「花園IC拠点整備プロジェクト」の
一環として周辺に複数の施設が誕生
深谷市は、埼玉県北部に位置し、利根川を隔てて群馬県と隣接する都市。東京都心から電車で90分、車なら関越自動車道練馬IC(インターチェンジ)から35分でアクセスできる。
2006年に深谷市、岡部町、花園町が統合される形で現在の深谷市が生まれていて、直近の人口は約14.2万人。2000年(約16.6万人)をピークに微減傾向が続いている。
そんな同市では、関越自動車道の花園ICの近接地に新たな観光拠点を開発し、市外・県外から人を呼び込み、農業と観光の振興に寄与することを目的とした「花園IC拠点整備プロジェクト」を推進している。本事業を通じた税などの増収による自主財源の確保や雇用の創出といった地域産業の活性化を狙ってのことだ。
事業予定地は花園ICから国道140号線バイパスで約1.5㎞の場所。南側には秩父鉄道本線が通っていて、2018年10月には事業の完成を見越して新駅の「ふかや花園駅」が開業している。
事業予定地は「民間ゾーン」と「公共ゾーン」の2つに分けて開発。公募の結果、前者には三菱地所・サイモン株式会社のアウトレットモール「ふかや花園プレミアム・アウトレット」が今秋開業予定で、後者ではキューピー株式会社による「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」が今年5月29日に開業した。
「ふかや花園プレミアム・アウトレット」は三菱地所・サイモンによる国内10か所目となるアウトレットモールとなる。従来の施設が海外の街並みを再現しているのに対し、同施設は地域との共生をコンセプトに、深谷市にゆかりのあるレンガや、埼玉県北西部の緑豊かな自然をイメージさせるデザインを採用しているのが特徴だという。約120店舗のテナント出店を予定していて、敷地面積は17万㎡を優に超える規模。新たな観光名所になりそうだ。
一方、「公共ゾーン」で開業した「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」は、野菜の魅力を体験できる複合施設。農業・収穫を体験できる農園作業、野菜に関して学べる野菜教室(当面は開催見合わせ)といったコンテンツを用意し、マルシェやレストランも併設する。
高速道路のICから近く、鉄道駅も新たに開業。アクセスは申し分なく、それぞれの施設には多くの来場者が見込め、巨大な施設でもあるので、行政が目的とする雇用の創出にも一役買うだろう。
こういった自治体と民間が協業する施設開発は、人口減時代を迎えた日本にとって、まちづくりの新たなヒントになるに違いない。
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健美家編集部(協力:
(おしょうだにしげはる))