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横浜市立大病院移転構想も!横浜米軍根岸地区跡地で大規模再開発計画が進行中。

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2022/02/28 配信

横浜では、みなとみらい21地区の都市開発が注目されがちであるが、そのみなとみらいから約5キロの地域に広大な米軍跡地があり、その利用計画が進んでいる。

横浜米軍根岸地区の跡地利用計画である。

横浜米軍根岸地区に残る米国風住宅
横浜米軍根岸地区に残る米国風住宅

跡地には、文教地区をメインとした良質な宅地開発が計画されている。既に、横浜市大医学部と附属病院の移転構想もある。

実現すれば、周辺の地価や賃貸需要に大きな影響を与える可能性があり、長期的な視点で注目したい。

横浜米軍根岸地区跡地の概要とこれまでの経緯

出典:横浜市
出典:横浜市

横浜米軍根岸地区跡地は、JR根岸駅の北側約1キロ、市営地下鉄吉野町駅の南側約1キロに挟まれた約43ヘクタールの住宅地域である。

根岸森林公園に隣接し、緑豊かであるが、標高50メートルという高台に位置することが特徴的だ。西洋館や外国人墓地などの歴史・文化資源が集積し、フェリス女学院や横浜雙葉、聖光学院など数多くの教育機関が立地する山手地区にも接する。

ターミナル駅である横浜駅や、横浜の新しい都心部であるみなとみらい21地区にも約5キロと近い。

しかし、鉄道駅からのアクセスが1キロ程度あり、なおかつ高低差があるため、交通利便性に課題がある。現状では、スーパーなどの商業施設も近隣にはなく、生活利便性にも問題がある。

戦後70年を経て、平成16年に日米間で返還が合意された。平成27年には米軍関係居住者の退去が完了し、平成30年には早期の引渡し、原状回復の実施が決定した。

現時点で返還の時期は明確になっていないが、横浜市は、令和3年3月に、本地区の跡地利用の基本方針として、「根岸住宅地区跡地利用基本計画」を策定した。

「根岸住宅地区跡地利用基本計画」の再開発構想

「根岸住宅地区跡地利用基本計画」では、「多世代が息づき、緑と文化の風かおるまち」コンセプトに、教育・研究、景観・環境、道路・交通、防災・減災の分野ごとに跡地利用の方向性が取りまとめられている。

全体としては、山手地区と連携した文教地区を目指すとしている。元々、教育機関が多数立地する地域であることに加え、研究開発拠点である都心臨海部の周辺部に位置し、なおかつ広大な面積に及ぶことから、教育・研究機能を呼び込む魅力がある。文教地区として定着させることによって、地域全体のブランド力の向上を狙う。

根岸森林公園
根岸森林公園

住環境としては、緑に囲まれた高台という立地を生かし、魅力的なゆとりある質の高い住宅地の整備を図るとする。隣接する根岸森林公園と一体利用を図ったり、地区全体として緑豊かな回遊空間を形成する。米国風住宅は、385戸残っており、これらを改修したり、参考として新たな建築物を建築するなどして、米国風住宅地の景観や雰囲気も継承する。

土地利用は、文教ゾーン、住宅地等ゾーン、森林公園ゾーンというゾーニングを予定している。

根岸地区跡地のうち、南側の根岸駅に近い部分と北側の吉野町駅に近い部分をアクセス性に配慮して、住宅地等ゾーンとする。これらに挟まれた、比較的交通便の劣る地域を文教ゾーンとする。そして、根岸森林公園に近接する東側の地域は、根岸森林公園と一体化させる計画だ。

出典:横浜市「根岸住宅地区跡地利用基本計画」
出典:横浜市「根岸住宅地区跡地利用基本計画」

具体的な跡地利用を進めていくにあたっては、返還時期が明確でないだけでなく、土地の所有形態も、国有地民有地がモザイク状に混在しており、区画整理が必要である。また、下水道や道路などのインフラも整備しなければならない。

このようなことから、横浜市は、土地利用が開始されるまでには、10~15年程度かかると見込んでいる。

横浜市大医学部・附属2病院再整備構想候補地に

横浜米軍根岸地区跡地を文教地区とする計画には、既に具体的に誘致が検討されている教育機関がある。それが、横浜市立大学医学部と附属2病院である。

横浜市は、令和2年9月に、「横浜市大医学部・附属2病院等の再整備構想(案)」を公表している。それによると、現在、金沢区福浦にある横浜市大医学部と2つの附属病院は、老朽化、狭隘化などの問題が指摘されており、最先端の教育・研究・高度な先進医療を一体化させ、横浜の総合医療拠点とする再整備を検討するとする。

そのためには、大学病院としての機能を1病院に集約し、診療・教育・研究機能を一体化した施設が整備する必要がある。医療需要の高い地域、交通利便性と広さなどを考慮すると、根岸住宅地区跡地が最有力候補地であるとしている。

出典:横浜市「横浜市大医学部・附属2病院等の再整備構想(案)」
出典:横浜市「横浜市大医学部・附属2病院等の再整備構想(案)」

横浜市大医学部・附属2病院等の再整備については、今後、市民意見を募集した後、具体的な内容を明らかにした「再整備基本計画」をまとめ、工事等に着手するとしている。

10年、20年後、横浜中心部から程近い立地の、文教地区、良質な住宅地区に変貌する可能性のある根岸地区は、長期的な目線で考えれば有望な投資対象となるといえるのではないだろうか。

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

取材・文:佐藤永一郎(さとうえいいちろう)

佐藤永一郎

FP不動産投資よろず相談所

■ 主な経歴

筑波大学大学院修了。新潟大学大学院博士後期課程在籍。2級FP技能士。会計事務所で約10年、中小企業、不動産オーナーの節税コンサルティングや融資サポートなどに携わる。スタートアップのCFO、監査役などを経て、築古戸建ての不動産投資家として独立。不動産投資のコンサルオフィス「FP不動産投資よろず相談所(https://fprealestateoffice.jp/)」を運営している。不動産投資や税金をテーマとした執筆活動もおこなう。大学院にて所得税制を研究中。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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