主に2つの不動産会社が
続々と商業施設を開発中
千葉県にあるつくばエクスプレスの「流山おおたかの森駅」周辺で大規模な商業施設の開発が進んでいる。
UR都市機構は駅周辺で土地区画整理事業を進め、2019年5月に換地処分を公告した。
土地を購入した各デベロッパーに対しては、引渡し後5年以内に施設の完成と供用開始が義務付けられている。
駅の西口側に位置するB35街区は大和ハウス工業が開発を手掛けており、大規模な商業施設を建設している状況だ。
土地の引渡しは2020年3月下旬に済んでおり、2022年5月には商業施設がオープンする予定で準備が進んでいる。
なお、商業施設に入る店舗としては、スーパーマーケット・家電量販店・飲食店など合計で約40店舗が予定されている。
URは駅周辺の土地約275ヘクタールについて、主に商業地・住宅地とするべく土地区画整理事業を進めてきた。
※引用:流山市
駅直近南側のA3街区は東神開発という会社が開発しており、こちらには「流山おおたかの森S・C FLAPS」という商業施設が2021年3月から開業している。
東神開発は高島屋グループのショッピングセンター開発会社だ。これまで、玉川高島屋S・Cを皮切りに、日本橋高島屋S・Cや新宿タカシマヤタイムズスクエアなどを手掛けてきた。
なお、流山おおたかの森S・C FLAPSには、無印良品やKINOKUNIYAベーカリーなど32の店舗が入っている。
また、東神開発は流山おおたかの森駅周辺の商業施設開発に注力しており、流山おおたかの森S・C FLAPS以外にも、以下3つのショッピングセンターをオープンさせた。
・こかげテラス
・流山おおたかの森ガーデンズ アゼリアテラス
・流山おおたかの森S・C ANNEX
上記に加えてさらに大和ハウスの商業施設がオープンするので、流山おおたかの森駅周辺では、商業施設がかなり充実することになる。
相次ぐ大型商業施設のオープンによって、周辺から住民が集まってくるとともに、地元住民の雇用が拡大することも期待できる。
流山おおたかの森では、少なくともつくばエクスプレス沿線では、秋葉原・浅草・北千住など東京都内の駅を除けば、最も大きな賑わいを見せることが予測されるだろう。
流山市では
順調に人口が増加中
大規模な都市開発が奏功しているのか、流山市ではコロナ禍にあっても順調に人口増加を続けている。
※参照:流山市
首都圏では、2022年以降特に人口減少傾向が顕著になっているまたは、人口増加の傾向が横ばいに変化したエリアも少なくない。
そのほか、東京都心には特に、4月~5月の春先は人口が増えるものの、それ以外の時期には人口が減少し続けるエリアも多い。
しかし、流山市では時期に関係なく右肩上がりで人口が増加し続けている。行政が策定する都市開発は成果を上げていると言えるだろう。
人口増加エリアでは住宅需要が拡大するため、流山おおたかの森駅周辺では特に、物件価格の上昇を期待できそうだ。
その一方で、流山市が抱える弱点を挙げるとすれば、土地区画整理の対象エリアから外に出るとローカル感が強くなることだろう。
いわゆる箱モノは駅前に多く作った形になったが、例えば流山市の東にある柏駅周辺と比較すれば、まだ街自体が小さい印象はぬぐえない。
しかし、東京都心周辺のエリアで比較すると、流山市の人口増加率は目を見張るものがある。
また、秋葉原まで乗り換えなしで30分前後という利便性を考えれば、流山おおたかの森駅周辺も、投資対象として検討に値するのではないだろうか。
取材・文:
(はたそうへい)取材・文:
(はたそうへい)