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東京都内市区で唯一、鉄道駅のない武蔵村山市。モノレール延伸に向けて都市開発が加速中!

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2022/04/15 配信

多摩都市モノレールの延伸は長年の悲願
まちを成長させる起爆剤になる?

東京都の多摩地区北部に位置する、武蔵村山市。東は東大和市、西は西多摩郡瑞穂町、南は立川市、北は狭山丘陵を挟み埼玉県所沢市に隣接している。

直近の人口は約7.1万人で10年前に比べるとおよそ1000人減っている。高齢化率も年を追うごとに上昇し、今年1月時点で26.71%。ただし、国全体(29.1%)に比べるとその割合は低い。

1966年の都営村山団地の竣工を機に人口が激増した東村山市。東村山村、北多摩軍村山村、村山長を経て、70年の名称変更に伴い武蔵村山市が誕生した。画像は同市のまちなみ。
1966年の都営村山団地の竣工を機に人口が激増した東村山市。東村山村、北多摩軍村山村、村山長を経て、70年の名称変更に伴い武蔵村山市が誕生した。画像は同市のまちなみ。

米菓子の「歌舞伎揚」で知られる天乃屋や半導体精密ロボット大手・新川の本社・製造拠点、大手コンビニの弁当・おにぎりを製造するわらべや日洋の製造工場など大手企業が拠点を構え、アスレチック施設や寺社仏閣など、観光スポットは少なくない。都心に通勤・通学する人も多く、ベッドタウンとしても機能している。

武蔵村山市が他のまちと大きく異なるのは、鉄道と国道が通ってないことだ。「おや?」と思うかもしれないが、JR東日本や西武鉄道が乗り入れているのは志村けんの故郷としても知られる「東村山市」。武蔵村山市は東京都内にある49の市区で唯一、鉄道がないまちなのだ。

よって、市内の公共交通は民間の路線バスと市によるシャトルバスになり、鉄道の最寄り駅は西武拝島線の玉川上水駅(東大和市)や武蔵砂川駅・西武立川駅(立川市)、多摩都市モノレール線の桜街道駅・上北台駅となる。

朝夕はどうしても渋滞に巻き込まれるので、通勤・通学時間が長くなるのは難点だ。こういった環境も、人口減に関係しているのかもしれない。

一方、明るいニュースもある。それが、多摩都市モノレールの延伸事業で、現在の北側の終点となる上北台駅と瑞穂町の箱根ヶ崎駅の約7.2キロが結ばれると、武蔵村山市に複数の駅が設置される見通し。

地域住民としても市内にモノレールの駅があると玉川上水駅や立川駅に抜けやすく、反対方向の箱根ヶ崎駅はJR東日本八高線が乗り入れているので、八王子・高崎方面に出やすくなる。移動の利便性は格段に増すわけだ。

延伸の計画図。上北台駅から箱根ヶ崎方面へ延伸すると、多摩地域の主要地区間のアクセスの利便性は大きく改善される。 出所:武蔵村山市ホームページ
延伸の計画図。上北台駅から箱根ヶ崎方面へ延伸すると、多摩地域の主要地区間のアクセスの利便性は大きく改善される。
出所:武蔵村山市ホームページ

事業計画の進捗だが、2016年の交通政策審議会において「具体的な調整進めるべき」との答申を受け、取り組みは本格化。20年に東京都は延伸部の事業化を決め、導入区間の道路はほぼ完成している。

モノレールの導入区間となる新青梅街道は、東京都が交通渋滞解消を目的に幅員の拡幅整備を実施。5つの区間に分けて整備を進めている。これにより、モノレール延伸に必要な空間の確保も図られた。 出所:武蔵村山市ホームページ
モノレールの導入区間となる新青梅街道は、東京都が交通渋滞解消を目的に幅員の拡幅整備を実施。5つの区間に分けて整備を進めている。これにより、モノレール延伸に必要な空間の確保も図られた。
出所:武蔵村山市ホームページ

こういった動きに対して、武蔵村山市もすでにアクションを起こし始めていて、今年1月には新青梅街道の沿道で、これまでよりも大きなビル・店舗が建てられるようにする「新青梅街道沿道第二地区地区計画」を決定した。宅地開発を促進すべく土地区画整理事業も進めていて、モノレールの延伸効果による将来の人口増を見込んでいるようだ。

このように、着々と進む上北台駅~箱根ヶ崎駅間の延伸計画。現状で開業時期は明らかになっていないが、今後10年くらいで実現するという声もある。その間に町の開発も行われ、武蔵村山市の姿は大きく変わるかもしれない。

ただし、懸念点がないわけではない。多摩都市モノレールの1日平均乗降人数は、1998年に開業当初は約3.8万人だったのが、2019年度には約28万人にまで増加。赤字だった営業利益も黒字になった。

ところが、コロナ禍になった20年度は約17万人に激減していて、13年ぶりに当期赤字を計上している。こういった点が計画に水を差さないか心配だ。

しかしながら、モノレールの延伸は市だけではなく地域住民にとっても長年の悲願であることに間違いない。さらなる具体化が急がれる。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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