2021年にはロープウェイが開業
今後も再開発の波は終わらない
近年は首都圏を中心に再開発のラッシュが続いているが、東京23区と並び目まぐるしくまちの景色が変わっているのが横浜の「みなとみらい(横浜みなとみらい21)」だ。
もともとは産業エリアで、造船所や倉庫、貨物鉄道の駅がある場所だったが、1983年度から都市計画がスタート。89年の「横浜博覧会」のメイン会場として使われことをきっかけに「横浜美術館」や観覧車の「コスモクロック」が開業し、イベントは大盛況を誇ったという。その後、イベント跡地に「横浜ランドマークタワー」をはじめとする施設が建ち、今日にいたる。

同エリアは、「横浜ランドマークタワー」など商業・オフィスビルが多い「中央エリア」、「コスモワールド」や「赤レンガ倉庫」といったアミューズメント施設が並ぶ「新港エリア」、「横浜そごう」や「横浜スカイビル」などがある西区高島付近の「横浜駅東口エリア」に大別され、さらに68の街区にわかれている。
エリア自体は約186haと広く、電車だとJR根岸線の桜木町駅やみなとみらい線のみなとみらい駅が近い。とりわけ、みなとみらい線は東急東横線や東京メトロ副都心線と直通運転をしているので、都心や埼玉方面からもアクセスがいい。
産業エリアからの転換という経緯もあり、みなとみらいの歴史=再開発の歴史といって過言ではない。ざっと挙げるだけにも次の通りだ。
■1980年代
横浜新都市ビル(横浜そごう)/動く歩道/横浜ベイブリッジ/横浜マリタイムミュージアム(現在の横浜みなと美術館) など
■1990年代
横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜・展示ホール)/横浜グランドインターコンチネンタル/ランドマークタワー/横浜スカイビル/クイーンズスクエア横浜/汽車道/パンパシフィックホテル横浜(現在の横浜ベイホテル東急)/横浜コスモワールド/横浜ワールドポーターズ など
■2000年代以降
クロスゲート/新港パーク(現在のカップヌードルミュージアム)/赤レンガパーク/コレットマーレ/横浜ブルク13/みなとみらいセンタービル/横浜三井ビルディング/オーシャンゲートみなとみらい/ブランズタワーみなとみらい など
こうした流れはいまも続いていて、2020年には「京急ミュージアム」や「ハイアットリージェンシー横浜」、「北仲ブリック&ホワイト」、「JR横浜タワー」、「ニュウマン横浜」などの施設、21年には「横浜ゲートタワー」、「LG横浜イノベーションセンター」、さらに桜木町駅と新港ふ頭間には日本初の都市型ロープウェイ「YOKOHAMA AIR CABIN」も開業し話題になった。

そして、2022年も新施設や開業や設備の供用が始まっている。例えば、1月には森永製菓鶴見工場の一角に、小学生以上を対象とした無料の見学施設「森永エンゼルミュージアム MORIUM(モリウム)」がオープン、今春には地上24階で「ぴあMMアリーナ」に隣接する「ウェスティンホテル横浜」が開業する見通しだ。また、2019年3月末をもって改修工事のために一時休館中の「横浜マリンタワー」も、22年度以降に営業を再開する予定だという。
年が明けて2023年春には33街区にオフィスやホテルなどが入る複合施設「MM37タワー(仮称)」、秋には60・61街区にアリーナ棟の「Kアリーナ横浜」、ホテル棟「ヒルトン横浜」、オフィス棟「Kタワー横浜」からなる複合施設が完成する予定だ。

商業・宿泊施設だけではない。昨年4月にはキャンパス施設の一部を地域に開放した「神奈川大学みなとみらいキャンパス」がオープンしているが、少し離れた関内駅の教育文化センター跡地には「関東学院大学館内キャンパス」が年内に完成し、23年2月に開校する予定。こちらも低層部は市民に開放するという。
同じくみなとみらいから距離はあるが、相模鉄道本線の星川駅〜天王駅間の1.4qでは高架下空間の開発計画が進められていて、今冬には商業施設や歩行者空間などを整備。
横浜駅きた西口では地上43階建て・高さ180mのビルが2024年3月に完成し、山下公園通りの「ホテルモントレ横浜」の建替え計画、横浜文化体育館跡地にはメインアリーナ施設やホテル、病院などが建設される計画だ。
他にも再開発や既存施設のリニューアル、インフラ整備が進む見通しで、みなとみらいの変化は留まることを知らない。これからも、足を運ぶたびに景観は変わっていくことだろう。
同エリアやその周辺には住宅地も広がり、賃貸ニーズも高い。東京都心にも匹敵するようなまちに発展すれば、みなとみらい自体に人が集まり、その周辺地域の住民も増えていくに違いない。
健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))