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2020年に閉館した横浜市中区・山下公園通りのホテルモントレ横浜が、2024年4月に建替えによって新築ホテルとしてオープン!

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2022/02/16 配信

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最上階がガラス張りになった新生ホテルモントレ横浜。山下公園通りに面した客室にはバルコニーが設けられ、横浜らしい港町の眺望が楽しめる(出典:横浜市)

コロナ禍の2020年5月に惜しまれつつ閉館したホテルモントレ横浜。当初は、東京五輪に合わせて8月まで営業を続ける予定だったが、五輪の開催延期と新型コロナウイルスの感染拡大によって、早倒しで閉館することになった。一部のニュースでは廃業のようなニュアンスで伝えられたが、2024年4月の復活に向けて建替え計画が着々と進められていた。

ホテルモントレ横浜
山下エリアの中でも目の前が山下公園という一等地。横浜のイメージを決定付ける重要なロケーションを継承し、建替え計画は進められている

ホテルニューグランドと共に
山下エリアを代表するホテル

ホテルモントレは1986年に創業した全国展開するホテルチェーンだが、中でもホテルモントレ横浜は特別な存在だった。もともとは1979年に米国領事館跡地にザ・ホテルヨコハマとして誕生。ハマっ子に「ザヨコ」として親しまれたホテルは、2003年に世界ブランドのザ・ヨコハマノボテルに変わり、さらに2006年に日本のホテルモントレ横浜として生まれ変わった。

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旧ホテルモントレ横浜からの横浜港を臨む景色。新しいホテルではバルコニー越しに見ることができる
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解体が終わり更地になった計画地。信号機の近くには山下公園通りの特色であるガス灯が建つ。周辺は意外にもマンションが多く建ち並んでいる

ここから徒歩すぐの場所には、1927年創業のホテルニューグランドが横浜を代表する建築物として圧倒的な風格を漂わせている。しかし、ホテルモントレ横浜は山下公園前という絶好のロケーションと建物の歴史が醸し出す落ち着いた雰囲気によって、気取らずに宿泊できるホテルとして絶大な人気を誇った。

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圧倒的な存在感を放つホテルニューグランド。数々の著名人も宿泊した横浜を代表する名所で、ナポリタン発祥の地としても知られる
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横浜港のシンボルともいえる横浜マリンタワー。改修工事のため2019年から休館し、2022年4月以降の営業再開を予定している

そんなホテルだから建替え計画は否が応でも期待が高まる。12階建ての新しい建物は、港からの品格のある景観を保つために最上階はガラス張りとなり、周囲の建物と共に魅力のあるスカイラインを形成する。客室にはバルコニーが設けられ、オーシャンビューの部屋からは横浜ならではの景色が楽しめる。

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大さん橋から見た山下エリアの遠景。中央に映る茶色い建物の右隣に建ち、周囲の建物と共に品格のあるスカイラインを形成する

伝統的な意匠「角入り」を取り入れ
横浜の歴史的建造物と呼応する

外観において特徴的なのは、歴史的建造物が並ぶ山下・関内エリアの街に溶け込むデザインを採用している点だろう。特にこだわったのは、横浜税関や神奈川県立歴史博物館、情報文化センターなどに見られる「角入り」を踏襲し、格式の高い意匠を創造した点。かつて山下公園と向かい合っていたファサードは、ちょうど北向きに配置されることになる。

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1934年に建てられた横浜税関。アイボリーの建物に映える青緑色のドームが特徴で、横浜三塔のうちのクイーンとして親しまれている
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馬車道エリアにある神奈川県立歴史博物館。1904年に横浜銀行本店として建てられたもので、当時のドイツ近代洋風建築の影響を強く受けている

気になるのは、ホテルの東に隣接していた1922年建築の旧英国七番館との関係性だろう。もともとイギリスの貿易会社の横浜支店としてつくられた建物で、関東大震災で全焼したものの、外装が残っていたため再建されたもの。その歴史的価値が考慮され、旧英国七番館の高さに合わせて、ホテル側の低層部は造り込まれる予定だ。そして、旧英国七番館の存在が際立つように調和のとれたデザインになるという。

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赤煉瓦が外国人居留地の面影を伝える旧英国七番館。外国商館としては唯一残る建物で、現在は創価学会の戸田平和記念館として利用されている
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中高層部は明るい仕上げにし、赤煉瓦が映えるように配慮。1階レストランには横連窓を設け、山下公園側から旧英国七番館側へ視線が抜けるように工夫(出典:横浜市)

賑わいと落ち着きを創出し
歴史や伝統の価値を再認識

もちろん山下公園通りに並ぶ周囲の建造物との連続性も考慮される。山下公園通りと神奈川県立県民ホール(以下、県民ホール)側の通り沿いには公開空地を設け一部にベンチを新設。周辺の住民がくつろぐことのできる環境づくりが行われる。1階の山下公園通りに面した場所にはレストランが入り、大きなガラスの開口部がせり出すことで店内の賑わいを感じられるように演出する。

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山下公園通り側は3mの壁面後退を行うなどして、ゆとりのある公開空地を予定。南北を繋ぐ動線計画で水町通りにも賑わいをもたらす(出典:横浜市)

また駐車場や車寄せへの動線は山下公園通りではなく、裏手の水町通りや県民ホール側からアプローチすることになり、歴史的な街並みに相応しい配慮がされる。さらに1階の県民ホール側にはコンビニが出店。あわせて水町通り側にサブエントランスを設け、人通りの少なかった県民ホール側の道路や水町通りに賑わいをもたらすことを狙う。

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山下公園通りのガス灯の雰囲気を残しつつ、ロビーの照明が街路へ行きわたることで夜間でも歩きやすい夜間景観を目指す(出典:横浜市)
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山下公園通りの雰囲気に合わせて、時間帯によって照明をコントロール。エリア全体のイメージアップにも貢献する(出典:横浜市)

横浜の歴史や伝統を背負ってきた山下エリアゆえに数々の工夫が凝らされ、周辺の文化的価値の向上にも寄与する形で生まれ変わるホテルモントレ横浜。

近年は、ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜が誕生したみなとみらいエリアが注目されている感はあるが、実は古きよき横浜の魅力へ回帰する動きも見逃せない。その流れを加速させるために、ホテルモントレ横浜の建て替えはちょうどよいタイミングなのかもしれない。

健美家編集部

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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