幕張周辺住民待望の新たな大規模病院は
2025年度に開院予定
千葉県の海浜幕張駅から徒歩20分のエリアで、新たな市立病院の建設計画が進んでいる。
もともと千葉市は「千葉市立病院再整備基本構想」という医療施設の整備構想を立てており、市立病院の建設はこの構想に沿ったものだ。
構想の中では青葉病院という本千葉駅の東に建っている病院と、検見川浜駅の南西に建つ千葉市立海浜病院が取り上げられている。
しかし、本千葉は海浜幕張から距離があるうえに、海浜病院も幕張ベイタウンなどの住民から見ると近いとは言えない。美浜大橋を渡って花見川を超える必要があるからだ。
※引用:千葉市
新たな大規模病院の建設は、海浜幕張周辺の住民にとっては利便性の向上につながると言えるだろう。
なお、千葉市が立てている予定では、新病院が開院したのちに既存の市立海浜病院は除却し、用地を千葉県へ返還することとなっている。
新病院の規模は5階建てで予定病床数が333床だ。海浜幕張駅の周辺には、2022年時点で海浜病院の他にも複数の病院やクリニックがあるが、ここまで大規模なものは見当たらない。
新病院建設地から徒歩で15分程度の位置に「みはま病院」という病院があるが、こちらは病床数が50床となっており、新病院と比較すると小規模だ。
千葉県では、病床数の多い病院が千葉市中央区など千葉駅から蘇我駅の周辺に集中している。
そのほかのエリアでは、松戸市・成田市などに偏っている状況だ。千葉市以西のベイエリアでは、大規模な病院は船橋市にいくつかある程度となっている。
そのほか、新病院には救急外来や産婦人科に加えて小児科などが設けられる予定だ。
千葉市では出生数の減少から小児科のニーズは今後縮小していくとの見通しから、本千葉にある青葉病院の産婦人科・小児科を新病院へ集約したいと考えている。
海浜幕張周辺に住むファミリー層にとっては、嬉しいニュースと言えるだろう。
幕張ベイタウンには
多くのファミリー層が住んでいる
海浜幕張の駅前には高層ビルが立ち並んでおり、どちらかというとビジネス街の新都心といった印象が強い。
しかし、海浜幕張の南東には幕張ベイタウンという居住街区があり、こちらには2015年時点で8,649世帯・約25,000人の人口が住んでいる。
※引用:千葉市
打瀬地区の年齢別人口分布を見ると、65歳以上の高齢者層は全体の7.2%と少な目で、14歳以下の年齢層が21.6%、15歳から64歳までの生産年齢人口が71.2%を占めている。
ボリュームゾーンは40代後半から50代前半だが、その次に多いのは5歳から19歳までの年齢層だ。
新病院に小児科や産婦人科などが設けられるのは、幕張ベイタウンに住む住民の年齢層に沿っているともいえる。
幕張ベイタウンで居住者の入居が始まったのは約30年前の1995年であり、入居を開始してから年数が経過するにつれて住民の年齢層も少し上がっているのが実態だ。
しかし、裏を返せばそれだけ住民が定着しやすい、暮らしやすいエリアであるとも考えられる。
海浜幕張のオフィス街には様々な大企業が拠点を構えているほか、JR京葉線を利用すれば東京・千葉へのアクセスも良い。
駅の西側にはイオンモールやコストコなど大規模な商業施設も揃っているため、医療施設の新設は更なる生活利便性の向上につながるだろう。
さらに、JRの新駅となる幕張豊砂(まくはりとよすな)駅も建設工事が始まっているなど、話題にも事欠かない。
幕張のベイエリアに今後も要注目だ。
取材・文:
(はたそうへい)