2028年9月頃に
完成予定で計画中
東京都の文京区に本部を置いている順天堂大学が、埼玉県の浦和市で新たな先進医療センターの建設計画を進めている。
順天堂大学は1946年に開学しており、当時から医学部が組織されている大学だ。
医学部・医療看護学部・保険看護学部など医療に関連する学部が複数設置されており、その中でも医学部は偏差値70と特にレベルが高い。
東京都のJR御茶ノ水駅前に建っている大学の附属病院は都内でも有名で、多くの人が診療を受けている。

大学に関連した病院は、御茶ノ水の他にも静岡県伊豆の国市や埼玉県越谷市など、主に関東を中心として複数設けられている。
埼玉県では越谷市に「順天堂越谷病院」があり、浦和美園に新たな医療施設が建設されれば、埼玉県内で2つ目の順天堂大学関連医療施設となる。
浦和美園の新医療センターは、浦和美園駅から徒歩10分程度の場所で計画されている。なお、東北自動車道の浦和インターチェンジからも車で約10分の距離だ。
そもそも、順天堂が浦和美園に医療センターの建設計画を立てることになったのは、埼玉県が病院不足と医師不足を補う目的で大学病院と大学院整備計画を公募したことが発端だ。
予定されている病院の規模には、医療センターを建設するきっかけが反映されている。
現在の計画では、延床面積90,000uの病院棟に800床の病床が設けられる予定。病棟は2つに分かれる見通しで、診療科は28科となる。800床という病床数は埼玉県内の病院で見ると特に多い。
日本病院会の会員となっている病院で比較すると、埼玉県内では入間にある埼玉医科大学病院(1,085床)及び川越にある埼玉医科大学総合医療センター(1,053床)に次ぐ規模となる。
28という診療科目数も病院としてはかなり多く、ほとんどの病気やケガに対応できるだろう。
なお、病院施設の他にも医療系大学院の教育施設・研究施設に加え医療系学部施設など複数の施設が建設される予定で、施設完成後には相当数の人が集まってくると予測される。
順天堂が発表している医療従事者の予定数は、医師300名・看護師800名・その他医療従事者数483名で、総数1,583名だ。
また、大学院についても総定員240名と発表されていることから、医療従事者と大学院の学生を合わせると、最大で1,800人以上の人が新たな施設へ集まることになる。
肝心の開院予定は、計画当初2023年度末だったものが一旦2029年度中まで延期された。
しかし、県の医療審議会からの要請を受けて、現在では2028年9月頃の完成を目指すとされている。
浦和美園駅の周辺では
人口も着実に増加中
浦和美園駅は埼玉高速鉄道の埼玉スタジアム線という路線の駅で、埼玉スタジアム線は東京メトロ南北線に乗り入れている。
埼玉スタジアム線は、浦和美園から東京都北区の赤羽岩淵までをつないでおり、埼玉県の川口市内を南北に縦断するように通っている路線だ。
埼玉スタジアム線という路線名が示す通り、浦和美園駅の北側にはJリーグの浦和レッズが本拠地としている埼玉スタジアム2002が建っている。

浦和レッズはJリーグに所属するサッカーチームの中でも特に人気が高く、ホームゲームの時には多くのサポーターがスタジアムに集まるのが特徴的だ。
なお、順天堂大学は浦和美園を「住宅・小学校・幼稚園などが多く、子どもたちが多い場所で大変活気がある」と捉えている。
統計を見ると、浦和美園駅があるさいたま市の緑区では人口も着実に増加中だ。
※参照:さいたま市
緑区は今後も人口の増加と住宅需要の拡大を期待できるエリアと言えるだろう。
生活利便性に目を向けても、駅の周辺にイオンやヤマダデンキのテックランドがあるなど申し分ない。
首都圏で投資エリアを探すのであれば、浦和美園駅周辺は今後高所得の医療従事者が集まってくるエリアとして狙い目だ。
取材・文:
(はたそうへい)