには相当数の人出があり、体感的には同じ京葉線沿線にあるディズニーリゾートにも引けを取らないほどだ。
千葉市によると、居住者・就業者・来訪者等を合わせると、幕張新都心のエリアでは、日々約23万人の人出があるという。
海浜幕張駅周辺のエリアは千葉市美浜区の地域であり、美浜区はエリアによって機能が明確に分かれているのが特徴的だ。

※引用:千葉市
住機能という点では、区の東側に「幕張ベイタウン」というエリアが整備されており、美浜区の住民はここに集中している。
一方で、職の方に目を向けてみると、駅周辺に拠点を構えている企業には名の知れた企業も多い。

前澤前社長で有名になったZOZOが拠点を構えているほか、通販大手のQVCに加え、イオンモールなどを運営するイオンは、海浜幕張で建てたイオンタワーという自社ビルを本社にしている。
海浜幕張の周辺エリアには、属性が高い人の入居を狙える環境も整っていると言えるだろう。
新駅のオープンを契機として、京葉線沿線のベイエリアなどで物件を探してみるのも1つのアイデアだ。
取材・文:
(はたそうへい)